Monday 4 February 2013

Naarden (ナールデン)の町

Grote Kerk (Great Church)で催されている、Kunst & Antiek Weekend(アートとアンティークの週末)の、ペーターおじさんのブースを抜け出して、Naardenナールデン)の町を散策してみた。
前回も書いたけれど、ここは17世紀建造の星型要塞の町で、最初に地図で見たときにとても不思議に思ったところ。Google mapで見るとこんな感じで・・・、


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クリスマスですかね・・・、という印象。
Wikiによると、15世紀ルネッサンスのイタリアで、火器に対応して設計された構造なのだとか。
私は、ルネッサンス以前の11-15世紀のイギリス中世史が、かろうじて守備範囲なので、このあたりの歴史は専門外でよく知らないのだった。そして、<このページ>に世界の星型要塞リストがあるけれど(英文)、UKには極端に少なくて、スコットランドとのボーダー近く、英仏海峡に面してと、テムズ河口に2つ、それも、星型ではなくて、その半分にした形・・・みたいな不完全なもの。どうりでいままで見たことがない、と思ったわけだ。
イギリスは基本的に島国・天然要塞状態なので、コンチネント(大陸)側より(やや)物騒ではなかった、という歴史的背景なのだろう。(防衛より、攻撃の方で忙しかった・・・ともいえる。)
この複雑な構造がフォトジェニックかも・・・と実は期待していたのだけれど、正直言って、私のテイストではなかった・・・、ただレンガ造りの土手が続いているだけではちょーっとねぇ(笑)。
まぁ、起源は物騒な時代の、物騒な目的なのだけれど、今現在ではこじんまり・のんびりした郊外の町の佇まい、の方がフォトジェニックだったかな。


Naarden - Utrechtse PoortUtrechtse Poort(Utrecht Gate、ユトレヒト・ゲート)が唯一今でも残っている、砦門。
もともとは17世紀に建造されたが、写真でもわかるように1877年に、現在の門に置き換えられた。
剣と矢を持っている、ランンパント(立ち姿)のライオンは、
当時のネーデルラント7連邦共和国の紋章。

Naarden - Utrechtse Poort
ここから歩行者用の通路が掘割を越えて繋がっている。
車は、横を平行して並ぶ車道側を通る。

Naarden - Utrechtse Poort
冬枯れ、雪の積もった並木道。

Naarden - town
「いまいちフォトジェニックじゃなくて・・・」というのは、こういうこと。
貯水池のようなレンガ造りの土手が延々続く、だけ。
雪が積もって、氷が張ってて、日が差して・・・かろうじて「絵になる」風景。
この砦の形、航空写真だったら、面白いだろうけど・・・。

Naarden - town
それにしてもいいお天気、なので、こんなことではめげない。
ちなみに、日が差しても、気温が-3℃ぐらいなので、雪は溶けないもんなんだなぁ。
温暖地域住民は、初めて知ったよ。

Old Town Hall - Naarden
Grote Kerkの斜め向かいに建つ、1601年建造の旧タウンホール。
オランダのルネッサンス様式で、イギリスだとエリザベス1世のテューダー末期に相当する。
crow-stepped gable(クロウステップド・ゲイブル=階段状になった切り妻、)の典型。
イギリスでも16-17世紀の建物で、みかけることがあるが、ドイツ、北欧中心に使われた様式。

Old Town Hall - Naarden
エントランス部分。紋章は神聖ローマ帝国の双頭の鷲みたいだけど、
実はナールデンの紋章。

Old Town Hall - Naarden
壁にも建造の1601年を表す飾りタイル。

Old Town Hall - Naarden
ライオンの飾りタイル。

Naarden - town
旧タウンホールの隣に立っていた、町のポンプのレプリカ。
18-19世紀にはこの砦の町の中に30の給水ポンプがあったのだとか。
海にも近いのだけれど、ポンプの下3mに真水を含む砂の層があって、
そこから汲みあげていたのだそう。
1904年に上水道システムが導入され、
1919年以降使われなくなったポンプは撤去されてしまったので、これは複製。

Naarden - town
アンティーク・フェアが開催されるだけあって、町中にも何件かアンティーク屋がある。
その中でも、一番奇妙だったのがこのde Oude Markt(The Old Market)。
アンティーク+ヴィンテージ+ジャンクで、実に怪しげなもの山積み。
中にも身動きが取れないぐらい、ジャンク(?)が詰め込まれている。
掘り出したら面白いものがあるかもしれないけど、あと2人位お客さんがいて、
全く動けず・・・そのまま後ろ向きのまま出てきたような状態。

Naarden - town
ケトルが中々いい感じ。
撮影機材持参なのに、キャビン持込手荷物だけで来ているので、
かさばる物を買うのは厳禁。我慢。

Naarden - town
その先にまた、クロウステップド・ゲイブルの家。
ゲイブルの上の方にに、Hoist(ホイスト=巻上げ滑車用の鋼鉄梁)が付いているということは、
上階は倉庫として使われていた可能性が高い。
繊維産業で栄えた町、ということなので、
その昔は機織業者が住んで働いていたのかもしれない。

Naarden - town
通りの裏の住宅。

Naarden - town
石畳の路地が続く。
現在は繊維産業の名残もなくて、静かな住宅街。

Naarden - town
最後に、愛らしいエンジェルのドアノッカー。

次回は、一度ロンドンに話は戻って、アムステルダムから帰った翌日、最終日に駆けつけたThe Decorative Fairの様子を。


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