Saturday, 29 January 2011

Museum of London (ロンドン博物館)のGeorgian Pleasure Garden (ジョージアン・プレジャー・ガーデン)

Museum of London (ロンドン博物館)といえば、ロンドンに数ある国立・公立博物館の中でも、どちらかといえば地味な存在。ローマ時代の発掘品やら、街のジオラマ・・・が主な展示物、小学生達が授業で先生に引率されてやってくるためのもの、というような印象が随分長い間あったのだが・・・。V&AやBrits同様ここも、大改装でリニューアル。Galleries of Modern London(現代ロンドンのギャラリー)というエリアが新しくオープンしたのが、昨年(2010年)の5月。その名の通り、現代社会風俗史という、新たなフォーカスの切り口を盛り込んだディスプレイが追加された。
それと同時に、その現代のロンドンが形成されていった、17世紀から19世紀の社会・風俗の展示もリニューアル。
その一角に、Georgian Pleasure Garden (ジョージアン・プレジャー・ガーデン)という部屋もオープンした。わけもわからずぶらぶらさまよい込んだのだが、これがなんとも「不思議空間」。たまたま撮影の帰りで、カメラを持っていたので、何枚か撮ってみた。まずは、イメージから・・・。
Fashion of the Pleasure Gardens
こんな感じ・・・。ガラスに映りこんでいるのは、
向かいのディスプレイの逆立ちしたアクロバット演者のマネキン。
テーマは、イギリス18世紀から19世紀初頭の「ジョージアン期(ジョージ1世から4世までの治世、1714-1830年の頃。ヴィクトリアン期の一つ昔の時代と考えていい)」に、夜の仮装園遊会。コスチュームは実際に1760年ごろのものが使用されているそうだが、帽子は現代の帽子デザイナーPhilip Treacy(フィリップ・トレーシー)がデザイン。フィリップ・トレーシーといえば、英国王室御用達の正統派ラインもさることながら・・・「キワモノ」Lady Gagaの帽子(被り物?)デザインの方で有名かも・・・。私的には「キワモノ」趣味はあまりないつもり・・・だが、ここのディスプレイは美意識満点。
そして、このマネキンたちのワイヤーワークの「髪」は、彫刻家Yaesmen Hussein(イェースメン・フセイン)の手になるもの。<英語だがこのディスプレイに関する記事はここ
「罪深き快楽の園」・・・だそうで、紳士・淑女に入り混じって、芸人やら売春婦やら、物売りやら泥棒やらが、夕闇に蠢きあっているという・・・なかなかにデカダンスな設定(笑)。

Fashion of the Pleasure Gardens
天井にはイルミネーション、展示ケースのガラスにも木々がペイントされていて、
ライティングの効果も見事に計算されている。

Fashion of the Pleasure Gardens
そして、ディスプレイの後ろはミラー張り。
何重にも重なり合う闇とイルミネーションの幻想空間を作り出している。

Fashion of the Pleasure Gardens
イギリスで言えば「ジョージアン期」なのだが、日本人には「ロココ」、
ポンパドール夫人やマリー・アントアネットの時代といった方が解りやすいだろうか。
ウィッグに船やら羽やら、お飾り物満載の時代。

Fashion of the Pleasure Gardens
もはや歴史的に正確かどうか・・・などどうでもよくて、いかにクリエイティヴか・・。
当時のとびっきりトレンディなマダムでも、きっと飛びついたはず。

Fashion of the Pleasure Gardens
こちらはドレスのディティールがお見事・・・。

Fashion of the Pleasure Gardens
幻想的すぎて・・・ちょっと眩暈(笑)。

Fashion of the Pleasure Gardens
ワイヤーで作られているのだけれど、
風に舞い上がっているかのような軽やかさ・・・。

Fashion of the Pleasure Gardens
トルコの人・・・じゃなくて、仮装なのだよね、きっと。

Fashion of the Pleasure Gardens
なかなか、ダンディ。

博物館というよりは、ウィンドウ・ディスプレイ(?)というイメージだが、部屋の中に入っていくと、ワンダーランド体験できることは確か。

おまけヴィデオはロンドン博物館の、このGalleries of Modern London(現代ロンドンのギャラリー)オープニングの時の様子。

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