Kentwell Hall(ケントウェル・ホール)チューダー・タイムトラベル・イベント-4-_
Kentwell Hall(ケントウェルホール)より、チューダー・リ・エンアクトメントのイメージ4回目。
前回の「酒蔵」の建物の階段を上がると、ハーブ部屋と刺繍作業の部屋がある。
これは、実際にこの建物のこの場所がそんな風に使われていた・・・、と、いうわけではない。当時の雰囲気を、この上階を借りて演出している、と、考えた方がいいだろう。
ハーバリストの部屋。当時のいわば「薬剤師さん」の仕事場を再現している。
天井からぶら下がっているのはPomander(ポマンダー)。
キッチンでも見かけたが、オレンジにクローヴを刺して乾かしたもの。
部屋の臭いをとる、虫除け、疫病除け、とにかくぶら下げておけば「家内安全」。
ハーバリストさんがせっせと選っているのは、杉の実・・・だったかな、尋ねたけど忘れた(笑)。
これがそのバスケット。なんだか見覚えのある葉なんだけど、思い出せない。
ジャグに生けてあるのはComfrey(コンフリー)という野草で、
肝臓のデトックス、軟膏にして関節炎や筋肉痛に効く、とか。
こんな風に、中世からチューダー期の部屋ではよく壁画が描かれていた。
「お屋敷」側は、木のパネル張りの壁にタペストリーで部屋を飾るのだが、
庶民のインテリア装飾は、もっぱら壁画。漆喰の壁に顔料で描かれる。
ハーバリストのテーブル。
ハーバリストの窓際。
ラヴェンダーにニゲラ、小枝を束ねた物は、かき混ぜ用のウィスカ。
ハーブがいろいろ乾かされている。
風船状のものは、多分、豚の膀胱ではないかな。
窓ガラスの安価な代用品として窓に張り込まれたり、
もしかしたら、壜やジャーの蓋代わりに使われたのかもしれない。
奥の部屋はハーバリストの「私室」。
そのもう一つ奥の部屋を覗くと、女性が2人熱心に刺繍をしている。
当時はスタンドライトなどないので、窓際は刺繍の専用席。
お道具を拝見。ワックスを引いて、糸の滑りをよくするのだろうか。
彼女達の作品、これはクッションの一部。
「お屋敷の中にも、いくつかあるから見てね。」と教えてもらい、早速お屋敷の本館へと向かう。
前々回のキッチンとは反対に、入口から右手に曲がると本館の部屋につく。
最初の暗い部屋を覗くと・・・、
その、刺繍のクッションが、ディスプレイされている。
きっちりパターンで埋め込んだ麻布をアップリケのようにして、ヴェルヴェットに貼り付けたもの。
部屋を出たところでは、下働きのお嬢さん方が、ちょっと休憩。
隣の部屋では、ディナーのナプキンを準備中。
そのまた奥の部屋から、話し声と弦楽器の音が聞こえる・・・。
ホールでは、ここの奥方様も、五月祭の集いに備えて、Viol(ヴィオル)を練習中。
このViol(またはViole、ヴィオラ・デ・ガンバとも呼ばれる)というのは、
チェロの原型のような物で、現在のヴァイオリンやヴィオラとチェロの中間ぐらいのサイズ。
ヴァイオリンやチェロ(4本弦)と違って、弦は6本。
(7本とか8本以上の多弦のものもあるのだとか。)
隣に座っている息子さんを特訓中。
リュートのおじ様との合奏。
シンプルな基本メロディーラインに、即興でコード進行を付け加えていって、
どんどん複雑で華麗なチューンをクリエイトしていく。
この奥方様は、なかなかの手練。
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おまけヴィデオは「Tous Les Matins du Monde」という映画の1シーンのよう(私も知らない映画)。
大型の7本弦ヴィオルを演奏している。メロディー(この場合les Folies)に即興肉付けしていく感じがよく出ている。
ケントウェル・ホールの情報は、ケントウェルホール・シリーズの最初の標本箱の一番下に。<このページ>
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