Mark Brazier-Jones (マーク・ブレイジァ・ジョーンズ)家具展-1-
このブログをご覧の方は、薄々お察しかと思うが・・・私は「古物好き」。モダン、コンテンポラリーには興味が向かない。それは歳のせいなのか、トレンドのせいなのか?
私とて、80年代にはその当時のコンテンポラリー(同時代もの)に熱中していた・・・ニューウェーヴだの、Gothだの、ポストモダンだの、ネオ・クラシックだの・・・(あ、音楽とデザインを混ぜ込んで話しているな・・・)。しかし、時代とともにトレンドは移行して、90年代後半からは「ミニマリズム(最小限主義)」のシンプルでクリアーなデザインの時代。これが、私には全く受け入れられないものの一つ。
悔し紛れに「マキシマリズム(最大限主義)」と勝手に称して、時代とは別の次元で、装飾的なデザインを趣味的に作っていた。
ふふふ・・・それがしかし、時代はまたまた巡ってきて、装飾主義復権の予感の今日この頃。
そんな昨今のトレンドを反映してか、イギリスの伝統をホルマリン漬けにしたようなNational Trust(ナショナル・トラスト)のステート・ハウス(大屋敷)The Vyneで、80年代から活躍しているポスト・モダンの家具デザイナー、Mark Brazier-Jones (マーク・ブレイジァ・ジョーンズ)のエキジビションが開催された。
先日展覧したハンプトンコート・パレスと同時代のチューダー時代に建造のこの屋敷は、パレス同様後年の改造を何度も経た、デコラティヴな内装。そこに、「超デコラティヴ」とも「ネオ・バロック」ともいえる彼の家具が納まると・・・不思議なほど「はまる」。
企画のコンセプトは・・・、18世紀中頃この屋敷を相続したダンディ、John Chute(ジョン・シュート)が、この屋敷に、当時飛び切りトレンディなバロック家具や絵画をコレクションしたのだが、彼が現代に生きていたなら、必ずやブレイジァ・ジョーンズの家具をコレクションに加えたであろう・・・というもの。ナショナル・トラストもなかなか粋なことをやる。
さらに、現場で知って驚いたのは、通常建物の中では撮影禁止のポリシーで来ていたナショナル・トラストが、今年初めて実験的に、フラッシュなし撮影の許可を始めたこと。まったくもって、粋なはからい。
さっそく、ヴィジュアルを展覧してみよう。
このシャンデリアはお見事。美しく嵌っていて、最初気づかなかった・・・。
これは、80年代末か90年代初頭、
大阪のギャラリーで入手したブレイジァ・ジョーンズの小さなブロシュアーをスキャンしたもの。
彼のデザインは、ポストモダンであり、バロックであり、ネオ・クラシックであり、ゴスであり・・・、
そしてなにより、Rockしていた。
これが、会場のThe Vyne(ヴァイン)の庭園に面した裏面。
ハンプトンコート・パレス同様、18世紀のネオ・クラシカル様式に改装されている。
MOUNT CABINET(マウント・キャビネット)
へヴィメタ系キャヴィネットだが、スタッズ風のメタルオーナメントのディティールが効果的・・・。
JABA COUCH(ジャバ・カウチ)
Love or Hate・・・(大好きか大嫌いか)実際にはもっと目に痛いショッキング・ピンク。
座ってもかまわないのだが、「淡い色の服には、色が染まる恐れがあります」の注意書き。
牛腹子毛皮張りなので、染まるというより、抜けた毛が着くのだろう。
SON OF ATLANTIS(サン・オブ・アトランティス)
造型はアルミ鋳型で作られている。彼のクラッシック・デザインの一つ。
BUCKLAND FLYER (バックランド・フライヤー)
重厚なまわりの装飾に負けてはいない存在感。
ARROWBACK CHAIR(アローバック・チェア)
これも彼の80年代ブローシュアーにも現れる、クラシック。
モチーフは、雷神ゼウスか?フリー・メイソンか?
まるで彼のアトリエででもあるかのようなディスプレイ。
SUTRA THRONES (スートラ・ソーンズ)とCHI TABLE (チ・テーブル)
上左・下右:DOLPHINTAIL CHAIR (ドルフィン・テール・チェア)
上右 :PRINCESS CHAIR (プリンセス・チェア)
下左 :PEGASUS CHAIR (ペガサス・チェア)
PEGASUS CHAIR (ペガサス・チェア)、ディーティル
これもアルミ鋳物。バランスのいい造型。
カタログによるとブロンズ鋳物もできるようだが、ブロンズだとずいぶん重くなることだろう・・・。
続く・・・、明日はライティングや燭台、あさってはThe Vyneのイメージ。
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