Thursday, 15 March 2012

ロンドンの街-Lincoln's Inn(リンカーンズ・イン)周辺

前回の続きで、Royal Court of Justice(王立裁判所)の裏手からが、今回の散策。

Gate - Royal Courts of Justice
王立裁判所のデコラティヴな裏門を見ながら、道なりにCarey Street(カレーストリート)を、
北に曲がって、Portugal Street(ポーテュガル・ストリート)を左(西)に折れる。

Pub George IV
すると、突き当たりに見えるのが、パブ、George IV(ジョージ4世)のヴィクトリアンの建物。
この一角は、既に法曹街からすこし外れて、学生街。
ちょうどこの裏手全体は、LSE(London School of Economics and Political Science
=ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス)の建物で占められている。
このパブも、大学の所有だそうな・・・。一般人でも入れるのだけれど。

St Clement's Lane
その少し先の小路St Clement's Laneのジョージアン「スタイル」の建物。
Gable(破風)に付いている年号から、実際には20世紀初頭の建造だと解る。

Pub - Ye Old White Horse
その向かいの路地にも、昔風のパブ、ここもまた現在は学生パブ・・・という風だったが。

Near Portugal Street
その先は、現在大工事中。
新しいビルと古い建物が、入り混じっているこの風景の前に、また新しいビルのキャンパスを建造中。
大学は、法曹院と違って、新しい建物で学生にアピールする必要があるのかな。
私のような「古物好き」は、「やれやれ・・・全く」と嘆息してしまう・・・。

なので、もう一度パブ、George IVの角に戻って、今度は右手(北)に曲がると、
その先の右手にに不思議な建物が現れる。

The Old Curiosity Shop
The Old Curiosity Shopと呼ばれるこの店。


Charles Dickens(チャールズ・ディケンズ)の小説「The Old Curiosity Shop(骨董屋)」という小説の、モデルになったのでは・・・と考えられている、16世紀の木造建築。
17世紀のロンドン大火も、第二次世界大戦のロンドン爆撃も、ミレニアム・バブル経済の新規開発をも逃れて、現存する珍しい例。
小説の方は(Wikiのリンクを貼っておいたけれど)、ここに住む主人公の少女とお祖父さんの話で、一攫千金を夢見たお祖父さんがギャンブルにはまって、身を持ち崩して・・・のような、ディケンズらしい人情話・・・のよう。
あらすじでも書こうかと思ったけれど、複雑な人間関係・登場人物などなど、私の理解の範疇をはるかに超えているので、割愛。(プラクティカルな文章は、だいたい読めるのだが・・・、小説が一切読めないのだった・・・笑)ご興味の方は、英文あらすじを読んでみてください^^。
実際には、この建物をモデルにして、ディケンズがこの小説を書いたという裏づけはなくて、逆に、この小説が出版された後で、この建物に「ディケンズの小説で不朽となった、骨董店」と大書されたものらしい。
一時期テイラーであった時の、19世紀の写真を見たことがあるが、20世紀後半には、実際にアンティークや、ディケンズ関連の古本や土産物を売る店だったこともある。 1992年に、現在のThe Old Curiosity Shopという、ハンドメイドの靴の店になった。


The Old Curiosity Shop
店のウィンドウの中の、この店のノベルティと思われるベル。

The Old Curiosity Shop
ここの2階のアトリエで製作されているのだとか。

このPortsmouth Streetをもう1ブロック北上すると、
Lincoln's Inn Field(リンカーンズ・イン・フィールド)という、公園に出る。

Lincoln's Inn Fields
Photo by : Wire Chairs Missing @Flickr
これはFlickrからの「借り物」写真で・・・、緑が広がる都会のオアシス的公園。
ちょうどその向かいの、公園北側にSir John Soane Museum(ジョン・ソーンズ博物館)が建っている。
標本箱にも詰めたことがある「このページ」。

Lincoln's Inn Field
その南側、これはRoyal College of Surgeons(王立外科医師会)の前。
この中にもThe Hunterian Museum(ハンテリアン博物館)という、外科医療関係の博物館がある。
外科医療器具やらホルマリン漬けのサンプル等が、研究対象として展示されているとか。
個人的には生理的に受け付けないので・・・多分行くことはないと思うけれど・・・、
ご興味の方は、どうぞ(笑)。

この南側の道を東へ進むと、Newman's Rowとの交差点に・・・、

Lincoln's Inn Fields
ネオクラシカルスタイルの、端正な給水場のモニュメントが建っている。

ここから、南を見ると、

Royal Courts of Justice
再び王立裁判所の裏手が見える。ぐるっと一周してきたことになる。

北を見ると、これまた別の古風な建物・・・。

Lincoln's Inn - Great Hall
まるで、ハンプトンコート・パレスかと思うような、16世紀テューダー様式。
実際には、19世紀に建てられた、テューダー風の建築で、
これがLincoln's Inn(リンカーン法曹院)のNew Hall (ニュー・ホール)グレート・ホールとも呼ばれる。

Lincoln's Inn - Great Hall
正直な話・・・、この写真を撮った段階では
「ロンドン市内に残るテューダー建築!!」と、真剣に信じていたのですね(笑)。

Lincoln's Inn
これが正門で、門は開いているけれど、この日は土曜日で関係者以外立ち入り禁止。
平日は一般の者も入れるし、外からの撮影はO.K.という話だったので・・・、懲りずに、また行きましたよ。

なので、この中のイメージをまた次回に^^。

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