Tuesday, 5 March 2013

Rembrandt House Museum(レンブラント・ハウス博物館)-2-

前回に引き続き、Rembrandt House Museumレンブラント・ハウス博物館)のイメージを。
ここに住んだ17世紀オランダ黄金時代の画家レンブラントに関してはWiki jpの<このページ>を参照。

The Rembrandt House Museum
The Salon(リヴィング・ルーム)
この部屋は多機能室で、居間であり、ベッドルーム。
仕事以外の時間は、大半ここの部屋で過ごしたことだろう。

この暖炉に使われているタイルが気に入って、撮影するも・・・
暗くて暗くて、見事にブレて失敗。

IMG_0039
しかし買ってきたタイルのブックレットに載っていた、これだ^^。
キッチンにも同じものが使われていたそう。

The Rembrandt House Museum
デルフト・タイルの地域だけあってSkirting board
(又は、Base-board=幅木)にタイルが使われている。
イギリスでも、チューダー期一階のタイル床のキッチンなどで、時折見かけるけれど、
木造床の上階で使われるのは、オランダならでは。

The Rembrandt House Museum
このベッド周りの再現は、レンブラントの素描が基になっている。


Saskia in bed (ベッドに横たわるサスキア)1642頃。

レンブラントの妻サスキアは富裕市民の出身で、彼に多額の持参金と顧客のコネクションをもたらし、またモデルもよく務めていた。しかし、成人に至るまで唯一生存した息子、Titus(ティトス)を産んだ後(結核と思われる)病気で没する。この素描は彼女が亡くなる前に描かれたものと考えられている。

The Rembrandt House Museum
全然関係ないけれど、この部屋にあった絵画のディティール。
ルネッサンス期のボート好きなので、ちょっと気になった^^。

The Rembrandt House Museum
リヴィング・ルームの上の階は、アトリエとコレクション室になっている。
これはコレクション室のヴュー。

レンブラントは浪費家で、亡妻の資産も食い潰し・・・という歴史の展開なのだけれど、ただの「浪費家」というわけではなく、アートと世界中からのレア物をコレクションして、自分の周りに「世界」を再現したいというマニアックなコレクターだった。
ちょうど、このオランダ黄金期の、ブルジョワ市民の文化的な趣味Cabinet of curiositiesキャビネット・オブ・キュリオシティーズ)の、究極をいっていた・・・ということになる。
そして、これらのコレクションはただの「飾り物」ではなくて、聖書や神話の歴史絵画の発注を受ける画家としては、重要な「参考資料」であり「プロップ(小道具)」でもあったのだ。
彼の弟子たちもこの莫大なコレクションを、参考・研究資料に使うことが許されていたので、彼らにはラッキーな環境といえる。

The Rembrandt House Museum
一方、このコレクションにのめり込まなければ、
彼は問題なく、屋敷のローンも払い終えただろうし、破産もしなかっただろうといわれている。

The Rembrandt House Museum
皮肉なことにここでも、競売リストが、
彼のコレクションを再現する上で大いに役に立っている。
アウグストゥス帝、ネロ帝の胸像、
東インド会社経由のアジアの皿、鉱物・貝類標本・・・、

The Rembrandt House Museum
版画類、本、写本、剥製、昆虫・植物標本、地球儀、
ガラス器、コイン、メダル・・・等々。

The Rembrandt House Museum
文字通りキャビネット・オブ・キュリオシティー。

私もオタク・コレクター傾向アリなので、人事とは思えない。
興味のあるイメージを、デジタルで収集できる現代に生きてて、
本当によかった(助かった)・・・と、思う次第(笑)。

The Rembrandt House Museum
これはその隣のアトリエ。
私がこの部屋にたどりついた時には、もう、日暮れ・・・。
なので、このアトリエの実際の光の効果は、全く実感ナシ。
実際には北窓で、一日中光の状態が安定しているため、画家には理想的な部屋だそう。
この部屋の再現には、この素描が参考にされた。

Rembrabdt studio
Rembrandt's studio with a model 1655年頃。
左に彼のイーゼルの一部が見えていて、光に向かってモデルが座っている。
下半分の窓のシャッターと、天井から吊るしたブラインド・カーテンで、光量を調節している。
製作中の画面に最大限光が入るように、窓に向けてイーゼルは立てられただろうが、
自分の影が落ちないように、少しアングルをもたせていたもの、と、考えられている。

レンブラントは初期の絵画にのみ、パネルを使っているが、後年はキャンバスのみを使っていた。
キャンバスをストレッチして、師匠が使用できるように準備するのも弟子の仕事の一部。

The Rembrandt House Museum

The Rembrandt House Museum
冬用に、アトリエには2つのストーブが入れられていた。
ヌード状態のモデルが寒くないように、また、絵の具に使う亜麻仁油が早く乾くように。
燃料はピート(泥炭)が使われていた。

The Rembrandt House Museum
当時の絵の具は、顔料と亜麻仁油を練り合わせて作られる。
顔料も塊で入手して、細かく砕いてすりつぶす。これらはすべて、弟子の仕事。
大体一日に使い切る程度の少量ずつ、毎日作ったのだそう。
この部屋で絵の具を作る実演も行われている、ということだけれど、
この段階で6時前で、スタッフが部屋を片付け始めていたりしていて、
この時は実演はナシ。

The Rembrandt House Museum
様々なサイズ・素材の筆が使われている。
Ermine(オコジョ)、 badger(アナグマ)、 marten(テン)や豚毛のもの。

The Rembrandt House Museum
棚の上の小さな彫像。
北方ルネッサンスっぽい、ぽってりした胴長さん。

The Rembrandt House Museum
最後は、暖炉の横にもたれかかっていた、イタリア風の美人さん。


Rembrandt House Museum
(レンブラント・ハウス博物館)

Jodenbreestraat 4,1011 NK Amsterdam, The Netherlands

開館:毎日10:00pm~6:00pm
(アムスで6時まで開いている博物館はここぐらい。
ゆえに、後回しになって、ついつい夕方になってしまう。)
閉館:女王(国王)誕生日:4月30日(2013年)、4月27日(2014年以降)
クリスマス:12月25日、新年:1月1日

入場料:大人€12.50
その他細かいディスカウント等は英文で<このページ

地図:

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入り口は左側の、モダーンな建物の方から。












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