Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)、ユトレヒト
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1月末のオランダ話を延々引きずってきてたけれど、今回でやっと最終回。
ユトレヒトの博物館、Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)のイメージを。
個人的には特にキリスト教徒なわけではないけれど(拝火教とか、もっと古代宗教に近い宗教観なもので・・・)、カソリック的な装飾性が好きなので、教会ねたは外せないものの一つ。
カソリックの装飾性というのは、実は古代宗教のモチーフを大量に取り込んでいて、当時コピーライトなんてものがなくてよかったね、全く・・・という感あり。
なので、キリスト教の下の古代「異教」の記号論を読みとるのが好き・・・なのかもしれない(笑)。
ここユトレヒトは、中世には現オランダ地域最大の大聖堂・聖堂付大学があって、神学と学芸のセンターでもあった都市。
なにかと、宗教芸術作品が残されている。
その中で、このカタリナ・コンベント博物館は、宗教芸術に特化した博物館で、旧女子修道院の建物に1979年にオープンしたもの。
Pおじさんや、地元のグラダおばさまの話によると、ユトレヒト中央博物館が、貴重な中世宗教芸術作品であればあるほど、保存管理上なるべく一般に公開しないポリシーをとりつつある・・・そうなので、中世宗教芸術作品を見るなら、現在は、このカタリナ・コンベント博物館の方が「グッド・チョイス」なのだそう。
まずは地下にある「お宝箱」Treasury(トレジャリー)室に向う。
ここの、とある展示物に興味があった。
それは、このモンストランス。
モンストランスというのは日本語だと「聖体顕示台」と呼ばれているようで、
要は真ん中に「聖遺物」を納めた、装飾的な「御神体」的なるもの。
キリスト教以前の、古代宗教の光・太陽の属性を象徴するフォルムが
その起源である・・・と勝手に解釈している(笑)。
また、このコンパートメント(ポッド)を中心に備える構造が、
なにかしら異次元空間との融合ポイントのような・・・
みたいな、訳のわからない話は、さておき・・・。
このモンストランスは、ちょっとした裏話があるのだった。
装飾的なモンストランスの中でも、
とりわけこの中心のリース上になった部分がまるでジュエリー。
それもそのはずで、19世紀に富裕階級のご婦人方が、このモンストランスを飾るために、
自慢のジュエリーを競って司祭に寄付したのだそう。
その、イヤリング、ブローチ、ペンダント等が、取り外し可能な、上付け装飾に加工されて、
教会の祝祭時に、モンストランスを飾るようになったのだそう。
キャノピー部分の上にも載っている。
そして、ステキなクロス・・・はネタ帳に描いておこう。
それ以外でも、モンストランス・ハント。
ディティールにも興味。
これは20世紀のややモダーンなデザイン。
19世紀の司祭用のクロス・ペンダント・トップ。
Ansfridus Codex 13-14世紀の写本装飾表紙。
この部屋以外にも展示は続いているので・・・この辺でここは切り上げて、
中世の絵画・彫刻のかためられた、Refectory room(旧食堂室)。
天井から吊り下げられた、見事な聖母子像のレリーフ。
これは1240年のマリア像。
木彫の上にプラスター生地を張っている様。
造形がパピエマシェ(張子)っぽい。(特に目の辺り)
1275年の聖母子像。生地は張らずに、プラスターのみで下地を入れている様。
なので、ちょっと目元に進歩が(笑)。
これは1340年の聖母子像。
表情が出てきた^^。
これはもうルネッサンス、1530年の聖アーシュラ(ウルスラ)。
装飾性と描写力と神性の、3つのバランスの上に立った表現。
背景資料を押さえてこなかったけれど、目を引いた彫刻。
ルネッサンス期と思われる、磔刑像の下のマグダラのマリア(たぶん・・・。)
北方ルネッサンス絵画をそのまま3Dにした風の、
静かなエモーションに満ちた表現。
ついつい立体作品の方に目が行ってしまうのだけれど、
絵画は、祭壇画。
これはジーザス先生やら、使徒・殉教伝を絵にしたもの・・・のような。
これも、背景資料は不明。
そのディティールで、これは聖アーシュラ(ウルスラ)伝。
15世紀ぐらい・・・かな?(想像)。
1410年の受胎告知。
やけに、にやけたヤサ男のガブさん(大天使ガブリエル)が可笑しい。
14世紀の写本。
これ以外にもいろいろ宗教改革、新教に関連した展示物が続くのだけれど、
あまり装飾的なものではなくて、
もはやどちらかといえば「イデオロギー」や「コンセプト」よりなので割愛(笑)。
中庭を取り囲んだ旧女子修道院の建物。
最初ここがミュージアムかと思っていたら、
これは隣接するcatharijnekerk(St Catherine's Cathedral)で、
現役の大聖堂だった。
そんなわけで、中は見逃してしまった。
Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)
Lange Nieuwstraat 38, 3512 PH Utrecht, The Netherlands
開館:火~金 10:00am - 17:00pm、土・日・祝 11:00am - 17:00pm
閉館:月、New years day、国王誕生日祝日
入場料(2014年4月現在):大人12ユーロ、子供(6-17歳)7ユーロ、
ミュージアムカード等各種割引あり。
地図:
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あさってから、フローレンスに滞在していて、しばらく標本箱はホリデーモード。 4月20日以降復帰したいなぁ・・・という希望的観測。
また、4月後半に覗きにきてくださいね^^。
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