Wednesday, 10 October 2012

Mont Saint Michel-モン・サン・ミシェル-3-

Mont Saint Michelモン・サン・ミシェル)のイメージの最終回で、Abbey(修道院)のイメージの続き。


Mont Saint Michel
前回の回廊から、順路は次に回廊に面した僧侶の食堂ホール(13世紀建造)。
電球のライティングが面白い。

Mont Saint Michel
ちょうどその下の階に当たるのが、Salle des Hotes(迎賓の間)と呼ばれる、
ゲスト用のホール。これも13世紀のもので,
 天井のアーチの先がすこし尖ってきて、ゴシック様式に移行していく途中のスタイル。
ここには大きな暖炉が2つあって、明るく暖かい部屋で、
王侯・貴族階級の巡礼者はここでもてなされたのだそう。

Mont Saint Michel
窓からコートヤード側を覗くと、鐘が見える。

Mont Saint Michel
修道院付属教会内陣の下に位置するCrypt(クリプト)内の、小部屋になった部分。
メインのクリプトは・・・とにかく暗くて撮影失敗・・・。
Flickrから借りてきた。

Crypt of the Great Pillars - Argyrotype Print
Photo by mark.voce @Flickr
15世紀建造の修道院付属教会内陣を、下から支えるべく先行して設計されているので、
この巨大な柱が導入された。

Mont Saint Michel
床タイルだけ、かろうじて撮影成功。

Mont Saint Michel
12世紀の納骨堂だった部分だが、フランス革命後は牢獄としても使用されていて、
その囚人の食料を引き上げるための、滑車。
中世の巻上げ滑車のリプロとして、設計された。

Mont Saint Michel
途中ちらっと垣間見た中庭。
井戸が掘られているが・・・(こんなに海に近いのに)
真水をくみ上げることができたのだろうか?

Mont Saint Michel
11世紀建造の建物を南北につなぐ階段。

Mont Saint Michel
そこから、「Monk's Promenoir(僧侶の遊歩道)」と呼ばれる一角。
11世紀から13世紀にかけて、何度も改造されている。
ここが、前回の写真のクロイスター(回廊)が13世紀に建造される前に、
クロイスターとして使われていたのではないか・・・と19世紀に推測されて、
「Monk's Promenoir(僧侶の遊歩道)」と呼ばれるようになったのだが、
本来何の部屋として使われたかは、いまだによく解らないのだそう。

Mont Saint Michel
前回書いたが、創設者聖オーバートが、2度聖ミシェルの修道院設立の指令を、
悪魔かと思って無視したため・・・、「これでもか!!」と頭に穴をあけられるの図。
果たして・・・頭に穴を開けにやってくるような大天使は、
悪魔とどこが違うんでしょうかね?

Mont Saint Michel
その次の大きなホールは「Salle de Chevalier(騎士のホール)」と呼ばれる部屋。
大きな明るい部屋で、巨大な暖炉が部屋を温めていた。
13世紀の建造ながら、天井ヴォールトの先がずいぶん尖ってきていて・・・、

Mont Saint Michel
柱頭装飾も複雑なものになってきている。


この部屋の名前は、15世紀にルイ11世の設立した「サン・ミシェル騎士団」が、9月29日の聖マイケル(ミシェル)祭日にモンサンミシェルで集会を催す・・・という、伝説に基づいて後年名付けられたもの。
しかし実際には、辺境のこの島に集合することは難しかったため、一度も実現せず、パリ・シテ島のSaint Michel du Palais(現サント・シャペル敷地内)が集会場となった。
なので、騎士がここで宴会をする・・・というのは誤謬ながら、いかにもそのような想像を掻き立てられるような、明るくて、天井が高くて気持ちのいい部屋。
この北に面した明るい部屋の構造から、写本製作の書写室ではないか、とも考えられていたが、現在に伝わるモンサンミシェル写本の大半は(現在はAvaranchesのスクリプト博物館とで、分散保管展示されている)、ロマネスク期つまり、このホールが建造される以前のもの。なので、仮にここが書写室として使われていたとしても、ここで製作されたモンサンミシェル写本はわずかしかないそうだ。


Mont Saint Michel
その書写室説からインスパイアされた、中世写本文字のディスプレイは、なかなかの優れもの。

Mont Saint Michel
その隣のAlmonry(Alms house=施貧室)は、
本来、貧しい人々や一般巡礼者をケアするための部屋で、
大食堂、宿屋、病院を兼ねていたもの。
現在は入り口チケット売り場と、出口のショップとして使われている。
その一角に立つ、尖塔上の聖ミシェル像のリプロ。
1897年にEmmanuel Fremietの製作したもので、現在オルセー美術館にも
ファクシミリがが展示されている。<仏文詳細はこのページ

Mont Saint Michel
同じく出口のショップの一角にある壁画の聖ミシェル。
これは古そう・・・13世紀?かも知れないが、詳細はまったく不明のまま。

Mont Saint Michel
最後にもう一枚、加工かけまくったモン・サン・ミシェル、でした。










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