The Potteries Museum & Art Gallery, Hanley(陶磁器博物館、ハンレィ)-2-
今回も、The Potteries Museum & Art Gallery(陶磁器博物館)のイメージを引き続き。
この博物館の見ものの一つ、
テンコモリのcow cream jugs(カウ・クリーム・ジャグ)
The Keiller Collection(ケーラー・コレクション)と呼ばれていて、
18世紀後半~19世紀初期にかけての、
牛の形のクリーム・ジャグ。
30年以上かけて、Kingston Hill (キングストン・ヒル←ウチからさほど遠くない)の、
ケーラー夫人がコレクションしたもので、総数667個。
1962年にこの博物館に寄贈された。
寄贈の際の条件で、総数の3分の2以上が常設展示されている。
ムラムラ・ブツブツのパターンは、
スポンジのテクスチャーを生かして、絵付けされたもの。
それにしても・・・英人のコレクター魂の典型とでも言うか・・・。
その隣に展示されているコレクションは、
The Davies Collection (デイヴィス・コレクション)と呼ばれるもので、
一見、ただの大きなパイントジャグ。
上の段のマグには
「中に何を見ても、投げ出して壊さないでね」的な、
一文が書かれている。
で、中に何を見るのかというと・・・、
カエル・・・。
このコレクションはMarjorie M Davies(マージョリー・M・ディヴィス)が、
1987年に寄贈したもので、
18世紀後半~20世紀後半に至るまでの、
300個のfrog mugs(フロッグ・マグ)。
ジョーク・グッズとして流行した18世紀後半頃のビールは、
にごり酒だったため、最初は見えなくて、
ビールがなくなるに従ってカエル君が姿を現すというもの。
カップはステキなのに、カエル君はちょっとねぇ・・・(笑)。
Wedgwood(ウエッジウッド)の18世紀後半に建造された、
工場複合体Etruria(エトルーリア)のロクロ室の復元。
アシスタントが人力で、ロクロを回転させていた様子。
そのウエッジウッド・・・かな?
ネオ・クラシックなフォルムと、
アゲート風のテクスチャーがよく合っている。
18世紀のスタッフォードシャー製のティーポット達。
黒い輪郭線のものは、黒プリントを施したあとから、
カラーを、エナメルで上絵付けされている。
ディスプレイ室は、まだまだ続く。
このあたりから、Pearlware figure(パールウェア・フィギュア)、
一般的にスタッフォードシャー・フィギュアと呼ばれる、
装飾彫像の展示がはじまる。
ヴィクトリア女王とアルバート公・・・のつもり(笑)。
ヴィクトリア時代はイギリスの中産階級が爆発的に増加した時代。
国威政策もあって、またセンチメンタルな趣味もあって、
そしてまたニュースの一般普及ということもあっての、
ヒーロー・ブーム。
そして、小金持ち小市民が部屋を飾ることに目覚めた時代。
ここにスタッフォードシャー・フィギュアの需要が成り立つ。
19世紀アングロ・アフガン戦の「英雄」Sir Robert Saleと、
その妻Lady Forentia Sale。
Sir Robertのインド・アフガン従軍に随行して、
子供を産み育て、かつ、捕虜になりつつも、
英人捕虜達のリーダーとなって戦った・・・とかいう、
怖いもの知らずの英人女性の典型。
当時のヒーローだったそうで、
このペアのフィギュアのヴァリエーションが、
色々と作られていて、
今でもアンティーク・マーケットで見かけることがある。
シェイクスピアの「プリンス・ハル」こと、ヘンリー5世やら、
ウィリアム・テルやら、像のジャンボやら・・・、
ヒーローやニュース性があれば、
(つまり、市場性があれば・・・)何でも作られたよう。
いかにもヘタウマ系のネプチューンやら、ヴィーナスやら、
後ろの象さんのファサードは、
18世紀後半のPolito's Menagerie(ポリトの巡回動物園)のエントランス。
もっと大きくてわかりやすい例が<これ>。
その前の一群は、Teetotalism(禁酒運動)を描いたもの。
タッチが素朴で、でも、どことなくチャーミングなのが、
スタッフォードシャー・フィギュアの魅力。
なんだけど・・・ここまでくると、
もうピカソ作かと思うよ・・・(笑)。
フィギュアものに続いて、Toby Jug(トビー・ジャグ)。
これも、なかなかコアなコレクターズ・アイテム・・・、
といえども、個人的には、
いくらおっさん趣味とはいえ、これはちょっと
アグリーなのでパスです(笑)。
最後に展示を見終わった後、
ここに併設のカフェでお茶。
このストークのエリアでは、
「オート・ケーキ」というのが、有名らしい。
普通「Oatcakes」といえば、オートのビスケットのことをそう呼ぶけれど、
このあたりのは、オートでできたクレープのようなもの。
中にチーズやトマトを入れて焼いて、サーヴされる。
もっちりめのガレット・・・という感じで、なかなか美味しかったですよ。
The Potteries Museum & Art Gallery
(陶磁器博物館)
Bethesda St, Stoke-on-Trent ST1 3DW
開館:月~土:10am – 5pm、日:11am – 4pm
入場無料
地図:
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by KotomiCreations
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