Geffrye Museum (ジェフリー博物館)-2-
東ロンドン、HoxtonにあるGeffrye Museum (ジェフリー博物館)からの2回目。
今回は、引き続き18世紀後半のインテリアから。
前回に引き続き、Parlour(パーラー)と呼ばれる部屋。
一段と明るく部屋は彩られ、家具のデザインも軽やかになっていく。
この椅子は典型的なChippendale(チッペンデール)様式。
ロココと当時流行のシノワズリ(中国趣味)が合体したようなデザイン。
<この部屋の360℃ヴュー>
この可愛らしい壁紙は、1780年頃の壁紙のレプリカだそう。
これはもう19世紀にはいって、1830年のDrawing room (ドローイングルーム=居間)で、もっぱら女性が日常過ごす部屋。
語源はWithdrawing room(引きあげる部屋)で、17世紀上流階級の人々が
食後「引き上げる」部屋という意味合いで使われ始めたのが、中産階級の人々にも広まったのだとか。
インテリアや家具は再び重厚になってきて、ネオクラシカル様式がこの時代の流行。
<この部屋の360℃ヴュー>
壁にかかるのは、燭台の光を倍増させる、コンヴェクス(凸)ミラー。
チェス・テーブル。
19世紀後半、1880年の家の様子を解説するパネル。
部屋にはどんどん装飾が増えていって、また、カーテンやカヴァー類のソフト・ファーニッシィングが
ふんだんに使われるようになる。
1870年のドローイングルーム。
当時の人々は、日光が家具やファブリックを傷めるというので(実際、乾燥してシャープなイギリスの日差しは、あっという間に生地を色あせさせてしまう)、
常時レースカーテンを閉めていて、薄暗い中で暮らしていた。
<この部屋の360℃ヴュー>
1890年のドローイングルーム。Aesthetic Movement (唯美主義)的インテリア。
インテリア様式としては、上のいわゆる「ヴィクトリアン」の様式より、全体的に統一されたスタイルを作り出している・・・というのだが、現代人の感覚からするとこれでもかなり「ごった煮」だと思うんだけど・・・(笑)。
とはいうものの、この渋い色味のコンビネーションと、ゴシック・リヴァイヴァルスタイルは、私の最も好きな様式の一つ。
なので、ついつい写真が増える。
18世紀のシノワズリー(中国趣味)から、この19世紀末にはジャポニズム(日本趣味)に流行は移っていく。
日本画が当時のアール・ヌーヴォー(唯美主義の一部ともいえる)に与えた、影響はよく知られていると思う。
唯美主義で流行したのが、孔雀の羽のイメージと、ヒマワリ・・・なぜだか・・・。
<この部屋の360℃ヴュー>
20世紀に入っての、家の様子の解説パネル。もう現代人に親しみやすいものになってきている。
最大の変化は、電気が一般の家庭にも普及したことかもしれない。
1910年のドローイングルーム。
ウィリアム・モリスやアーツ・アンド・クラフト様式のインテリア。リバティーやティファニーの最盛期もこの頃。
<この部屋の360℃ヴュー>
この次に、1935年のアールデコ風のリヴィングルーム(もうドローイングルームとは呼ばれなくなった)
の展示室があるのだが、ちょうどその前で小学校のクラスが「授業中」。
待ちきれなくて写真が撮れなかったが・・・<この部屋の360℃ヴュー>
セントラル・ヒーティングが入って、暖炉はあるものの「飾り」的な存在になっていく。
そのほか蓄音機や電話など、当時のハイテク機材が家庭に導入された頃。
1965年のリヴィングルーム。<この部屋の360℃ヴュー>
団地生まれで、父親が今で言うところのインテリア・デザイナーだったので、まさしくこんな感じのインテリアで育った。
ここまではまだよかったのだが、その後一家で引っ越して、70年代トレンドの赤・オレンジとステンレススティールの、とんでもなく派手な家具の部屋で暮らす羽目に・・・(あ、もちろん両親の
さすがのジェフリー・ミュージアムにも70年代のインテリアがなかったので、参考までに父親の会社の70年代のカタログより抽出。
目が痛いので、小さく載せる・・・。
このあと、1998年のロフトスタイルのアパートメント、の展示があるのだが、モダン嫌いなので撮影割愛。
というか・・・イケアの店を連想してください(笑)。
<この部屋の360℃ヴュー>
最後にミュージアムの外観をもう一枚。
ミュージアムを出たところの建物の壁の、古い広告。
やっぱり・・・古物好き^^。
-------------------------------------------------
なので、9月中頃まで、しばらく標本箱ブログは休暇中。
ノルマンディーの町やら、箱彫刻家ガブおじさんの作品・シャトーなど、写真も続々Up予定。 お楽しみに^^。
See you next month!!
Labels: 場所
<< Home