Sunday, 1 December 2019

MULUM - Musée Liégeois du Luminaire - (リエージュ照明博物館)

今回もまた、ベルギーの街、Liege(リエージュ)から、Musée Liégeois du Luminaire (リエージュ照明博物館)のイメージを。

このミュージアムは、アンティーク・ライティングのコレクター、Philippe Deitz(フィリップ・デッツ)氏の、15歳のとき以来のコレクションである、様々なタイプの照明器具600点以上を展示したミュージアムで、フィリップ氏自ら、いろいろな解説をして案内してもらえる。 とはいうものの、英語はあんまりお得意じゃなくて、話はそんなに長いわけではなかったけれど、フランス語だったら・・・かなり話が長そう(笑)。
それでも、オイルランプの構造とか、ここで初めて知ったことも多くて、なかなかタメになる博物館だった。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
エントランスを入ってすぐのエリアには、
オイルランプの色々なタイプのものが展示されている。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
まずここで、オイルランプの解説を受ける。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
まずは、古代のローマ時代のランプ。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
で、これは初期16世紀のヒマラヤ地方のランプだけれど、
古代のランプは、だいたい似たようなものと考えられる。
植物性/動物性のオイルに、苔やファイバーを入れて、
滲み込ませて、そこに火を付ける。

このような「古代」型のランプが、
最初の2枚のような、「近代的」な形のランプになっていく。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
ここで見られるのは、その過渡期的な構造で、
主に中近東やインド、アジアで使われていたもの。

共通しているのは、オイルを溜める部分と、火を灯す部分の高さがほとんど同じであるということ。
これは、植物性/動物性のオイルの浸透圧が強くないため、そうならざるを得なかったから。
18世紀ヨーロッパで、明度が高くて実用的な(そして、往々にして装飾的な)ランプが開発されるが、その時のポイントは、芯を大きくして火力(明度)を増す、ガラスのケース(ホヤ)を付けて火を安定させるとともに、どうやってオイルを、その芯に送り出すか、ということがまず最初の課題となる。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
18世紀後半に、Argand lamp(アーガンド・ランプ)が発明される。
(フランスでは、この型を普及させた人の名前をとって、
Quinquet=クィンケと呼ばれているそう。)
これは、オイル壺の部分を、芯の部分より上に付けて、重力でオイルを芯に送り込む設計になっている。
また、その芯はチューブ状に織られた布で、6-10カンデラの明度があるので、蝋燭の火(約1カンデラ)の6-10倍明るいランプということになる。
このアーガンド型にも問題があって、高い部分にオイル壺があるので、重心が不安定なこと(なので、オイル壺の容量が小さい)と、オイル壺が大きな影を落とすため、全方向使用には向かないということ。
そこで、なんとか・・・、オイル壺を芯+ホヤの下に持ってくるデザイン/構造が考案される。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
それがCarcel lamp(カーセル/英、カルセル/仏)ランプ。
これは、時計じかけのピストンをオイル壺の中に組み込んで、オイルを芯に送り込むというもので、1800年にパリで特許が取られた。オイル壺に時計巻用の穴があいているのが、このタイプのランプの見分け方。
アーガンド型より、容量の大きなオイル壺を下部に組み込んでいるため、最高16時間オイルを継ぎ足さずに、ランプをともし続けることができるというもの。
これにもまた欠点はあって、複雑な構造のため、高価なもので一部の富裕層しか購入できなかった、また、故障しやすく、(主にヨーロッパの)製造メーカーに修理に出す必要が生じるということ。これでは、アメリカでは普及できないよね。
MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
次に1837年に発明されたのが、Moderator lamp(モデレーター・ランプ)。
オイル壺の中に、スプリング式になったピストンを入れて、圧力をかけて、オイルを押し上げる構造になっている。
丸い円盤の芯の調節ネジの反対側に、内部のピストンを調整する、装飾的なネジがついていることで、このタイプのランプが見分けられる。この写真では、棚の上の右左端と中央のもので、それ以外はオイル壺に時計巻穴のある、カーセル・ランプ。
前述のカーセル・ランプよりは、シンプルな構造なので、故障も少なくて、コスト・パフォーマンスもいいので、当時の灯台にもこのメカニズムが使われた。
このモデレーター・ランプにも欠点はあって、一晩のうちに何度もネジを巻いてオイルを押し上げる必要がある。そうしないと、ランプ芯が焦げていってしまうそう。
MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
この一角に展示されているのもモデレーター・ランプ。

これらのランプの様々な、発明・工夫は、ひとえに当時主に使われていたランプ・オイルが、 rapeseed/colza oil(菜種油)だったためで、他の動物/植物油と同様に、粘度が高く、芯の火口まで浸透していかないからだった。
ところが、19世紀の中頃に、このオイル自体が、石油から新開発されたkerosene/paraffin(ケロシン/パラフィン=灯油)に取って代わられる。この鉱物油は、粘度が低く浸透圧が高いため、今までのような特別な構造無しで、高い部分にある芯の火口までオイルが浸透していく。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
色々なタイプ。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
一番下の段では、明度を上げるため開発された、
様々なオイル芯が展示されている。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
このキャビネットでは、ガス灯が解説されている。

と、まぁ・・・オタッキーな内容なんだけれど、
この博物館の収蔵展示の様子も、かなりオタッキー。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
こんな感じで、収蔵品に埋め尽くされた空間。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege


MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege


MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
交通機関用のランタン。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
街灯。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
教会関連・・・の中には、燭台も含まれている。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
そして、キャンドルも。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
オイル/ガス・ランプの解説キャビネットが延々続く。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
その後に、電気ライトの解説がまた続く・・・、
のだけれど、このあたりでもう、
解説を類推していく(英語じゃないのでね・・・)集中力が途絶える。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
最後の資料閲覧スペース・・・のような一角を覗いてみた。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
オイルのシャンデリア。

MULUM (Musée Liégeois du Luminaire), Liege
最後に外観を。
右に連なる建物の、一番奥がミュージアム。



ベルギーのTVで取り上げられていたミュージアム。
フィリップ・デッツ氏のもちろん登場しております。
(リエージュは仏語圏なので、仏語の番組で、
フレミッシュ(オランダ語)のテロップが付く。)




MULUM - Musée Liégeois du Luminaire -
(リエージュ照明博物館)



map:











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