Le Château 箱彫刻家Peter Gabriëlse(ぺーター・ガブリエルザ) の家 -2-
今回も、箱彫刻家ペーター・ガブリエルザおじさんのLe Châteauより、インテリアのレポートの2回目。
まず、余談からはじめてしまう・・・、これだけ美しくかつ、エキセントリック(奇妙?)な家に住んでいると、インテリア雑誌やアート本からの取材も、珍しいことではない。
2004年7月号のThe World of Interiors (ワールド・オブ・インテリアーズ)にも、このLe Châteauがフィーチャーされている。
U.K.発行のこの雑誌は、世界のインテリア雑誌の中でも、エレガントなクラシカル・テイストに特化していて、そのクォリティーはNo1。
私も、80年代後半は定期購読していたのだが、90年代中頃に入って、トレンドがどんどんコンテンポラリー・ミニマリズムになっていった頃、さすがのWoIも特集がミニマリズム・インテリアに偏っていった。
古物好きにはこれが我慢できなくて、購読をやめていた。 近年また、クラシカルにトレンドが戻りつつあるので、気を取り直して、2年前から購読再開。
ペーターおじさんのフィーチャーは、よりにもよって・・・その、私が購読してない時期。本社のバックナンバーでも、古すぎて在庫なし・・・。
それでも「求めよ、されば与えられん!」・・・E-bay検索をかけたら出てきた!! そして無事入手。
フランス革命の時に、明け渡されたこの屋敷を、革命軍は定例どうり焼き払う計画だった。
Saires-la-Varrerie村の神父さんの説得が成功して、中の調度品だけが徴収・破壊され、建物は生き残り、農場家屋して使用されるようになった・・・といういきさつから、「革命的執行猶予」というタイトルがついている。
このトップページは、今回展覧予定のペーターおじさんの寝室。
このときはまだ、古ミラーのコレクションが、ベッドルームにかためられている。(現在は改装中の屋根裏に移動。この様子もまた後日。)
額が3枚かかっている壁の、一番下は嵌め込まれたテレビ。ミラーでうまくカモフラージュされている。
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
このときはまだ、タペストリーが入っていない。この風景画が、現在ベッドルームに移動した。
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
リヴィングルームとキッチン(以下で展覧)。
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
これは2階のゲスト・ルーム(これは、次回に・・・)。
Extracted from The World of Interior, July, 2004.
これも2階。実は少しカメラ・シャイなおじさんが、小さく写っている。
さて、ここからが本編、私の写真。
キッチンのディスプレイ。
ティーパーティーの翌日で・・・ちょっと散らかってるので、暗く撮ってごまかす(笑)。
17~18世紀デルフト焼きのコレクション。
プシャーのダイニング・コーナー。プシャーに・・・似てる、そっくり。
と、いうので・・・ご本人(あ、ご本猫)。
彼はとてもフレンドリー。カメラを向けたら、寄る、寄る・・・。
お食事中を、TTV(ヴューファインダー越し)撮影。
プシャーの話ではなくて・・・家の話だった。
バスルーム横の壁。 手紙やら、レーベルやらを古額に入れて、コーディネート。
真ん中の17世紀象嵌額は、ペアではなかったか・・・と思われる全く同じサイズ・デザインのものが、某ミュージアムのカタログに載っていて、びっくり!! だったそうだ。
これは、U.K.の「アンティークス・ロードショー」に、持ち込んでもらわねば!!と笑っていて、番組に話になった。
ペーターおじさんの本国、オランダでも、類似のアンティーク・ヴァリュエーション番組が放映されているらしい。
イギリス人は慇懃なので、ヴァリューするエキスパートは、大量に持ち込まれる「駄物」でも(私の持ち込むようなもののこと)「好きなのが一番いいことです。」と無難に持ち上げてくれる。
しかし、オランダ人は率直なので「これは、全くのクズです!何の価値もない!!」と、ひどくコキ降ろされるらしい。
(ちなみに、中国版は、持ち込まれた「まがいもの」は、その場で叩き割られるとか・・・笑。 これは、U.K.版の番組で言ってた話。)
だから・・・U.K.版にもちこみましょうってば・・・。閑話休題。
ペーターおじさんの寝室。
階段のタペストリーの壁に、以前かかっていた樹の額は、ここに移動した。
(インテリア写真好きとしては、上のWoIの写真と見比べて・・・、とても・・・とても・・・広角レンズが欲しくなった。
危険なレンズの沼まで、後一歩。)
寝室の暖炉。
の、ディスプレイ。
寝室の窓辺。
寝室の暖炉の上の装飾パネル。
これは、20世紀中頃に入ってから、農家の住人にとって、装飾に意味を見出すよりも、暖房効率の方が重要だったため。
彼が引っ越してきてから、この20世紀中頃に導入された壁や天井をすべてはがして、オリジナルの18世紀の状態に戻していった。
そのプロセスで、この暖炉の上の装飾パネルや、オリジナルの18世紀の壁紙などが、次々に出現。 古物好きのおじさんが熱中するのも無理はない。
一方、熱効率の方は現在はかなりよろしくない、と、思う。エコ・「アン」フレンドリーというもの。
しかし、ヨーロッパの年配の人たちは(うちの配偶者氏も含めて)、セントラル・ヒーティングのない状態で育っているので、寒さにはめっぽう強い。
寝室には、裏のリヴィング・ルームのログ・ストーヴの熱が充分伝わるので、それと、他の部屋にはいくつかの移動式ストーヴで冬でも平気、だそうだ。
寝室の奥の、書斎。
撮影:noriko.stardust @Flickr
の、ディーティールは、運転手として同行のnoriko.stardustこと、Danaさんが見事にキャプチャー。
書斎の古鏡。
書斎の棚の上。
次回は、2階のゲスト・ルームを展覧予定。
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