BBC番組 Antiques Roadshow (アンティークス・ロードショー)-1-
この記事をUPしたらすぐに、今日は出かける予定。行き先は大英博物館。「あーまた、収蔵物の写真撮り」と思うでしょう(笑)? 今日は少し趣向が違う。アンティークス・ロードショーのヴァリュエーション・ディに参加する。
アンティークス・ロードショーというのは、イギリスBBC(日本で言うNHK)の番組で、テレビを一切視ない(というか、時間と「視る気」を合わせることが難しい)私が、唯一視ている番組。近頃はPCにダウンロードして、その後1週間の間だけ、いつでも好きな時に視ることができるので、私にはとても都合がいい。
どんな番組かというと・・・視聴者がそれぞれアンティークやら、ヴィンテージやら、ジャンクやら(御本人は「お宝」と信じていること多し)をこのイベントにもちこみ、それを各ジャンルの「エキスパート」と呼ばれる専門家が鑑定してくれる、というもの。面白いネタならば、即その場で収録される。収録されたものは、その後の編集を経て放映されるので、必ずTVに映るとは限らないし、収録された人にもいつ放映になるかというのは知らされない。まあ、それも「お楽しみ」の一部。
収録は3月頃から始まり10月ごろにまでほとんど毎週、イギリス各地を巡回して催される。庭園等の庭にテントを立てての場合が多いので、やはり天気のいい夏のイベント。放映は逆に大体9月頃からで、秋冬の日曜日8時ごろからということになっている。(これも、イギリスは日本より少し「ゆるい」スケジュール設定)
この番組が始まったのが1977年からで、当初はあまり期待もされていない番組だったそうだが、イギリス人の「モノ好き」ぶりにフィットしたようで、大ヒット・ロングセラー番組となってしまう。「モノ」が主役なのだが、それにまつわるドラマあり・・・特に視聴者が「期待」しているのは、昔カーブーツ(フリーマーケットみたいなもの)で100円程度で買ったものが、じつは17世紀の壷で・・・国宝級のもの、時価XX千万円!!などと告げられたオーナーが、卒倒寸前・・・的ドラマ。まあ、これは極端な例だが、多かれ少なかれこのような出来事が、毎週放映されるものだから、「山師」気質のイギリス人を煽ることこの上なし。日本で「お宝鑑定団」とかいう番組があったと聞いたことがあるが、そのイギリス本家版がこれ。
我が家がご大層なアンティークを持っているとは思えないが、このイベントに参加するためには「何か」持参する必要がある。毎回情けないものを掘り出してきては持参するのだが、値打ちがあったためしはない。ただ、番組のファン、そして常連エキスパート達のファンなのでロンドン近郊ならのきなみ参加、参加することに意義はあるのだ。
今日写真撮りできれば、また後日アップすることにして、まずは以前参加したときに撮った写真を展覧してみよう。
これは南ロンドンのダリッジの美術館の中庭で催された時。写真右端の入り口が列の一番後ろ。そこから並んで、列はギャラリーの中をどんどん続き(収録の日はこのような会場に無料で入れるのも魅力の一つ)、ちょうど樹の後ろ建物の中心出入り口にある受付カウンターまで延々続く。ここまでたどり着くのに、経験上・・・早くて2時間、遅いと3時間並ぶ。ここで持ってきたものを見せると、受付の係員がてきぱきとジャンルに分けて、それぞれのチケットを手渡す。
私の持ち込んだイタリアの焼き物の皿は、もちろん「陶芸品」で、配偶者氏が持ってきた、鉄のアーツアンドクラフトのキャンドルスタンドは「その他諸々」に回された。「その他諸々」をその日担当していたPaul Atterbury(ポール・アトブリー)氏が一番アーツアンドクラフトに詳しいというのが、最大の理由。
この後、再びジャンルごとの列に並ぶ。これは最初受付に至る列よりはずいぶん短いが、それでも、だいたい20-30分。
皿の方は50-60年代のもので値打ちはほとんどなし「でも、好きだったらいいじゃないですか」とエキスパートは必ず最後は「持ち上げて」くれる。
キャンドルスタンドの方は意外なヒットで、300ポンド。もともと4脚会ったものを、配偶者氏と弟氏で2脚ずつに分けたが、4脚そろっていたら300ポンドx4とはならず、もっと値打ちは出て1500ポンドぐらいになるとか・・・。弟氏と揉めなければいいが(笑)。
中段右に「受付」が見える、そこに至るまでこのときもまた列・・・また列(左下)。
青天に翻るAR旗はアンティークス・ロードショーの「紋章」。
BBCニュースキャスターの「コワモテ」姐さん、異色の抜擢だったが、この番組ではいつでもリラックスして楽しんでいる感じがほほえましい。これは、番組のラスト、彼女が交通博物館のクラッシックカーに乗って、颯爽と去っていく・・・というシーンの収録。
質より量・・・ウチのQuimper(カンペール、北フランス・ブリタニー製の焼き物)コレクションを持ち込んだが・・・
結果はご想像に任せる(笑)。
エキスパート氏が左手に持っている、これはスペイン製20世紀初頭のボウル。これが一番値打ちがあって100ポンド位。
ヴィクトリア女王下賜のブレスレット。
こんな立派なものは、もちろん我々が持ち込んだのではない。ある女性が昔,道でこれを拾って、警察に届けたが、何ヶ月か後に持ち主が現れなかったため、彼女のものとなったというラッキーな話。エキスパートの鑑定は19世紀にヴィクトリア女王が、側近にプレゼントした、彼女の髪の毛入りの(コンパートメントの蓋が裏面に見える)ゴールドのブレスレットで、評価額4000-6000ポンドというもの。
ストーリーもさることながら、実はこの収録の時に配偶者氏と私はオーナーの後ろで見物していた。「ふーん」と頷いたり「ほほぅ」などと驚いてているのが全部映っていて・・・全イングランドに放映されてしまった(笑)。視ていた知り合いはけっこういるもので・・・しばらく、ずいぶん笑われた。
ここの会場は室内。右上の写真のように・・・壮大な建物の端から端までの列。私が立っているのは中間折り返し地点。この日は最高の人手で3時間越しで並んだ。途中左側にお茶やスナックを売るスタンド有。必要不可欠。
オペラグラスのコレクションを収録中
陶磁器担当デスク:手前からJohn Axford(ジョン・アシュフォード)氏,
David Battie(デヴィット・バティ)氏, Lars Tharp(ラース・サープ)氏
配偶者氏の木製の小さなスツールを評価する、Eric Knowles(エリック・ノールス)氏。
いつも愉快な氏の話術を楽しんでいたら・・・どんな評価だったのか覚えてない・・・(笑)。
いままで、この3回以外にも、カメラを持たずにあと2回参加している。何時間も並ぶとはいえ・・・その途中、前後に並んでいる人達と、持参のアンティークを見せ合ったりして、素人裏ヴァリュエーション・デーとなったりもする。
今回もまた、きっと楽しい日になるに違いない。
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