Monday 16 December 2019

80's Dark Wave revival?(80年代ダーク・ウェーヴ復活?の年)

また、昨年の11月に訪れていたベルギーの街の写真を載せるつもりだったけれど、キリのいいところで、一度今年の自分内ミュージックシーンを振り返ってみようかと。
というか・・・、なぜまた今年は80年代ダーク・ウェーヴの"リヴァイヴァル"ツアー・コンサートがこんなにあったわけ? また復活してきてるのかなぁ。それとも、今まで自分がマメにチェックしてなかったので、気がついてなかったのかなぁ?
いままでなら、年に1回「ソノ手の」コンサートに行くぐらいだったのが、今年はなんやかやで5回行っている。

まずはちょっと前置き。
以前からの標本箱の読者の方は、箱主がオペラを聞きに行くかと思えば、80年代ダークウェーヴ(その昔は、ニューウェーブと呼ばれていたけど、いまさらニューでもないので、いつの頃からかそう呼ばれているらしい)を聞いていることはご存知かと思う。
Goth(ゴス)がメインなんだけれど、ニューロマンティックスやテクノ、パンクもちょこっとかかっている。
基本ブリティシュ・オルタナティヴ・ロックなんだけれど、マイナーチューンのメロディーラインがはっきりしているもの・・・という、奇妙な嗜好があって、ジャンルは意外と実はどうでもよかったりする。ハードロック、ブルース、民族音楽・・・あたりまで範疇に入ってしまうのかも。 (一応、ヴィジュアル・スタイルにも、嗜好はあるのだけれど。)
コンサートに行くのは、コンサートホール型のライヴハウスが限界で、アリーナやスタジアムは人混みが嫌いなので、絶対に行かない。ま、大半がマイナーなバンドだから、別にいいんだけど、仮にThe Cure(ザ・キュア←ゴスといえば・・・)やDuran Duran(デュラン・デュラン←意外と曲が好きだったりする・・・笑)などのコンサートがあったとしても、メジャー系なので、アリーナなので、これは行くことはない。
で、ブリクストン・アカデミー、ハマースミス・アポロ、シェパーズブッシュ・エンパイア・・・あたりのホールに、一人でひょこっと行っては、終わり次第そそくさと帰ってくる・・・を、繰り返しているのだった。

話は、昨年のちょうど今頃12月9日、我がミューズPeter Murphy(ピーター・マーフィー)のコンサトーにBrixton Academy(ブリクストン・アカデミー)に行ったのが始まりといえば、始まり。(その時の話は<このページに>)。

その後今年の最初のコンサートは、
ミューズの一人、リサ・ジェラードの
DCD(Dead Can Dance/デッド・カン・ダンス)


(Instagramからの貼り込みで。複数ページ入っているので、
左にスワイプして繰ってください。
1分までのヴィデオが入っているので、音量注意ですよ。)
5月4日Hammersmith Apollo(ハマースミス・アポロ)にて。
前回見たのは2012年、7年前(標本箱は<このページ>)
麗しのLisa Gerrard(リサ・ジェラード)が、
たいそうふくよかになってしまって驚いたけど、
声の方は衰えなし。
相変わらずの、巫女さんのような神秘性を醸し出している。



1988年のオランダTVの
ドキュメンタリー・インタヴューを見つけたのでエンベッド。
(英語にオランダ語のキャプション)
昔の方が一段と人間離れした(?)雰囲気のリサ・ジェラード。


DCDではなくて、リサ・ジェラードとHans Zimmer(ハンス・ジマー)のコラボだけれど、
多分・・・この曲が一番有名なんじゃないかな。
2000年のGladiator(グラディエーター)のエンディングの、
「Now We Are Free」

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ちょっとここで、イギリスのコンサート・ホール事情を、自分の覚書きとしても書いておこうかと。なので、興味のない方はこのブロックをスルーしてね。

上記のDCDのハマースミス・アポロのコンサートは、クラッシックコンサート的にSeated(席が決まっている)だった。
それでも、クラシックなどと違うのは、下のバーでドリンクを買って席で飲んでもいいので、みんな頻繁に席を立ってウロウロしている(ヴィデオとってたら、これがちょっとウザい・・・笑)。
でも、こういうのはまれな方で、大抵はスタンディング(立ち席)で、2-3階に席がある場合も、単に2階/3階エリアというふうにしてチケットは販売されていて、席は決まってなくて早いもの勝ちな場合が多い。
なので、チケットを直前に買っても「いい席が残ってない」ということはないのだけれど、前の方で見たかったら、当日ホール前で延々並ぶのだった。

コンサートの時間スケジュールはほぼ決まっていて、7時ドア・オープン。 7時半~8時頃にOpening Act(オープニング・アクト)のサポート・バンド(日本でいうところの「前座」)が演奏開始で、だいたい45分ぐらい演っている。
その後、機材のセッティングを総替えして、9時にメインのバンドが演奏開始。だいたい1時間ちょっとのパフォーマンス。
で、一回backstage(楽屋)に引いてから、アンコールもすべて予定に組み込まれていて、2回アンコールで出て、10時半には完全に終了する。

そこで、最前列を確保したかったら(他の若手の人気バンドはこんなふうには行かないと思うけど、オーディエンス50代メインの、オルタナティヴ系のバンドの場合)、5時半~6時前にホール前に並び始める。
屋根のない歩道で並んでいるので、雨が降ったら悲惨。DCDは席があったのになぜだか(忘れたけど)ホール前に延々並ばされて、ひどいにわか雨が来て、ホール側がビニール雨具を配るという事態になった。(私はちゃんと傘持参。)
O2系列のホール(LondonのBrixton Academy、 Kentish Town Forum、 Shepherd's Bush Empire)だと、スマホがO2の人は「Priority ticket (優先チケット)」なるものが買えて(値段が高いのかどうかは、O2でないので知らない)、この時に「Priority ticket」の方の列に並ぶ。
ドア・オープンの7時頃には、たいてい列は200人ぐらいに延びていて、ドアがオープンしたら「Priority ticket」の列から入っていく。

ドアを入ると、コンサート・テロが色々あったために、セキュリティーチェックがある。
バッグを開けて見せて、金属探知機で体の前後をスキャンされることもある(これはO2系だったかな・・・)。
危険物は持ってないとして、他に問題になるのが、カメラ。大抵のホール、はスマホ/チビカメで写真・ヴィデオはOK。ズーム付のガンレフ(ミラーレス含)は不可。 DCDの時は確かミラーレス持ち込んで(引っかからなくて)、上階の席でこっそり撮ってたと思うけど、Peter Murphyのときは、「ミラーレスはバッグに入れとけ、出したら退場やぞ」と脅された。実際ガンレフ出して、(大混雑の最前線から)セキュリティに引きずり出されているおぢさんがいたので、これはマジである。
カメラの次は、水。これはエアラインのセキュリティと同じ理由で、水を装った爆弾を防ぐため。
大抵は入口のゴミ箱に捨てさされる。Campden/Chalk FarmのRoundhouse(ラウンドハウス)は、ミネラル・ウォーターの蓋を捨てたら、ボトルは持ち込み可。
もちろんホール中にバーがあるので、水なんかいらないわけだけれど、私はアルコールを飲まない、ひどい水飲みなので、ちょっと困る。そして、一人で来ていて、最前列とか確保してたら、その場を空けにくいわけで、やむなく2時間近く水なしでガマンする。
メインのバンドが入って、盛り上がってくると、たいていステージ前にフェンスで作られている「緩衝空間」をスタッフが行き来して、前線のオーディエンスに紙コップ入りの水を何度も配る。脱水失神する人が出るからじゃないかな。 私はこれを厚かましく何度ももらって、1リットルぐらい水を補給する。

こうやってセキュリティもクリアしてホールに入って、ステージ前にたどり着く。
「ヤル気」の時は6時前から並んで最前列確保。この場合、オープニングアクトがいかにしょうもなくても、いかにうるさくても、無の境地で1時間をやり過ごし、山のごとく不動。
そんなにヤル気でない時は、オープニングアクトのバンドは、たいてい興味ないので、8時半頃に入ってウダウダしながら、オープニングアクトが終わりかけの頃に、じわじわステージににじり寄っていく。
オープニングアクトの後の機材入れ替えの時に、オーディエンスも飲みに行ったりして動くので、そこでまたじわじわ前ににじり寄る。
私の場合、チビなおばさんひとりなので、で、モバイル振りかざして背伸びして撮ってたりしたら、メインの演奏の真っ最中でも「ここにお入り」と、よくごついおっちゃん、おバチャンらが前に入れてくれたりする。そんなこんなで、だいたい5列目あたりまでたどり着いている。ひとえに、心優しきオーディエンスの皆さんのおかげです、ありがとう(笑)。

覚書はこれぐらいで、話は9月に。

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活動していることすら知らなかった、
Sisters of Mercy(シスターズ・オブ・マーシー)、
っていうか、ワンマンおぢさんのAndrew Eldritch 。
Sisters of Mercyとしての、ワールドツァー用に新結成した感あり。
ロンドンはCampden/Chalk Farmの
Roundhouse(ラウンドハウス)で9月21日のコンサート。


カヴァー写真は、レトロ・フィーチャリスティックな、
ラウンドホールの天井。これもInstagramからの貼り込みで、
複数ページ入っているので、左にスワイプです。
鬼ノイズの前座に耐えて最前列確保してたけれど、
スモークたきまくりで、スマホのフォーカスが合わず、
写真・ヴィデオは少ないめ。
撮影に耐えずの自覚があるので、
煙幕はっているのか・・・という疑念も(笑)。


まぁ、内容的にもエルドリッチ氏、
そもそも歌がうまいわけでもなくて
(声が低くて好みだけれど)、
独特のスタイルとカリスマ性があっただけで・・・、
それでそのまま35年以上たったら、
ちょっと痛いものあるわこれは(笑)。


そのカリスマ性の極み1985年頃の、ドイツのTVショウ。
その昔エルドリッチ氏と左の(後述の)Wayne Hussey
(ウェイン・ハッシー← カナ表記「ハッセー」かな?)のスタイル
結構まねしてたら、「スナフキン」といわれた・・・(笑)。


エルドリッチ氏の性格の問題(←ひとことで言えば)で、
バンドは分裂、1987年にはPatricia Morrison
(パトリシア・モリソン)が参加して、
もっとハードロック系に寄っていく・・・、
あたりで、私はあまり聞かなくなってしまったかな。

ちなみにこのパトリシア嬢と、Siouxsie Sioux(スージー・スー)が、
元祖ゴスの女性スタイルを作ったようなもの。
(私はメンズ・スタイルなので、やりませんでしたが。)

このツアー用結成のシスターズ、
来年もワールドツアーするのだけれど(UKチケットは<このページ>)、
ロンドンは入ってない。収益率悪いってことやね。


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3週後の10月12日は、同じRoundhouseで、
Psychedelic Furs(サイケデリック・ファーズ)のコンサート。
実はシスターズの時に、ファーズのコンサートを知って、
チケットを入手した次第。


(これも、左にスワイプです。)
なんとなく聞きやすくて、通勤通学のお供だった、ファーズ
(「ウォークマン」で聞いていた ← 若い人は知るまい)。
こちらもRichard Butler(リチャード・バトラー)の、
ちょっとしゃがれた声がお気に入り。

今でも定期的にツアーを演っているらしくて、
歌は上手いわー、全然衰えず。
昔から身のこなしが(ゲイじゃないのに)、
「オバチャン」っぽいんだけど、
それが歳のせいだか、一段と強化。
でもま、この人のキャラはチャラ男系なので、
それはそれで微笑ましかったりする。

自分内ベストの2曲を、エンベッドで。


Heaven(1984)


Sister Europe(1980)

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そして、その翌週10月18日は、
ウエストエンドのThe London Palladium(ロンドン・パラディアム)で、
Midge Euro(ミッジ・ユーロ)のコンサート。
多分この中では一番メジャーなシンガーかと。


(左にスワイプです。)
彼の在籍したバンド、Ultravox(ウルトラヴォックス
がメインなんだけれど、その前に関わっていた
Visage(ヴィサージュ)の曲も最初に少し。
ちょっと長くなりそうなので、左書きにして・・・、
Steve Strange(スティーヴ・ストレンジ)が生きていたら、合流するんだろうけれど2015年に亡くなっているので、それも叶わず、しかし、オープニングアクトで、もうひとりのメンバーだったRusty Egan(ラスティ・イーガン)が登場。
シンセ機材を一人で駆使して・・・演奏・・・というよりは、この人、実はコメディアン並におもろいおっちゃんで、ほとんどStand-up comedy(スタンダアップ・コメディ=漫談)。ヴィサージュ当初の経緯などをお笑いにしては、ちょこっと演奏が入る。
「ウチらのクラブに、それもデヴィッド・ボウイが来て、ヴィデオに出てくれ言われましてんがな~」みたいな感じ(笑)。(<このヴィデオ>の話ね。)
当時、カッコカマシまくりのヴィサージュの、オリジナルメンバーなだけに、その落差がよけいに可笑しい。

で、ミッジ・ユーロの方は、演奏も全く昔のまま。身のこなしも(この中では最年長なのに)若々しくて、コア筋鍛えてるわきっと、この人(笑)。
昔から、声がちょっと高いのが私的には難なんだけど、曲の構成のセンスが素晴らしいのに、感嘆していた。
これって、絵でいうなら、デッサンをアートスクールで叩き込まれた世代のアーティストと、デッサンはアートに不要となってしまった時代のアーティストの違いとでもいえるかもしれない。
基本のメロディーラインに、そこから展開していって一曲を構築できるソングライターと、そんなことは不要になってしまった(ので、つまりは出来ない)、ソングライターの違い。そのボーダーラインが、ヴィジュアル・アートでも、ミュージック・シーンでも90年代あたりにあるような気がする。(あ、80年代でもパンクは除く・・・あれは何もできん。笑)
で、ここに出てきたミュージシャンはすべて、90年代以前、つまり、メロディーで具象デッサンのできる人達と、自分的には解釈している。


ほとんどクラシック、な、1980年の「Vienna」。


1984年のライヴかな?「Hymn」
今回のコンサートでも、このあたりは大合唱でした。
(大声で歌いすぎて声枯れたわ・・・笑)

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この他にも、この頃、Damned(ダムド)とか、
Adam Ant(アダム・アント)のコンサートもあった。
ダムドは、その昔Dave Vanianを、
スタイル的には真似してたけど、(<Eloise>の頃ね。)
この一曲(それも60年代の曲のカヴァー)しか特に知らない、
パンクバンドなので、さすがに行かなかった。
アダム・アントもねぇ・・・、
ちょっとキッチュなのでパスでした。

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そして、今年最後のコンサートが、11月5日、
ミュージック・バーNambucca(ナンブッカ)での、
シスターズで前述の、Wayne Hussey(ウェイン・ハッシー)の
Salad Daze出版記念コンサート。


(左にスワイプです。)
この人も、Dead or Aliveから、Sisters of Mercy、
その後自分がフロントマンのThe Missionと、
様々な80年代オルタナティヴ・ダークウェーヴ・シーンに
参画してきたミュージシャンで、
そのあたりの色々な話で、今年この本を出版した。
来年は本格的にThe Missionの方でツアーがあるけれど、
今年は個人で、小さなライブハウスで、
本の広報ツアーをしている。
会場が小さいので、手の届くような距離でのライブは臨場感満点。
大概酔っ払って、めちゃくちゃ音痴のオーディエンスを、
「あかん、もっとちゃんと歌わな。もう一回っ‼」と、
逆にからかいながらのライブが可笑しくて楽しい。
ええおっちゃんやね、ウェイン・ハッシー。
この調子だと、この人一晩でもギター抱えて、
歌ってそうなイキオイだった。


「Wasteland」1987年


「Severina」同じく1987年のライヴ。

来年The Missionのツアー、ロンドンは5月2-3日にShepher’s Bush,Empire(シェパーズ・ブッシュ、エンパイア)で。(チケットは<このページ>から。)

その前に、3月17日は、ちょっとジャンルが違ってアイリッシュ・フォークの、Clannad(クラナド)の「最後のコンサート」がThe London Palladiumで。(チケットは<このページ>から。)
ちなみに、Enya(エンヤ)の(実の)お兄ちゃんお姉ちゃんのバンド。エンヤもソロで活動を始める前は、クラナドで活動していた。

そして4月20日は、えらいことですがな・・・、ミューズPeter Murphy(ピーター・マーフィー)が、オリジナルBauhaus(バウハウス)再結成して、ロンドンは、Alexandra Palace(アレクサンドラ・パレス)でコンサート。
チケットは、明後日12月19日(木)午前10時<このページ>で発売開始。
立ってたら腰痛い・・・とか言ってられなくて、来年もコンサートホール通いになりそうな予感。
ミュージシャンじゃないけど、オーディエンスも体鍛えなきゃ・・・。

あ、次回はまた、ベルギーの街の話を。









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