King's College London (キングスカレッジ・ロンドン)のチャペル
Happy Easter!!で、U.K.はホリデー・モード。
このイースター・ホリデー(金曜~月曜)の間に、うちの近所では、鉄道橋の架け替え工事をしていて、鉄道走ってない(メインラインなのに・・・)。
出かけたいなら、隣町のキングストンにバスで出て、各駅停車のローカルラインで、出かけてください・・・という、イギリス式気の長い呑気なシステム。いやもう・・・どうせそんなことだろうと思って、ホリデーお出かけは、工事の少ない社会の「仕事中」に取ることにしているのですよ。
さて、本題は、前回の爽やかなMia Woodのお店から、一転して今回は「こてこて」19世紀ゴシックリヴァイヴァル様式のチャペルのイメージ。
このチャペルはKing's College London (キングスカレッジ・ロンドン)の中にあるのだけれど、このカレッジStrand(ストランド)の通りに面している入り口は、1970年代頃改築された、実にぱっとしないコンクリートビル。 まさかこの裏に古い建物が隠されているとは、想像だにしなかった。
ストランドからフリート・ストリートのあたりの写真を撮って歩いていて、この標本箱(このページ)で完全にカン違いしていた、Strandの道の真ん中に立つSt Mary Le Strand(ストランドのメアリー教会)を訪れた。そのときに、アテンドのおじさんに「建築が好きなら、ぜひ見ていらっしゃい。」と進められたのが、このチャペル。 なにしろ、私の好きな「こてこて」19世紀ゴシックリヴァイヴァルの建築家、George Gilbert Scott(ジョージ・ギルバート・スコット)デザインなので、これはもうMust。 大学がオープンしている時間帯は誰でも入ることが出来て、このストランドのメアリー教会からは、ストランドの西向き車線を隔てたほぼ真向かいなので、その後に立ち寄ってみた。
そのぱっとしないコンクリートビルの通用口を学生に混じって入って、コートヤードの左手に見える重厚な石造建築が、目指す建物。 大きな正面入り口を入ると、これまた大きな階段ホール、これを2階に上がったところがチャペル。
チャペルのドアを開けると・・・、中はもういかにもギルバート・スコット的なる濃厚さ。
正面から。
大学が建造されたのは1831年で、その後1864年にスコットがこのチャペルを再デザインした。
Grade(グレード)I の保存指定建造物で、2001年に修復改装されている。
一分の隙もない、ゴシック・リヴァイヴァルの典型的装飾主義。
21世紀のトレンドからは激しく外れているところが、個人的には好もしかったりする(笑)。
祭壇アルコーヴの天井ドームの壁画。
19世紀タッチの、たおやかな天使達。
祭壇アーコヴ両側の、木製パネル。
象嵌風だけれど・・・ペイント(ステンシル?)だと思われる。
チャペルの側面。
半円形の(先とんがりでない)アーチは、厳密に言うとゴシックというよりは、ロマネスク・スタイル。
どことなくイタリアのチャペルを連想させるデザイン。
全体に木製象嵌風のパネルが多用されているので、イタリアを思わせるのだろうか・・・。
木製パネルのディティール。
その下の柱頭部のディティール。
側廊のパネルは、モザイクのものと、ステンドグラスのものがある。
入り口の上にはパイプオルガン。これまた、見事にペイントされている。
パイプの装飾ディーティール。
パイプ・オルガン脇の壁画。
どことなく、仏教建築に相通じるようなエキゾティシズムを感じてしまうのは・・・、
ビザンティン様式を中心に、西洋と東洋が入り混じっているからなのだろうか。
ヨーロッパのロマネスクもゴシックもビザンティン様式の末裔で、
一方、中近東やインドを介在して、
その装飾様式は、東洋に伝播していっているからなのかもしれない。
最後に、キングスカレッジ・ロンドンのコートヤードから、テムズ川に通じるゲート。
これは完璧なネオ・クラシカル・スタイル。
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King's College London
Strand, London WC2R 2LS
ちなみに・・・<このページ>で、チャペルの360℃ヴューが見られる。
地図とKing's College Londonの入り口(入り口ビルとのギャップありすぎ・・・。)
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ジョージ・ギルバート・スコット先生が出てきたところで、次回は彼の代表作St Pancras(セント・パンクラス)駅のイメージいきます。
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