Saturday, 7 June 2014

Battistero di San Giovanni ( Baptistry 、サン・ジョヴァンニ洗礼堂)

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一連の取材仕事も終わって、写真も仕上げて納品、その前から溜め込んでいたPDFレイアウトの仕事も片付けて・・・仕事トンネルの向こうに光が見えたように思ったのは気のせいで・・・・またまたジュエリーの秋冬物の仕込みに突入。
あぁもう、どうしようもなく仕事が大好きとしかいいようがない(ヤケクソ・・・笑)。

標本箱は再びフィレンツェに漂っていって、今回はBaptistry = サン・ジョヴァンニ洗礼堂と呼ばれる、11~13世紀の建築のイメージを。


Battistero - Baptistry
建築のイメージ・・・・とかいうものの、
ここを見に来た目的は、ひとえにこの1225年ごろ制作された、
ロマネスク・天井モザイク。
ロマネスク=ビザンティンなわけで、
ビザンティン魂(?)の私としては、ぜひとも見てみたかったもののひとつ。

Battistero - Baptistry
この天井からもわかるように、この建物は8角形。
初期キリスト教時代から、洗礼堂は8角形が定例なのだそう。
6日の天地創造、1日のお休み、そして洗礼で再創造される日の、合計8日ということで。
そういえば、洗礼堂ではないけれど、教会の洗礼盤が8角形であることが多いのも、
多分同じ理由なのだろう。
上から天使の階層、創世記、ヨセフ物語、
聖母子物語、洗礼者ヨハネ物語の順に描かれている。
全部撮影したいぐらいだったけど、きりがないので、
大きくてまだしも撮りやすい天使達を撮ってみた。
(実際にはかなり暗いので、三脚ナシ撮影はすこぶる難しい・・・。)

Battistero - Baptistry
まずはジーザス先生と、その左右には最後の審判が描かれている部分。
その上のパネルには、アルファにしてオメガ(だと思う・・・)、の、父様。
その父様の左右に、Seraphim(セラフィム=熾天使)と、
Cherubim(ケルビム=智天使)のつもりなんじゃないかな・・・と思う
(これまた想像)。
天使九階級だけど、パネルは8面しかないので、2つ詰め込んだかも。

Battistero - Baptistry
前のパネルの左隣、Tronil=Thrones(ソローンズ=座天使)。
ご衣装がとてもビザンティン。
宇宙を手にしているのか、あるいは、
座天使の象徴形の円形=車輪なのか?

Battistero - Baptistry
その左は、Virtutes=Virtues(ヴァーテュス=力天使)、
は、エクソシストの悪魔出しをしているような?

Battistero - Baptistry
Principatus=Principalities(プリンシパリティーズ=権天使)は、
主権と正義を司る、と考えられている。
十字軍なんだか、イングランド・チーム応援団なんだか・・・。

Battistero - Baptistry
Angeli=Angels(エンジェル=天使)。
こちらは役職なし一般職の天使達。
雑務が多くてバタバタ忙しそう(笑)。

Battistero - Baptistry
Arcangeli=Archangels(アークエンジェルズ=大天使)。
ご衣装がこれまた、ビザンティン直系でLoros(ローロス)がはっきりと見てとれる。

Battistero - Baptistry
Potestates=Powers(パワーズ=能天使)。
対悪魔天界戦争で最前線を担当する、と言われているためか、
完全武装の戦闘服で登場。

Battistero - Baptistry
Dominationes=Dominions(ドミニオンズ=主天使)。
笏を持った姿で描かれている。

これで、天使のパネルは一巡したことになる。
まぁ、天使九階級は神学がこねくり回して創りだした感ありありで、
諸説紛紛なので、あまり深く調べないほうがいいかも・・・。

ともあれ、この天井モザイクは13世紀のフランチェスコ派修道僧
Jacopo Torriti (ヤコポ・トリッティ)の監修の元、
ヴェネチアの職人を動員して、14世紀まで引き続いて完成されたと考えられている。

Battistero - Baptistry
天井モザイクドーム下の、ギャラリー部分の明かり窓。
天井の真ん中にランタンと呼ばれる、明かり採りが開いているのと、
このギャラリー部の窓がある以外、この建物に窓はない。
ロマネスクの建物の中が、いかに暗いものだったか、
金モザイクで燭明を少しでも反射させる必要があったのか、
実感でわかった。

Battistero - Baptistry
ズーム・アップ。

Battistero - Baptistry
主祭壇の部分。

Battistero - Baptistry
その上の、天井モザイク。

Battistero - Baptistry
祭壇の右側で、燭台を支える天使君。
多分これも13世紀のものと。

Battistero - Baptistry
Andrea Pisanoの南側ドアのパネルの一枚。
Lorenzo Ghibertiの東側ドアが<イメージ>、
ミケランジェロ評するところ「天国の門に最適!!」といったとか、
言わなかったとかで、有名なそうだけれど、
モザイクで頭いっぱいで撮り忘れていた。
あるいは、この建物の外観が現在修復作業中で、
全面的に足場で取り囲まれていたので、公開されていなかったのかも。

そんなわけで、外観も撮影できず・・・
以下はWikiからの借り物写真。
Florence Baptistry.jpg
"Florence Baptistry". Licensed under Public domain via Wikimedia Commons.



Battistero di San Giovanni
( Baptistry 、サン・ジョヴァンニ洗礼堂)

Piazza San Giovanni, 50123 Firenze

公開:12:00pm~7:00pm(月~土)、8:30am~2:00pm(日)
(1月1日、イースター、クリスマス、クリスマス・イヴ閉館)
入場料:5ユーロ(2014年)

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