Eglise de Saint-Céneri-le-Gérei (サンセヌリ・ル・ジェレ教会)
引き続きノルマンディーの「美しい村」Saint-Céneri-le-Gérei(サンセヌリ・ル・ジェレ)より、ここの村の名前の語源になった聖人さんに端を発する教会のイメージを。
この教会は村と同じEglise de Saint-Céneri-le-Gérei (サンセヌリ・ル・ジェレ教会)と呼ばれていて、11世紀に現在の建物の基盤が建てられた。
そもそもこの、セヌリさん (Serenicus または Genericus) という聖人さんは、602年にローマから100km離れたSpoleto(スポレト)に生まれ、枢機卿(Cardinal)となったが、天使のお告げを受けて、この地にたどり着き、La Sarthe(サルト川)のほとりで隠者として暮らした、とされている。
崖の上に建つ教会の外観は、これは橋の上裏側から見たところ。
11世紀に、ここに城が建てられたのと、同時期に建造されている、
ロマネスク様式。
中はロマネスクらしい、シンプルな構造。
ここの内陣部分に壁画が残っている。
この村にやってきた目的の半分は、
そのロマネスク壁画を見たかったから。
幾何学的な装飾と、素朴な彫りの十字架。
奥の内陣部分の壁に、見事に壁画が残されている。
こちらも素朴でチャーミングな表現。
使われている顔料も、
赤・オーカー・焦げ茶・ブルーグリーン(?)の4色のみ・・・かな。
壁画は12世紀に描かれたものと、
14世紀に描き足されたものとがあるそう。
かわいいジーザス先生。
天の父様は、ブレッシング(祝福)の手・・・というか、
Vサイン・セルフィー風だし。
聖マーティン(?)も、なんだか、うふふ顔。
天使の羽根が、孔雀風なのか、星なのか、
ふわふわ・キラキラした感じがよく出ている。
13世紀頃のイタリア特有だと思っていた、
Virgin of Mercy(慈悲の聖母)に出くわす。
これは確実に14世紀に描かれた部分に違いない。
1280年にDuccio(ドゥチオ)の描いたパネルが、
最古の慈悲の聖母の様式だとされているので。
やっぱり、イタリアと縁がある教会だったのかな?
審判に出てくる悪魔君達はこれでは、ザリガニ?
壁画画家のファンキーな描写力。
ステンドグラスとその周りの描写は、14世紀以降のものと。
12世紀ロマネスクの装飾は、ほぼ幾何学形態で、
スクロール(唐草)が現れるのは、ゴシック以降なのだった。
これも初期ゴシックの、秀麗なスクロール。
4福音書記者のシンボルを描いたあたりは、
12世紀の素朴さ漂う・・・、にしては、見返りライオン、
うまく描かれているぞ。
天井にもペイントが残っている。
このおぢさんが、セヌリさん。
私達は壁画にしか目が行ってなかったけど、
18世紀マニアのティエリー氏のチェックが入った、
サイド・チャペルの祭壇。
18世紀だけあって、装飾がいかにも「Pおじ箱」的でもある。
一番上のジーザス君・・・このフォームは・・・、
典型的な「マーキュリー」なポーズ。始めた見たよ。
こんなことでOKだったんだろうか(笑)。
その祭壇に飾られた奉納装飾達。
今どきアンティークで人気の、こういうオーナメントは、
こんな風に祭壇に飾られてたんだーと、ルーツ確認。
Photography by Renaud Camus
外観は、Flickrより借り物写真で。
Eglise de Saint-Céneri-le-Gérei
(サンセヌリ・ル・ジェレ教会)
61250 Saint-Céneri-le-Gérei, France
次回はこの教会からまだ先に進んで、川沿いの草地の中に建つチャペルやら、サルト川のイメージを。
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