Skanzen(シュコンゼン)屋外博物館 -1-
今回からは、ブダペスト郊外のSzentendre(センテンドレ)の町、そこからまた5キロほど離れた丘のふもとにある、Skanzen(シュコンゼン)屋外博物館の特集。ここは、広大なパークに、ハンガリー各地から、18~20世紀初頭にかけての民家を移築して当時の内装を再現した、民族誌の博物館。工芸や建築に対する興味もさることながら・・・、最大の目的は、私の場合「写真」といってもいいかもしれない。
去年、ウェールズのカーディフ郊外にあるセント・フェイガンズ野外博物館を写真目的で訪れて、<ブログ7シリーズへのリンク>、ローライトの自然光のみに保たれている、古風なインテリアの撮影に魅了されてしまった。なにもかもフォトジェニック。古風なインテリアは、存在自体美しいものなので、フォトグラファーの力量は要らない。ストロボをたかずに、ローライトで撮れる高ISO感度を備えたカメラさえあればいい・・・。
今回のSkanzenも全く期待を裏切らない、素晴らしいミュージアム。帰りにバスで一緒になった、係員のおばあちゃまが「ハンガリーで一番美しいミュージアムです。」と、誇らしげに話してくれたが、全くその通り。
セント・フェイガンズでもそうだったが、一日ではとても回りきれない。写真に集中すると一段と時間が足りない、なので、話しが聞けない(英語が話せるアテンダントの人達も、あまり多くはない)、結果、それぞれの家屋・インテリアの意味合いはよく解らない・・・というのがフォトグラファーの悲しさ・・・でもあるが。
ともあれ、イメージで楽しんでください。
これは博物館の正面入口。
広大なミュージアム内を走る鉄道の、車両内部。
アンティークな車両に惹かれて乗ったのだが、帰りにバス停のあるエントランスから遥かかなたで、
閉館時間が迫ってきてあせっていたら、たまたまこの列車が走ってきて「救出」してくれた。
閉館まぎわの、ヴィジター救出用の最終便なのだろう。
最初に回ったエリアは、北ハンガリー地域の村から移築された建物。
中ではプレッツェル状のパンを作っているところが演出されている。
部屋の反対側にあるオーヴンで焼いて、
紐に通してぶら下げて、保存か運搬するもののよう。
一般の農家は、いわばスタジオルーム。寝室とダイニングとキッチンがすべて一部屋ですまされる。
冬の寒いハンガリーでは、オーヴンからの暖を中心に、一部屋で暮らすのが合理的な方法だったのだろう。
たいていもう一部屋あるのだが、ここには保存食や、洗濯、乳製品製造のための機材が収められている。
ガーキンズの酢漬けは、ハンガリー特産?
そういえば、うちがいつでもスーパーで買ってくるガーキンの酢漬けは、ハンガリー製だな・・・。
日本の田舎でも似たような建築はありそうだが、窓のハートはありえない(笑)。とてもチャーミング。
この家も一部屋で暮らす。
それでも、家具やセラミックの彩りで満たされている。
居心地のよさそうな空間。
これは、Nemesradnótという地区の、地方貴紳階級の家。
なので、土間ではなくて、床板がはいっているし、インテリアも優雅。
ここのみならず、レースのカーテンはどこでも実に美しい。
ガラス物は必ず撮ってしまう・・・。
このハイバックのディヴァン(長椅子)は、ハンガリー特有なのか、いままで見たことのないデザイン。
クリスマスの飾りつけの設定なので、左上にクリスマスツリーが少し見えている。
これぐらいの「お屋敷」ともなると、寝室とダイニングはきちんと分かれている。
ベッドの下の広口ポットは、ヨーロッパではおなじみのチェンバー・ポットで、「おまる」。
トイレは離れたところに一つしかない、夜トイレに行きたくなったら、ここに用を足して朝捨てに行く。
「お屋敷」のキッチンの保存食品棚。刺繍の飾り布がとてもチャーミング。
キッチンのオーヴン。
これも「お屋敷」なので、ダイニングには専用の暖炉があるため、このオーヴンは純粋に料理用。
流し場の窓と石鹸入れ。
この野外博物館、全体で地域別に8ブロックに分かれている。我々が回れたのは4~5ブロック。今回はその最初のエリア。
まだまだ・・・続きますよ^^。
さて・・・、このミュージアムへのアクセス、すったもんだ話。
以前も少し書いたが、センテンドレの町を見物していたので、シュコンゼン博物館の横を通る7番のバスをのり逃した。
乗り逃したバスは11時20分頃だったか・・・その後は、1時20分頃までない。(このバスのタイムテーブルも、Net上で見つけることができなかった。)
イギリスなら即タクシーなのだが、ブダペストで話をした地元の人ほぼすべてから、「客待ちをしているタクシーに乗るな」とおどされていた。ぼられる・・・とのこと。しかし、どれぐらいぼられるのかは不明だし(ロンドンでタクシーに乗ったら、正規の値段でもぼられたと思うことうけあい・・・)、その話が郊外のセンテンドレにまで及んでいるのかどうかは知らない。
その上・・・、念のためプリントアウトしてきたGoogle-map上の、シュコンゼン博物館の位置が正確ではなかった・・・。「これぐらい(3km)軽く歩ける」と思って歩き始めたのだが、その位置まで来ると「シュコンゼン、この先2km」の道路標識・・・。配偶者氏ともども、脚が丈夫でよかった。つまり、トータル5kmを1時間で歩いた。
(帰りは絶対に「歩くのは無理」と思って、博物館のエントランスの係員をつかまえて、3回ぐらい帰りのバスの時間とバス停を確認した・・・笑)
ちなみに、4月平日の7番バスの帰り(センテンドレ行き)のタイムテーブルは、15:28,16:28,17:28,18:28で、博物館の面する道の反対側がバスストップ。小さなシェルター小屋が建っている。
5月以降は観光シーズンなので、バスの便も増えるし、バスも博物館の駐車場内に入ってきて解りやすいらしい。(4月でも週末は同様に便利だそうだ。)
また、ブダペストから博物館へのの直行バスも、週末は走っている。
Madách Imere Square 薬局前(10:00, 11:00, 12:00発) >Batthyany square リバーサイド、バス停86 10:20, 11:20, 12:20 >Szentendre >Skanzen
大人往復 900HUF(£3) 片道600HUF(£2)
帰りはSkanzenの駐車場内バス停から、14:30, 15:30, 16:30, 17:30発。
詳しくはミュージアムのアクセス方法のページ(英文)参照。<このページ>
もし、私が再び行くとしたら、どうするかって? 週末にダイレクトバスを利用するか・・・朝早く出て、センテンドレ駅で7番バスのバス停とタイムテーブルを確認してから、時間つぶしする、かな。
ちなみに、正確な位置はここ。
開館時期と時間 :4月1日~10月30日-火曜~日曜、9 a.m. - 5 p.m
11月2日~12月11日-土・日曜、10 a.m. - 4 p.m.
入場料 :大人 1400HUF (約£4.7)、子供、60歳以上、26歳以下の学生 700HUF (約£2.3)
ミュージアム内鉄道: 入口で購入500HUF(£1.7)、列車内で購入600HUF(£2). (情報すべて2011年春現在)
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