ノルマンディーの町や村 -Bayeux (バイユー)大聖堂 -2-
某日本旅行雑誌の取材撮影は無事終了。後は、コツコツ後処理を仕上げる作業が残っている「だけ」。
この「だけ」の部分が、仕事量の約半分ぐらいを占めているので、「だけ」ともいえないのだけれど・・・。
今回は、アフタヌーンティーめぐりやら、パブめぐりやら、いろいろ楽しかった(美味しかった)。
しかし、スペア・バッテリーのように「スペア胃袋」を持って来れない悲しさ・・・大半は試食程度にしか食べられない。
ああぁ・・・もったいない・・・。
話はまたもやノルマンディーに戻って、Bayeux(バイユー)大聖堂のイメージの続き。
そう、この日はいいお天気で、日差しで大聖堂のディティールが見事に浮き上がっている・・・
と、いうところからの続き。
なので、ステンドグラスも美しく浮かび上がる。
ステンドグラスは、石彫のように丈夫なものではないので、中世からのものが現存している例はまれ。
各時代で修復されたものが、混在している。
19世紀半ば以降、ゴシックリヴァイヴァルの様式が現れて、
「中世風」に壁画やステンドグラスが修復される。
これを見分けるのは、(私には)かなり難しい。
(いや、別に見分けられたからどうだってことはないのだけれど・・・笑)
このステンドグラスは、古そう。13-14世紀に思われる(ウラはとってませんよ・・・)
これは、19世紀の「中世風」。
人物の描き方は、中世のステンドグラスや写本に倣っているのだけれど、
ガラスの色味がまず鮮やか過ぎる、そして、状態がよすぎる。
それでも「中世風」の素朴な描き方は、充分にチャーミング。
これも同じ19世紀のステンドグラスのシリーズ。
中世の人は解剖学を知らないので、こんな風に鎖骨を描くことはありえない(笑)。
これは、クローヴィスか誰か王様が、洗礼を受けているシーン、の様。
まぁ、ステンドグラスの美しさの前には、つまらない時代考証など、
何の意味も持たないか・・・。
万華鏡状態の、ステンドグラス美・・・。
18世紀風おばちゃまっぽい天使が、ステンドグラス越しの光に浮かび上がる。
石の床にもステンドグラスが、色彩をちりばめていく。
この小さな挿絵のような壁画は、13世紀の壁画を修復したもの。
歴代のバイユー大聖堂大司教が描かれている中、これは6代聖堂大司教・聖コンテス。
高い天井に描かれた天使たちが、とても愛らしい^^。
壁画は、石彫ほどではないけれど、ステンドグラスよりは丈夫。
なので、13-14世紀のものが現存している例も以外と多い。
これは、13世紀に描かれた「受胎告知」の壁画。
これも13世紀のキリスト磔刑のシーンの一部で、福音記者ヨハネを描いたもの。
なんともデリケートな、肌や髪の表現・・・。
同じ一角にある13世紀の壁画の一部で、聖ニコラスの生涯を描いた壁画の一部。
嵐にあって難破しかかった船に乗り合わせた彼が、嵐を鎮める・・・のよう。
静的な描写の中世絵画で、この怒涛の波しぶきの表現が、とても新鮮。
これも13世紀の壁画で、鍛冶屋の聖人さん(誰だろう?)
銀細工(?)を作っているところに、蹄鉄を替えに馬をひいたお客さんがやってきた。
「栄光のキリスト」を描いた19世紀絵画。
これもゴシックリヴァイヴァルで、中世風に描かれているのだけれど、
もっとこぎれいで、きちんと描かれていて、デッサンが上手くて・・・
そもそも保蔵状態がとてもよければ・・・たいてい19世紀のもの。
地下のクリプトにも、柱の上のアーチ部分に壁画が描かれている。
柱頭部の石彫は、ロマネスク、11-12世紀のものだが、壁画は15世紀のもの。
近くによって見ると、天使達。
ひざまずいて祈っていたり、楽器を演奏している。
全部パターンが違うので、それぞれ見てまわると面白い。
最後に、古びのレイヤーをかけた、ゴシックの外観のイメージをもう一度・・・。
見どころの多い内容充実の大聖堂、バイユーに行ったら覗いてみる価値あり。
Notre-Dame de Bayeux
Rue des Cuisiniers, 14400 Bayeux, France
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