Southside House(サウスサイド・ハウス) -2-
今年は、なぜだかUKの取引先が静かで、USAや日本のお客様向けに出荷することが多くて、ということはつまり、12月2週目にはもう問い合わせも出荷もなくて、ちょっとのんびり。
次のシーズンの春夏コレクションの立ち上げも、当初の1月初めから、2月初めに諸事情あって遅らせることになったので、その点でもちょっとゆっくり。
今年はのんびりホリデー・シーズンを迎えられる・・・かな?そうだといいけど^^。
この前の<この標本箱>のSouthside House(サウスサイド・ハウス)のイメージの続きを再び。
この正面玄関ホールにあたる部屋に案内される。
初回の建物の表側の正面入口を開けると、
ちょうどこの玄関ホールに入ってくることになる。
部屋の大半を閉めているのは、
巨大な建造当初の暖炉。
件の「少佐」のコートがなにげに椅子にかけられていて、
さっき出先から帰ってきたところ、な、感じに、演出されている。
このホールの隣に、階段ホール、そのまた奥に、
控室のような部屋が続いている。
その控室の部屋のタペストリーは、
本格的な織物ではなくて、キャンバス地にペイントされたもの。
シアターのステージ背景だったものを持ってきた・・・、
という話だったと思う。
この部屋に掛かるエキセントリック「少佐」の晩年のポートレート。
もう一度手前の階段ホールに戻る。
ここも大仰なのことになっている。
そして、天井を見上げると・・・、
こんなことに・・・。
これは17世紀ではなくて、17世紀風に、
「少佐」と兄弟のペーターが装飾したもの。
中心の「よく出来た」絵画は、複製品か印刷物で、
それをまず天井にデクパージュして、その周りを
バロック風にペイントしていったもの。
まぁ、自分ちだったら、何してもいいですけどね(笑)。
そして、この階段を2階へと上がって、
2階の部屋を拝見。
最初のこの部屋は「プリンス・オブ・ウェールズの部屋」と呼ばれている。
王太子Edward(エドワード=後のエドワード7世国王のことだと・・・?)
この王太子がこの屋敷に滞在したことは、
記録に残っているのだけれど、実際にこの部屋に滞在した、
というわけではなくて、この部屋は王太子をイメージして、
「少佐」が作り上げた「作品」ということのよう。
この「濃い」インテリア、どことなく
「デニス・シヴァーズ・ハウス」を連想したりして・・・。
ベッドと反対側の壁に面したキャビネットの中に、
この屋敷に伝わる18世紀~19世紀の、
有名人にまつわる小物が収蔵展示されている。
例えば、右手前のピルケースは、
ここに滞在したエドワード王太子が、
このピルケースの「のど飴」を食べた・・・とか。
この手描きのラベルも、たしか「少佐」の手になるもので、
晩年はここの屋敷の一部を、現在のような形で一般公開していたそう。
その時の話題に、このようにして展示された、という話。
その次の部屋は書斎。
少佐の父は、スウェーデン王室付の内科・精神科医で、作家でもある、
Axel Munthe(アクセル・マンサ)。
(母がイギリス人で、この屋敷を建てた、Pennington(ペニントン)家の末裔だった。)
ある時には、聖書に次ぐベストセラーと称される、
「The Story of San Michele (サン・ミケーレ物語)」を、
1929年に英語で英出版社から出版したことで有名。
(日本語訳はされていないし、日本では全く知られていないけれど。)
この机で、このタイプライターで「サン・ミケーレ物語」が書かれた・・・、
という説もあるのだけれど、これは「少佐」が話を「盛っていた」そうで、
実際にはこの部屋が完成した時期と、
この本の執筆の時期は、一致していないので、
現実にはあり得ない話なのだそう。
右の軍服のポートレート写真が、スパイ特殊部隊時代の「少佐」。
その手前が彼の帽子。
最後に案内される部屋が、音楽室。
この部屋にもまた、伝説があって、
ここから比較的近い、Merton(マートン)に屋敷を構えていた、
ネルソン提督と愛人のレディ・エマ・ハミルトンが、
この屋敷を、この部屋を訪れたとされている。
そこで、ここに彼女の肖像画が・・・。
お城やお屋敷の公開っていうのも、ヴィジターの興味を引き付けるには、
「歴史的有名人のXXが泊まった、訪れた」のような話題が、
いろいろ必要なようで・・・なかなか大変かも(笑)。
いや、私はインテリアの写真撮れるだけで、
話題はなくても、大満足ですけどね。
これは、音楽室の反対側の一角。
この部屋では、現在でも室内楽のコンサートや、
レクチャーなどの、イベント会場として活用されているそう。
最後に、20世紀初頭のドレスをいくつか展示している部屋を、
見て回って、ツアーは終了。
次回は、ここの庭のイメージを。
Southside House(サウスサイド・ハウス)
3-4 Woodhayes Road, London, SW19 4RJ
公開: 3月末~9月末の水・土・日曜、1:00, 2:00, 3:00PMにガイドツアー。
予約・詳細は英文で<このページ>
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