Peter Gabriëlse(箱彫刻家 ペーター・ガブリエルザ) アトリエ
今回はペーター・ガブリエルザおじさんの、アトリエと展示ギャラリーのイメージ。
以前書いたかもしれないが、彼は現在ノルマンディー内陸のFlersという町の近く、Saires-la-Varrerie(あー、全く発音できない・・・私の耳には「サリヴァリー」としか聞こえない)村のはずれの18世紀のシャトーに住んでいる。
シャトーというと英語だとカースル=城ということになって、とてつもないものを想像してしまう傾向にある。
実際には、英語よりボキャブラリーの少ない仏語では(と、私は勝手にバイアス込みで思っている・・・)、シャトーという語にHall(ホール)やManor(マナー)の意味合いも入っていて、つまり日本語だと「お屋敷」といったところ。
このシャトー自体が今や、彼の「作品」になりつつある。
今回はまず、前回の作品の延長線上で、作品の展示ギャラリーから。
正面玄関を入って、右が展示ギャラリー、その奥がアトリエ。
玄関から左側は、生活空間になっている。
スポット・ライトも入っているのだが、午前中は燦々と自然光が入る部屋。
別の角度から。
作品だけを撮影すると、スケール感が全くわからない。
彼の作品の場合、スケール感の違いのシュールなイメージが、作品の魅力だけに、一段と・・・解らない。
このギャラリーの写真で初めて、スケール感をつかんでもらえると思う。
扉の向こうはリヴィングルーム。居住空間のレポートも今後UP予定。
もう一枚別の角度から。扉の奥はアトリエ。
シャトーの床はすべて石張りなのだが、展示ギャラリーには大理石風にペイントした板材が入っている。
このアイディア、ステージ・セット出身の彼ならでは。
夕方、暗くなった展示ギャラリーで、作品だけをライトアップ。
昼間以上に幻想的。
古くて裏加工のはげたミラーは、独特の味わいがある。
ペーターおじさんもこのテクスチャーが好きなようで、あちこちで使われている。
今どきは、探してもなかなか手に入らない素材。
展示ギャラリーを抜けて、その奥のアトリエへ。
一見しただけだと、まるで町工場(笑)、なのだが、
目が慣れてくると・・・ここが錬金術師の作業場であることが明らかになる。
ひっそりと息をこらして・・・、
さまざまな不思議な過去の遺物が、アート作品に変容されるのを待っている。
彼が材料として使うのは、18世紀から19世紀にかけての、家具や建築材料の断片。
それで、まずはステージとなる「箱」が製作される。
その上に、古い木材のテクスチャーを生かしたペイント加工が施される。
中に収められる、精密な窓枠や家具類は、
別にまとめていくつか作っておいたものの中から選んでくる。
等身大サイズのキャビネットを、平気で真っ二つに切ってしまう力技と、
ミリ単位のディティールを、両方をこなせる、錬金術師、
の、看板。
アトリエの窓辺には、彼の好きなガラスの「浮き球」。
「光」も彼の作品の重要な素材の一つ。
アトリエ自体、移ろいゆく日の光とともに、思いがけないドラマティックなヴィジョンを浮き上がらせる。
錬金術師は、日々このアトリエで、光を研究しているもののよう。
展示ギャラリーの隣にある倉庫にも、さまざまな壜のコレクション。
壊れていても、痛んでいても、それにはそれのストーリーがある。
古い模様入りのレンガのコレクターでもある。
きれいに決まった、ボトルの写真。
最後は、展示ギャラリーで撮影の準備中の、ペーターおじさん。
天気の回復した、滞在最終日の午前中、展示ギャラリーに差し込む光は絶好調。
俄然スイッチの入った、ペーター師匠、Danaさんを作品を支える丁稚アシスタントに借り出して、
「こう光を入れて・・・ここから撮る!」と、激しくフォトグラファーに指示出し。
我々3人の愉快でハイパーな、フォトシューティングとなりました^^。
実際、このときに撮った写真が、一番よく撮れていた。師匠の眼力恐るべし・・・。
9月27日~10月2日まで、London、Battersea Parkで開催中のThe Decorative Fairに、オランダから出展のGaby van Schagen (スタンドNo.
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