William Morris Gallery (ウィリアム・モリス・ギャラリー)-2-
William Morris Gallery(ウィリアム・モリス・ギャラリー)のイメージの続編で、ギャラリー2階部の部屋から。
Ideal Book (理想の本)という部屋は、モリスの詩や本への傾倒がテーマの展示。
ヴィジュアルとして美しく詩的な本を出版したいという、
モリス後年のパッションで1891年に設立された
「The Works of Geoffrey Chaucer (ジェフリー・チョーサー作品集)」1896年。
本の構成、マニュスクリプト、装飾はモリス担当で、
バーン・ジョーンズ以外にも、一部Arthur Gaskin(アーサー・ガスキン)他の
イラストレーターが寄稿している。
同じく「ケルムスコット・チョーサー」のページより。
Cheltenham Art Gallery &Museum(チェルトナム美術博物館)の
バーチャル図書館で、この本の数ページが紹介されている。
そのリンクは<ここ>。
同室に展示されている、バーン・ジョーンの、チョーク・イラストレーションの一部。
モリスの詩、特にIcelandic Sagas(アイスランドのサガ)に対する傾倒に端を発して、
1871年と1873年に、実際にアイスランドを旅している。
そのときの様子を、冗談半分でバーンジョーンズが描いたものが・・・これ。
(このカリカチュアも展示品の一部)
シリアスでアカデミックな絵画で知られるバーン・ジョーンズだけれど、
意外にユーモラスで、カリカチュアが絶妙に・・・笑える。
Edward Burne-Jones: The Hidden Humorist
(エドワード・バーンジョーンズ:秘められたユーモア)
という本が出ていて、これがかなり愛らしい・・・。
Amazon.co.ukでは、<このページ>で販売されていて、4ページ公開されている。
これはバーン・ジョーンズが「パリスの審判」を御伽噺風に描いたタイル。
バーンジョーンズの、カリカチュアと「真面目」作品の中間、といった感じ。
あ~ぁ、ユーノ(ヘーラー)怒らせちゃったよ・・・知らんよ、どうなっても(笑)。
モリスがアイスランドから持ち帰った、装飾入りのホーン。
モリスの装飾文様が、ケルトやヴァイキング装飾の末裔なのがわかる。
別ウィングの部屋「Arts and Crafts」室では、
その他のアーティストの作品を展示している。
椅子の背や、衝立のパターン、タペストリーのパターンのうねるような動感は、
アール・ヌーヴォーと、アーツ・アンド・クラフツの重なり合う部分。
鏡張りキャビネットに写りこむ、ステンドグラスやら・・・、
ディスプレイ・キャビネットのガラスに映りこむステンドグラス・・・、
など撮影して、遊んでるけれど、真面目に撮ったのはこれ。
Adam and Eve before God (神の前のアダムとイヴ)
Christpher Whall(クリストファー・ウォール) 1880年頃。
Man and Angel, Arthur Heygate Mackmurdo, 1886
Candle holder, Arthur Heygate Mackmurdo, about 1880
アーサー・ヘイゲート・マクマードデザインの、
銅版パネルと、壁掛けキャンドルスタンド。
Attendant Angels, Henry Holiday, about 1909-10
Angel with Dove, Adapted from a design by Louise B Davis,
painted and made by Thomas Cowell, 1920s.
左:ステンドグラス「随行の天使」ヘンリー・ホリディ 1909-10年頃。
右:ステンドグラス「鳩と天使」ルイス B デイヴィス
デザイン、トーマス・コウェル製作 1920年代。
これは誰のデザインかひかえてくるのを忘れたけれど、
20cm角程度のサイズの、小さなタペストリー。
後年、労働者の教育・地位向上に関心を持つモリスは、
社会主義運動家に転向していく。
もちろんこのギャラリーの2階のもう一つの部屋では、
社会主義運動家としてのモリスをテーマの解説展示がされているのだけれど、
ヴィジュアル重視、完璧ノンポリティカルの私は、その部屋はスルーして、
2階ランディングに展示されていた、同時代の画家、アルマ・タデマの作品に注目。
The Dinner, Lawrence Alma-Tadema, 1873
「晩餐」ローレンス・アルマ・タデマ 1873年
明るい日の映り込みが激しくて、うまく撮れなかったけど、
ギャラリーのデータベースは<このページ>。
新装オープンのために増築された、裏のロイズ・パークに繋がる庭に面するカフェ。
自然光があふれて、なかなか快適。
新装オープンならでは、もう一つの「なかなかやるな」は、
モリスパターンを貼りこんだ、トイレのドア。カフェの隣にある。
その庭も、やっと改修が終わったばかり、という感じだけれど、
後数年もすると、熟成した庭になることと。
庭から見たモリスギャラリーと、増築されたカフェ部。
そのまた後ろに、池の広がるロイズ・パークが続いている。
ギャラリーの後に、散策するのにちょうどいいところ。
William Morris Gallery(ウィリアム・モリス・ギャラリー)
水~日曜 10:00~17:00開館 (月・火曜 閉館)入場無料。
地図:
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