Le Château 箱彫刻家Peter Gabriëlse(ぺーター・ガブリエルザ) の家 -4-
箱彫刻家ペーター・ガブリエルザおじさんのLe Château より、今回はインテリア・レポート・・・というより、不思議な屋根裏空間の探索。
前回の最後、2階奥の物置の「秘密のドア」をあけると・・・というところからの話の続き。
ドアの向こうには、木造の螺旋階段。
下は1階の裏出入口に繋がっていくのだが、この裏出入口は現在使っていないので、閉ざされている。
上は、前回書いた様に、
もともとは使用人の人達の居住空間だった屋根裏へと繋がっている。
階段を上がったところは、広い空間になっていて、椅子が置いてあるのは18世紀後半のチャペルの再現。
祭壇部分をクローズアップで。
フランス革命の後、革命政府は教会や宗教活動に対して、けして好意的ではなかった。教会自体「打倒すべき旧権力」とみなされるのは、いつの時代の革命でも同じこと。
礼拝や宗教儀式が公式に禁止されていたのかどうかまでは知らないのだが、革命以前のように盛大には行われなかったらしい。
破壊を逃れたこの屋敷を割り当てられた農民一家は、革命政府のお世話になったわけだが、それでも幼いときからの習慣・信仰を捨て切れるまでには革新的ではなかった。
当局の目を逃れて、礼拝や儀式を秘めやかに、この物置の裏の屋根裏部屋で執り行っていたものらしい。
現在は、ペーターおじさんが18世紀建造当初のドーマー窓を、屋根裏部屋に次々と復旧しているため、光にあふれた明るい空間になっているのだが、当初真っ暗だったこの空間。
ここの部屋にたどり着いて、トーチ越しに祭壇壁画を見つけた時の、彼のエキサイトぶりは考えただけでもワクワクする(笑)。
その、チャペルのある部屋の反対側。
おじさんのベッドルームにあった、古ミラーのコレクションは、
当初薄暗かったこの空間を最大限に明るく見せるため、ここに移動された。
その奥に見える狭い階段は、最上階の屋根裏スペースへ繋がっている。
これが階段の上から覗いてみたところ。
これは・・・建築家でもない限り、面白くもない風景だろうけど・・・(笑)。
木造の枠に直にスレートタイルが張り付けられている様子。
現代の家だと、木枠の下には、断熱材がしっかり詰め込まれる。
ここの場合、この屋根裏の床の上に、綿のように積み重なっているのが断熱材・・・ではないかな、と思う。
その昔は断熱材などないわけで、その下直の屋根裏部屋は、冬はかなり寒かったんだろうな。
下の方の屋根裏部屋に戻って、古ミラーに映る階段の手すり。
ミラーのかかっている壁の奥の部屋の一つ。
「奥」と書いたが、この部屋はシャトーの正面側に面している。
窓は復旧された3つのドーマー窓のうちの一つ。
窓から正面門を覗いたところ。
建物の端にあたる部屋。
物置兼ペイント部屋(?)として使われている。
暖炉の上にかかっている、錆びた金属製のフラスコは、最初水筒なのかなと思っていた。
しかし、どうやら「湯たんぽ」や、小さいものは「ハンドウォーマー」だったのかもしれない。
ここが使用人クオーターだった頃からの名残なのかな・・・というのは私の想像。
椅子とドアに、18世紀の壁紙のイメージをレイヤーコラージュしてみた。
反対側の端部屋の暖炉。
さきほどの部屋の暖炉がシンプルな石造りだったのに比べて、装飾が施されている。
同じ部屋にあった、カーテンの残骸。
もしかすると、この部屋は使用人頭、バトラー一家の居住空間だったのではないかなと、想像する。
屋根裏空間の一角で発見された、18世紀のボトルがそのままの形で残されている。
ワインボトルか、あるいは、ノルマンディー特産のサイダー(りんご酒)のボトルだろうか?
最後に18世紀のドアノブと鍵。
ペーターおじさんの箱彫刻作品数点が、9月27日~10月2日まで、London、Battersea Parkで開催中のThe Decorative Fairに、オランダから出展のGaby van Schagenのスタンドで(スタンドNo.80)展示予定。 ご興味の方は、ぜひどうぞ^^。
そうです! 今年も参上しましたよ(笑)。
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