Saturday, 5 April 2014

Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)、ユトレヒト

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1月末のオランダ話を延々引きずってきてたけれど、今回でやっと最終回。
ユトレヒトの博物館、Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)のイメージを。

個人的には特にキリスト教徒なわけではないけれど(拝火教とか、もっと古代宗教に近い宗教観なもので・・・)、カソリック的な装飾性が好きなので、教会ねたは外せないものの一つ。
カソリックの装飾性というのは、実は古代宗教のモチーフを大量に取り込んでいて、当時コピーライトなんてものがなくてよかったね、全く・・・という感あり。
なので、キリスト教の下の古代「異教」の記号論を読みとるのが好き・・・なのかもしれない(笑)。

ここユトレヒトは、中世には現オランダ地域最大の大聖堂・聖堂付大学があって、神学と学芸のセンターでもあった都市。
なにかと、宗教芸術作品が残されている。
その中で、このカタリナ・コンベント博物館は、宗教芸術に特化した博物館で、旧女子修道院の建物に1979年にオープンしたもの。
Pおじさんや、地元のグラダおばさまの話によると、ユトレヒト中央博物館が、貴重な中世宗教芸術作品であればあるほど、保存管理上なるべく一般に公開しないポリシーをとりつつある・・・そうなので、中世宗教芸術作品を見るなら、現在は、このカタリナ・コンベント博物館の方が「グッド・チョイス」なのだそう。


Treasury room
まずは地下にある「お宝箱」Treasury(トレジャリー)室に向う。
ここの、とある展示物に興味があった。

Monstrance decorated woman's jewellery - Southern Neterlands, 1782-1798
それは、このモンストランス。
モンストランスというのは日本語だと「聖体顕示台」と呼ばれているようで、
要は真ん中に「聖遺物」を納めた、装飾的な「御神体」的なるもの。
キリスト教以前の、古代宗教の光・太陽の属性を象徴するフォルムが
その起源である・・・と勝手に解釈している(笑)。
また、このコンパートメント(ポッド)を中心に備える構造が、
なにかしら異次元空間との融合ポイントのような・・・
みたいな、訳のわからない話は、さておき・・・。
このモンストランスは、ちょっとした裏話があるのだった。

Monstrance decorated woman's jewellery - Southern Neterlands, 1782-1798
装飾的なモンストランスの中でも、
とりわけこの中心のリース上になった部分がまるでジュエリー。
それもそのはずで、19世紀に富裕階級のご婦人方が、このモンストランスを飾るために、
自慢のジュエリーを競って司祭に寄付したのだそう。
その、イヤリング、ブローチ、ペンダント等が、取り外し可能な、上付け装飾に加工されて、
教会の祝祭時に、モンストランスを飾るようになったのだそう。

Monstrance decorated woman's jewellery - Southern Neterlands, 1782-1798
キャノピー部分の上にも載っている。
そして、ステキなクロス・・・はネタ帳に描いておこう。

Monstrans, Jan Pieter Anton Verschuylen, Antwerpen, 1841
それ以外でも、モンストランス・ハント。

Monstrans, fa. Brom, Utrecht, 1949
ディティールにも興味。
これは20世紀のややモダーンなデザイン。

Borstkruis (chest cross) - 19c
19世紀の司祭用のクロス・ペンダント・トップ。

Ansfridus Codex 950-1000 band 1200-1400 with later additions
Ansfridus Codex 13-14世紀の写本装飾表紙。

この部屋以外にも展示は続いているので・・・この辺でここは切り上げて、

Refectory room
中世の絵画・彫刻のかためられた、Refectory room(旧食堂室)。

Refectory room display
天井から吊り下げられた、見事な聖母子像のレリーフ。

Mary, Seat of Wisdom - 1240
これは1240年のマリア像。
木彫の上にプラスター生地を張っている様。
造形がパピエマシェ(張子)っぽい。(特に目の辺り)

Virgin and Child, 1275
1275年の聖母子像。生地は張らずに、プラスターのみで下地を入れている様。
なので、ちょっと目元に進歩が(笑)。

Seated Virgin and Child, 1340
これは1340年の聖母子像。
表情が出てきた^^。

Saint Ursula and her travelling companions, around 1530
これはもうルネッサンス、1530年の聖アーシュラ(ウルスラ)
装飾性と描写力と神性の、3つのバランスの上に立った表現。

From Refectory room display
背景資料を押さえてこなかったけれど、目を引いた彫刻。
ルネッサンス期と思われる、磔刑像の下のマグダラのマリア(たぶん・・・。)
北方ルネッサンス絵画をそのまま3Dにした風の、
静かなエモーションに満ちた表現。

From Refectory room display
ついつい立体作品の方に目が行ってしまうのだけれど、
絵画は、祭壇画。
これはジーザス先生やら、使徒・殉教伝を絵にしたもの・・・のような。
これも、背景資料は不明。

From Refectory room display
そのディティールで、これは聖アーシュラ(ウルスラ)伝。
15世紀ぐらい・・・かな?(想像)。

Part of Middle Rhine alterpiece, around 1410
1410年の受胎告知。
やけに、にやけたヤサ男のガブさん(大天使ガブリエル)が可笑しい。

Berijmde getijden van de smarten van Maria, Utrecht, ca 1350
14世紀の写本。

これ以外にもいろいろ宗教改革、新教に関連した展示物が続くのだけれど、
あまり装飾的なものではなくて、
もはやどちらかといえば「イデオロギー」や「コンセプト」よりなので割愛(笑)。

Court yard - entrance
中庭を取り囲んだ旧女子修道院の建物。

Sint-Catharinakathedraal
最初ここがミュージアムかと思っていたら、
これは隣接するcatharijnekerk(St Catherine's Cathedral)で、
現役の大聖堂だった。
そんなわけで、中は見逃してしまった。



Museum Catharijneconvent(カタリナ・コンベント博物館)
Lange Nieuwstraat 38, 3512 PH Utrecht, The Netherlands

開館:火~金 10:00am - 17:00pm、土・日・祝 11:00am - 17:00pm
閉館:月、New years day、国王誕生日祝日

入場料(2014年4月現在):大人12ユーロ、子供(6-17歳)7ユーロ、
ミュージアムカード等各種割引あり。

地図:

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あさってから、フローレンスに滞在していて、しばらく標本箱はホリデーモード。 4月20日以降復帰したいなぁ・・・という希望的観測。
また、4月後半に覗きにきてくださいね^^。


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