Saturday, 14 June 2014

Palazzo Davanzati (パラッツォ・ダヴァンザティ博物館)

話はまたイタリア、フィレンツェに戻って、今回はPalazzo Davanzati (パラッツォ・ダヴァンザティ博物館)のイメージを。

根がインテリア好きなので、このイタリア・ルネッサンスのインテリアを再現した、ダヴァンザティ博物館も外すことのできなかった場所。
開館時間(8.15am-13.50pm公式)を調べて、1時間は見て回れると思って1時前にたどり着いたら、レセプションで「後15分で閉めるから、15分以内に見て回ってね。」と申し渡される。
他の小さなミュージアムでも、理由もなく(あるんだろうけれど、説明はなし)開館を遅らせたり、閉館を早めたり、つまり、ゆるい時間帯でオープンしているのが、イタリアのミュージアムというもののよう。 このへん、UKをもっといい加減にした感じ。
そんなわけで、慌ただしく見て回って、写真を撮って回った博物館。

建物自体は、14世紀後半に、裕福な羊毛ギルドメンバーの、Davizzi家によって建てられたもの。
1516年にBartolini家に売却され、その後1578年に同じく富裕商人のDavanzati(ダヴァンザティ)家の所有となる。
この段階で、ほほ現在のルネッサンス様式の建物が出来上がったものと考えられている。
その後260年にわたって、同家の所有が続いたので、パラッツォ・ダヴァンザティ(直訳すると「ダヴァンザティ宮」だけれど、「ダヴァンザティ屋敷」が近い感じだと思う。)と呼び習わされるようになった。
1838年に一家の最後の末裔Carloが、ここで投身自殺を図った後、この屋敷の運命も暗転して、一階は店舗に、コートヤードは倉庫に、残りの上階は小さな部屋に区切られ、貧困層用賃貸部屋となった。
19世紀後半、周辺区域の再開発に伴う取り壊しの計画で、何度も存続が危ぶまれたが、1898年に在フィレンチェ英米人組織の支持で設立された、オールド・フローレンス保護協会の介在で、保存が確約された。
1904年に、アンティーク・ディーラーで画家でもあるElia Volpi(イリア・ヴォルピ)が、この建物を購入。
独自の研究に基づき、5年間に渡る復元の後、ダヴァンザティ家所有当時のルネッサンス様式の屋敷が再現され、1910年に私設ミュージアムとして公開される。
その後、屋敷はエジプト人アンティーク・ディラーに売却された後、1951年にイタリア政府が購入、以来国立博物館の一環として公開されている。


Palazzo Davanzati
レセプションのある建物を抜けて、
まず、吹き抜けのコートヤードに出る。

Palazzo Davanzati
コートヤードから上階を見上げたところ。

Palazzo Davanzati
通りに面したファーストフロア(日本式でいうと2階)に、
建物の幅全部を使った、Great Hall(グレート・ホール)。
ここは正式の応接室。
暗くて見えにくいけれど、梁の下の壁に横一線状に、
いくつものフックが出ている。
これは、正式の接待の折に、ここにタペストリーを掛けるためのものだそう。
ルネッサンス期は、まだ板ガラスが作れなかったため、
ステンドグラス上に吹きガラス(bullseye、Crown glassと呼ばれる)を
つないで、窓ガラスとした。

Palazzo Davanzati
同じファーストフロアにある、Parrots' Hall(オウムの部屋)。
タペストリーのトロンプルイユがフレスコ壁画で描かれていて、
そのチェック模様の、長細いパターンの中に、
オウムが描かれているのでこう呼ばれる。
このフレスコ壁画は、大半がイリア・ヴォルピ監修の復元だそう。

Palazzo Davanzati
反対の側から。
配偶者氏、そこをどいてくれんかな・・・(笑)。
暖炉の上部中央に描かれているのが、
ダヴァンザティ家の紋章。

Palazzo Davanzati
キャビネットにディスプレイされているのは、
ダヴァンザティ家のコレクションだった、
14-15世紀のマジョルカ焼き。

Palazzo Davanzati
セカンド・フロア(日本式3階)の、
Châtelaine de Vergy's room(シャトレーヌ・デュ・ヴェルジィの部屋)。
「シャトレーヌ・デュ・ヴェルジィ」というのは、13世紀フランスの、
宮廷悲恋物語詩によるもので<英文Wiki>、
そのストーリーが、壁面上部に描かれているため、こう呼ばれる。
この部屋が、この屋敷を購入したパオロ・ダヴァンザティ夫妻の主寝室。

Palazzo Davanzati
ファーストフロアに戻って、Peacocks' Room(孔雀の部屋)。
これも、壁面上部に描かれた、孔雀にちなんでこう呼ばれている。

Palazzo Davanzati
木々に立掛けられたように描かれている、様々な紋章は、
ダヴァンザティ家と関連のあった、フィレンチェの家々の紋章。

Palazzo Davanzati
この真中の、赤白のギザギザ模様は、ダヴァンザティ家。

Palazzo Davanzati
部屋の奥の方。
横にあるのは、ゆりかご式ベビーベッド。

Palazzo Davanzati
壁画の下の部分のクローズアップ。

他にも公開されている小さな部屋や、展示物も
いろいろあったのだけれど、とにかく、時間がなかったので、
目についた部屋だけを見て回った。
(で、また日をあらためて来ようと思ったけれど、
結局果たせずじまい。)

そしてもう一度吹き抜けの階段部分に戻る。

Palazzo Davanzati

Palazzo Davanzati

Palazzo Davanzati
最後にこれが正面のヴュー。


Palazzo Davanzati 
(パラッツォ・ダヴァンザティ博物館)

Via di Porta Rossa 13, 50122 Firenze

開館: 毎日8:15am-13:50pm 
閉館: 毎月第2、第4日曜、毎月第1,第3,第5月曜、
1月1日、5月1日、12月25日。

入場料:大人 2ユーロ、18-25歳(要IDカード) 1ユーロ、18歳以下 無料。

地図:

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