Kunst & Antiek Weekend 展- Peter Gabriëlseの箱彫刻
ハァ、やっと写真を仕事社交先にリンクなど送り届け、あとはぼちぼち自分の趣味モードに入ってきたところ。
標本箱はまず今回のミニ・トリップのメインテーマ、ペーターおじさんの箱彫刻のブースのイメージから。
Kunst & Antiek Weekendというのは(どう発音するかは、皆目謎)、「アートとアンティークの週末」と名付けられたフェアで、年に一度アムステルダム郊外のNaarden(ナールデン)という、17世紀建造の星型要塞の中の教会で、木~日曜の4日間催される、オランダでも有数のフェア。
このフェアに個人のアーティストが参加する前例はなくて、今まではアンティーク・デーラーのGabyさん達がPおじさんの作品を数点持ち込んでいた。
今年は、諸事情あって、Gabyが同時期に開催されるロンドンのThe Decorative Fairの方に出展を決定したため、ちょうどキャンセル・スタンド状態になったところを、Pおじさんが引き継ぐという形で、異例の個人アーティスト出展が認可される・・・ということになった。
このナールデンのある、アムステルダムからユトレヒトの間の地区は、富裕層の住宅地が多いのと、ナールデンから2つ先の街 Hilversum(ヒルフェルスム・・・と発音するとWikiで知った。ずっとヒルヴァーサムと英語発音で通したぞ・・・笑)にTV・ラジオ放送関連産業が集中していることもあり、文化的な土地柄なのだそう。そんな背景もあって、ここで大きなアート・アンティーク・フェアが催されるのだった。
PおじさんもTVセット・デザイナーとして、オランダのNPO(UKのBBC、日本のNHKに匹敵するものだと思う)に長年勤務していて、ヒルフェルスム近郊に住んでいたので、この地域はいわば地元、昔なじみの知人・友人も多い。なので、「里帰り展」という雰囲気でもある。
まずは、ブース全体像。トータル23点が一気に展示されると、なかなか圧巻。
このうち10点がこの冬完成の新作。
床はちょっときたなっぽく見えるかもしれないが・・・、
これは教会の石床がそのまま使用されているため。
左奥の方の暗い色の石板には、名前と18世紀の年号が記されていて、
あ、この下でお休みなんだな・・・と、察せられる。
(フランスでは見たことがないのだが、UK同様オランダでも、
教会の敷石の下に信徒を葬る習慣があるよう。
カトリックとプロテスタントの違いなのかな・・・。)
開場早々、この石床に赤ワイン・ボトル倒して「血の海」状態にしたのは・・・私です。
閑話休題。 もう少し近くば寄って・・・。
去年の夏シャトーのアトリエで「製作中」だった箱達が、続々と完成している。
手前の背の高いキャビネットの箱は、新作ではなくて、以前作られたもの。
シャトーの入り口ホールの、暗いところにいつも置いてあって、
暗くて写真が撮れなかったのを覚えている。
テーブルの上にはBlurb本やら、フィーチャーされた写真本などの参考資料。
この小さい箱が、テーブルの上に立っているのは・・・、
その後ろの、シャトーから持参のコ-ヒーメーカーを隠すため。
ケータリングのコーヒーは美味しくなかろう、というので、Pおじさんコーヒー持参。
さて、開場。しかし、この教会内の展示エリアの他に、
教会の外側にもマーキーが建造されてブースが作られていて、
その外側エリアが入り口となっているので、
この教会内エリアに来場者がたどりつくまでに30分以上かかる。
Pおじ、まったりと新聞など読んで、典型的な「アンティーク屋の親父」風情。
おっ、来た来た、来場者がPおじのブースに集まり始める。
ちなみに、ブースの向かいの通路側にも3作品が展示されている。
その後ろの、チャンセル(内陣)部分にはケータリング・カフェが入っている。
高級フェアなのを反映してか、これがけっこう高い。
ケータリング・コーヒーに張り合うか、カフェ・ガブリエルザ・・・。
中央の教会の聖遺物箱(?)を箱彫刻にした作品が、教会を背景に、まるで里帰りしたかのよう。
この作品は、雑誌・書籍にフィーチャーされた、ここ20年歴代のPおじのインテリアに登場する。
つまり、ずいぶん昔の作品。
みんな興味深々で見ているのだけれど、聖遺物箱を改造してしまう・・・という発想が、
さすがに「バチアタリ」なのか、いまだに売れてはいないのだそう。
ウチの旧仏壇を、配偶者氏が小物入れに使っている我家としては、
なんてことないんだけどな(笑)。
実はこの作品が一番好きだったりするが、ウチの問題は「ご予算」の方なのだった。
あ、混んでる混んでる。
Pおじさん自ら単独出展というので、昔の友人が続々来場。
そうしたら、それにつられて、他の来場者もブースに人だかるという「サクラ」効果発揮。
他の出展ブースは比較的暇そう・・・だったけれど、Pおじブースは来客が絶えない。
ここで、新作のディティールを少し覗き込んでみよう。
オークの木彫パネルを張り込んだ作品。
窓際の小さな小さな椅子に注目^^。
棚と階段のある物置部屋。
「真ん中の釘に何か掛けないの?」と尋ねたら、
「買った人が何か掛ければいい。」というPおじらしい、へそ曲がりな返事(笑)。
荒れたドアのテクスチャーと、ガラス球の質感の対比がシュール。
いつも人気の「図書室」シリーズ。
これも「図書室」シリーズ。
ゴシック・パネルのクアトロフォイルに、
ちょうどぴったり合うサイズのガラスの蓋がはめ込まれている。
7月にシャトーで見かけた、象牙製のミニチュア・キャビネットは、
最終的にこの作品に収まった。これが・・・・、
開いて、中にミニミニ本が入っている・・・のは、知らなかったなー。
Pおじ、お手伝いに駆けつけた仲良しのグラダおば様に、
カフェ・ガブリエルザ、インストラクション中。
昔の同僚と再会して、ご機嫌のPおじさん。
この、会場に使われている教会Grote KerkThe(Great Church)は、15世紀に端を発する教会で、
近年の改修工事で、長年覆い隠されていた天井壁画が発見された。
教会自体、なかなか興味深い・・・。
最後に教会の外観。
この初日は「同窓会」状態で、実際の作品販売には繋がらなかったのだけれど、翌日私がアムステルダムの博物館めぐりをしていた金曜日に、2作品販売。その後の週末に、作品のコレクターや、常連顧客が来場してもう4作品販売、で、トータル6作品が売り上げ決定。それ以外にも、作品の引き合いがあったり、別のフェアから出展依頼が来たりと、Pおじさんとしては大成功の作品展示会だった。
このフェアの前から、北ヨーロッパ全体に異例の寒波・積雪があって、私もフライトを心配していた状態(結局、ロンドン側はすぐに暖かくなって、ヒースロー空港問題なし、幸いなことに・・・)。
ロンドンより少し寒いアムステルダム界隈では、交通があちこちで混乱。会期中の土曜日にも、また、にわか雪が何度も通り過ぎて、再び積雪。そんなわけで、フェア自体は例年より、遠来の来客数を大幅に落として、各ディーラーさん達は大苦戦だったのだとか。
地元に熱心なファンの多いPおじさんは、天候関係ナシ。遠路はるばるノルマンディーから参加した甲斐があったというもの。おじさんには「ガブリエル」が憑いている・・・というのも、まんざら冗談ではないのかもしれない・・・?
次回はこのナールデンの町を、散策していた時のイメージを。
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