ブルーベル・ウォーク
先週せっせと働いていた、日本の雑誌の撮影仕事の最後に、これは仕事ではなくて自発的(ボランティア)参加という形で撮影同行させてもらったのが、木島タイヴァース由美子さんのブルーベルウォーク。
英国政府公認のブルーバッジ・ガイドの由美子さんとは、雑誌の仕事仲間(撮影仕事を持ってきてくれるので、「親方」と呼んでいる)、東京のライターの小関由美さんの紹介で、知り合った。
今回、由美さんがブルーベル・ウォークに参加して記事を書く・・・という話を聞いて、私も便乗させてもらうことになった。
上の由美子さんのリンクに詳しくブルーベルのことが解説されているのだが・・・、イギリス純粋原産種のブルーベルは減少していって、絶滅の可能性すらあるのだった。
普通のブルーベルはどこの庭にも生えてくるのだが、実はこれはスペイン原産種がイギリスに入ってきてしまったもの。
イギリス原産種と混血すると、スペイン原産種の特徴の方が優性なのか、どんどんスペイン種化していってしまい、イギリス種の特徴が失われていく・・・ということになる。
湿った木陰のうちの庭などはブルーベルがよく咲いているし、一度ブルーベル満開の森に偶然行き合わせたことがあったのだが、「イギリス種」というのはちゃんと見たことがなかった。
そこで、ブルーペルの森散策に、参加してみることにした。
まず、特徴がよくわかるように・・・これが、イギリス種。
これがスペイン種(うちの庭で今咲いているもの)。
比べてみると、違いが明確。
イギリス種の方が色が深く鮮やかで、花のベルの形が深くて長い、
花びらの先が咲ききると、外側に丸くカールしていく、
そして、イギリス種はすずらんのように花が一方向に付くので、しだれていくのに対して、
スペイン種は4方向に花が付くので、バランスが取れるためまっすぐ伸びている。
現実にはこれほどはっきり分かれていなくて、その中間のような混血種もいろいろ見かけたのだが・・・。
このブルーベルウォークは、Wendover(ウェンドーヴァー)という小さな町にLondonのMarylebone(マリルボーン)駅から鉄道で向かい、そこから由美子さんに付いて、パブリックフットパスを歩く。
あいにく、ここのところ悪天候続きで、当日も朝は小ぬか雨交じり。道もかなりぬかるみだったのだけど、その分ブルーベルの森の神秘的な雰囲気が漂っている。
雨上がりの草地を抜けて・・・、
パブリック・フットパスを歩く。
この「またぐ方式」のゲートはStiles(スタイルス)と呼ばれて、人はまたぐことができるけれど、
放牧されている羊・牛達は外に出ないように作られている。
羊がいる。ちょうど子羊が育ち始めるシーズン。
お母さんと子羊達は、見分けやすいように同じナンバーが、書かれている。
途中の草原で見かけたCowslip(カウスリップ)。
道はこんな感じで、ぬかるみ。坂があるので、滑る滑る。
ブルーベルの群生する森に入ってきた。
この神秘的な光景・・・ぬかるみもまた楽し・・・。
鮮やかな新緑が、霧の中で引き立っている。
そして、ブルーベルの群生。青く煙っているように見える。
この暗い深い湿った空気がイギリス特有のもの。
とてもイギリス的なる色合い。
ちょうど8分咲き位で、ベスト・タイミングだった。
奥ゆかしいというか、恥ずかしがりというか・・・(笑)。
ブルーベルを堪能した後は、丘を登り開けた草地に着くと、
そこはナショナルトラストの管理する土地。
丘のかなたには、ボーア戦争の記念碑が建っている。
この下に腰掛けて、ランチタイム。
この丘の上からの眺めが絶景。
霧がかかった中を、雲を裂いて時折日差しが通り抜けていく。
丘の峰を歩いて、元来たWendoverの町へと戻っていく。
その、Wendoverも、イギリスのカントリーサイドのチャーミングさ満点の町なので、次回は、ここの町のイメージを展覧予定です。
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