Thursday 30 June 2011

Kentwell Hall(ケントウェル・ホール)チューダー・タイムトラベル・イベント-4-_

Kentwell Hall(ケントウェルホール)より、チューダー・リ・エンアクトメントのイメージ4回目。

前回の「酒蔵」の建物の階段を上がると、ハーブ部屋と刺繍作業の部屋がある。
これは、実際にこの建物のこの場所がそんな風に使われていた・・・、と、いうわけではない。当時の雰囲気を、この上階を借りて演出している、と、考えた方がいいだろう。
Kentwell Hall - Herbalists' room
ハーバリストの部屋。当時のいわば「薬剤師さん」の仕事場を再現している。
天井からぶら下がっているのはPomander(ポマンダー)。
キッチンでも見かけたが、オレンジにクローヴを刺して乾かしたもの。
部屋の臭いをとる、虫除け、疫病除け、とにかくぶら下げておけば「家内安全」。
ハーバリストさんがせっせと選っているのは、杉の実・・・だったかな、尋ねたけど忘れた(笑)。

Kentwell Hall - Herbalists' room
これがそのバスケット。なんだか見覚えのある葉なんだけど、思い出せない。
ジャグに生けてあるのはComfrey(コンフリー)という野草で、
肝臓のデトックス、軟膏にして関節炎や筋肉痛に効く、とか。

Kentwell Hall

Kentwell Hall - Herbalists' room
こんな風に、中世からチューダー期の部屋ではよく壁画が描かれていた。
「お屋敷」側は、木のパネル張りの壁にタペストリーで部屋を飾るのだが、
庶民のインテリア装飾は、もっぱら壁画。漆喰の壁に顔料で描かれる。

Kentwell Hall - Herbalists' room

Kentwell Hall - Herbalists' room
ハーバリストのテーブル。

Kentwell Hall - Herbalists' room
ハーバリストの窓際。
ラヴェンダーにニゲラ、小枝を束ねた物は、かき混ぜ用のウィスカ。

Kentwell Hall - Herbalists' room
ハーブがいろいろ乾かされている。
風船状のものは、多分、豚の膀胱ではないかな。
窓ガラスの安価な代用品として窓に張り込まれたり、
もしかしたら、壜やジャーの蓋代わりに使われたのかもしれない。

Kentwell Hall - Herbalists' room
奥の部屋はハーバリストの「私室」。

Kentwell Hall - Embroiderers' room
そのもう一つ奥の部屋を覗くと、女性が2人熱心に刺繍をしている。

Kentwell Hall - Embroiderers' room
当時はスタンドライトなどないので、窓際は刺繍の専用席。

Kentwell Hall - Embroiderers' room
お道具を拝見。ワックスを引いて、糸の滑りをよくするのだろうか。

Kentwell Hall - Embroidery
彼女達の作品、これはクッションの一部。
「お屋敷の中にも、いくつかあるから見てね。」と教えてもらい、早速お屋敷の本館へと向かう。

Kentwell Hall
前々回のキッチンとは反対に、入口から右手に曲がると本館の部屋につく。
最初の暗い部屋を覗くと・・・、

Kentwell Hall
その、刺繍のクッションが、ディスプレイされている。
きっちりパターンで埋め込んだ麻布をアップリケのようにして、ヴェルヴェットに貼り付けたもの。

Kentwell Hall
部屋を出たところでは、下働きのお嬢さん方が、ちょっと休憩。

Kentwell Hall
隣の部屋では、ディナーのナプキンを準備中。
そのまた奥の部屋から、話し声と弦楽器の音が聞こえる・・・。

Kentwell Hall
ホールでは、ここの奥方様も、五月祭の集いに備えて、Viol(ヴィオル)を練習中。
このViol(またはViole、ヴィオラ・デ・ガンバとも呼ばれる)というのは、
チェロの原型のような物で、現在のヴァイオリンやヴィオラとチェロの中間ぐらいのサイズ。
ヴァイオリンやチェロ(4本弦)と違って、弦は6本。
(7本とか8本以上の多弦のものもあるのだとか。)

Kentwell Hall
隣に座っている息子さんを特訓中。

Kentwell Hall
リュートのおじ様との合奏。

Kentwell Hall
シンプルな基本メロディーラインに、即興でコード進行を付け加えていって、
どんどん複雑で華麗なチューンをクリエイトしていく。
この奥方様は、なかなかの手練。

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おまけヴィデオは「Tous Les Matins du Monde」という映画の1シーンのよう(私も知らない映画)。
大型の7本弦ヴィオルを演奏している。メロディー(この場合les Folies)に即興肉付けしていく感じがよく出ている。

次回はおなじくケントウェル・ホールなのだが、チューダー期の人々とは別れて、お屋敷のもっと時代が下った部分に、タイムワープしていこう。

ケントウェル・ホールの情報は、ケントウェルホール・シリーズの最初の標本箱の一番下に。<このページ

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