Museum of London (ロンドン博物館)のGeorgian Pleasure Garden (ジョージアン・プレジャー・ガーデン)
Museum of London (ロンドン博物館)といえば、ロンドンに数ある国立・公立博物館の中でも、どちらかといえば地味な存在。ローマ時代の発掘品やら、街のジオラマ・・・が主な展示物、小学生達が授業で先生に引率されてやってくるためのもの、というような印象が随分長い間あったのだが・・・。V&AやBrits同様ここも、大改装でリニューアル。Galleries of Modern London(現代ロンドンのギャラリー)というエリアが新しくオープンしたのが、昨年(2010年)の5月。その名の通り、現代社会風俗史という、新たなフォーカスの切り口を盛り込んだディスプレイが追加された。
それと同時に、その現代のロンドンが形成されていった、17世紀から19世紀の社会・風俗の展示もリニューアル。
その一角に、Georgian Pleasure Garden (ジョージアン・プレジャー・ガーデン)という部屋もオープンした。わけもわからずぶらぶらさまよい込んだのだが、これがなんとも「不思議空間」。たまたま撮影の帰りで、カメラを持っていたので、何枚か撮ってみた。まずは、イメージから・・・。
テーマは、イギリス18世紀から19世紀初頭の「ジョージアン期(ジョージ1世から4世までの治世、1714-1830年の頃。ヴィクトリアン期の一つ昔の時代と考えていい)」に、夜の仮装園遊会。コスチュームは実際に1760年ごろのものが使用されているそうだが、帽子は現代の帽子デザイナーPhilip Treacy(フィリップ・トレーシー)がデザイン。フィリップ・トレーシーといえば、英国王室御用達の正統派ラインもさることながら・・・「キワモノ」Lady Gagaの帽子(被り物?)デザインの方で有名かも・・・。私的には「キワモノ」趣味はあまりないつもり・・・だが、ここのディスプレイは美意識満点。
そして、このマネキンたちのワイヤーワークの「髪」は、彫刻家Yaesmen Hussein(イェースメン・フセイン)の手になるもの。<英語だがこのディスプレイに関する記事はここ>
「罪深き快楽の園」・・・だそうで、紳士・淑女に入り混じって、芸人やら売春婦やら、物売りやら泥棒やらが、夕闇に蠢きあっているという・・・なかなかにデカダンスな設定(笑)。
天井にはイルミネーション、展示ケースのガラスにも木々がペイントされていて、
ライティングの効果も見事に計算されている。
そして、ディスプレイの後ろはミラー張り。
何重にも重なり合う闇とイルミネーションの幻想空間を作り出している。
イギリスで言えば「ジョージアン期」なのだが、日本人には「ロココ」、
ポンパドール夫人やマリー・アントアネットの時代といった方が解りやすいだろうか。
ウィッグに船やら羽やら、お飾り物満載の時代。
もはや歴史的に正確かどうか・・・などどうでもよくて、いかにクリエイティヴか・・。
当時のとびっきりトレンディなマダムでも、きっと飛びついたはず。
こちらはドレスのディティールがお見事・・・。
幻想的すぎて・・・ちょっと眩暈(笑)。
ワイヤーで作られているのだけれど、
風に舞い上がっているかのような軽やかさ・・・。
トルコの人・・・じゃなくて、仮装なのだよね、きっと。
なかなか、ダンディ。
博物館というよりは、ウィンドウ・ディスプレイ(?)というイメージだが、部屋の中に入っていくと、ワンダーランド体験できることは確か。
おまけヴィデオはロンドン博物館の、このGalleries of Modern London(現代ロンドンのギャラリー)オープニングの時の様子。
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