Saturday 12 December 2015

Southside House(サウスサイド・ハウス) -2-

今年は、なぜだかUKの取引先が静かで、USAや日本のお客様向けに出荷することが多くて、ということはつまり、12月2週目にはもう問い合わせも出荷もなくて、ちょっとのんびり。
次のシーズンの春夏コレクションの立ち上げも、当初の1月初めから、2月初めに諸事情あって遅らせることになったので、その点でもちょっとゆっくり。
今年はのんびりホリデー・シーズンを迎えられる・・・かな?そうだといいけど^^。

この前の<この標本箱>のSouthside House(サウスサイド・ハウス)のイメージの続きを再び。

公式のダイニングルームの次は、
この正面玄関ホールにあたる部屋に案内される。

Southside House -Wimbledon
初回の建物の表側の正面入口を開けると、
ちょうどこの玄関ホールに入ってくることになる。
部屋の大半を閉めているのは、
巨大な建造当初の暖炉。

Southside House -Wimbledon
件の「少佐」のコートがなにげに椅子にかけられていて、
さっき出先から帰ってきたところ、な、感じに、演出されている。

Southside House -Wimbledon
このホールの隣に、階段ホール、そのまた奥に、
控室のような部屋が続いている。

Southside House -Wimbledon
その控室の部屋のタペストリーは、
本格的な織物ではなくて、キャンバス地にペイントされたもの。
シアターのステージ背景だったものを持ってきた・・・、
という話だったと思う。

Southside House -Wimbledon
この部屋に掛かるエキセントリック「少佐」の晩年のポートレート。

Southside House -Wimbledon
もう一度手前の階段ホールに戻る。
ここも大仰なのことになっている。
そして、天井を見上げると・・・、

Southside House -Wimbledon
こんなことに・・・。

Southside House -Wimbledon
これは17世紀ではなくて、17世紀風に、
「少佐」と兄弟のペーターが装飾したもの。
中心の「よく出来た」絵画は、複製品か印刷物で、
それをまず天井にデクパージュして、その周りを
バロック風にペイントしていったもの。
まぁ、自分ちだったら、何してもいいですけどね(笑)。

Southside House -Wimbledon
そして、この階段を2階へと上がって、
2階の部屋を拝見。

Southside House -Wimbledon
最初のこの部屋は「プリンス・オブ・ウェールズの部屋」と呼ばれている。
王太子Edward(エドワード=後のエドワード7世国王のことだと・・・?)
この王太子がこの屋敷に滞在したことは、
記録に残っているのだけれど、実際にこの部屋に滞在した、
というわけではなくて、この部屋は王太子をイメージして、
「少佐」が作り上げた「作品」ということのよう。

Southside House -Wimbledon
この「濃い」インテリア、どことなく
デニス・シヴァーズ・ハウス」を連想したりして・・・。

Southside House -Wimbledon
ベッドと反対側の壁に面したキャビネットの中に、
この屋敷に伝わる18世紀~19世紀の、
有名人にまつわる小物が収蔵展示されている。
例えば、右手前のピルケースは、
ここに滞在したエドワード王太子が、
このピルケースの「のど飴」を食べた・・・とか。
この手描きのラベルも、たしか「少佐」の手になるもので、
晩年はここの屋敷の一部を、現在のような形で一般公開していたそう。
その時の話題に、このようにして展示された、という話。

Southside House -Wimbledon
その次の部屋は書斎。

Southside House -Wimbledon

Southside House -Wimbledon
少佐の父は、スウェーデン王室付の内科・精神科医で、作家でもある、
Axel Munthe(アクセル・マンサ)。
(母がイギリス人で、この屋敷を建てた、Pennington(ペニントン)家の末裔だった。)
ある時には、聖書に次ぐベストセラーと称される、
「The Story of San Michele (サン・ミケーレ物語)」を、
1929年に英語で英出版社から出版したことで有名。
(日本語訳はされていないし、日本では全く知られていないけれど。)

Southside House -Wimbledon
この机で、このタイプライターで「サン・ミケーレ物語」が書かれた・・・、
という説もあるのだけれど、これは「少佐」が話を「盛っていた」そうで、
実際にはこの部屋が完成した時期と、
この本の執筆の時期は、一致していないので、
現実にはあり得ない話なのだそう。

Southside House -Wimbledon
右の軍服のポートレート写真が、スパイ特殊部隊時代の「少佐」。
その手前が彼の帽子。

Southside House -Wimbledon
最後に案内される部屋が、音楽室。

Southside House -Wimbledon
この部屋にもまた、伝説があって、
ここから比較的近い、Merton(マートン)に屋敷を構えていた、
ネルソン提督と愛人のレディ・エマ・ハミルトンが、
この屋敷を、この部屋を訪れたとされている。
そこで、ここに彼女の肖像画が・・・。
お城やお屋敷の公開っていうのも、ヴィジターの興味を引き付けるには、
「歴史的有名人のXXが泊まった、訪れた」のような話題が、
いろいろ必要なようで・・・なかなか大変かも(笑)。

Southside House -Wimbledon
いや、私はインテリアの写真撮れるだけで、
話題はなくても、大満足ですけどね。
これは、音楽室の反対側の一角。
この部屋では、現在でも室内楽のコンサートや、
レクチャーなどの、イベント会場として活用されているそう。

Southside House -Wimbledon

Southside House -Wimbledon
最後に、20世紀初頭のドレスをいくつか展示している部屋を、
見て回って、ツアーは終了。

Southside House -Wimbledon

次回は、ここの庭のイメージを。




Southside House(サウスサイド・ハウス)
3-4 Woodhayes Road, London, SW19 4RJ

公開: 3月末~9月末の水・土・日曜、1:00, 2:00, 3:00PMにガイドツアー。
予約・詳細は英文で<このページ
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