Monday 11 November 2019

Curtius Museum, Liege(クルティウス博物館、リエージュ)

近頃全く時間が足りなくて、写真の整理もポストプロセスも溜まりっぱなし、そして、標本箱更新も甚だ疎らなことに。
少しずつでも、以前の習慣を取り戻したいと、ささやかな努力中です。
今回は、ちょうど2年前(そして昨年も)ペーターおじさんのアートフェアの撮影とアテンドで滞在していた、ナミュールから訪れた、西に50km出たところにある街、リエージュのイメージを。
その昔、滞在ダイジェストとして載せたことがあるけれども(<このページ>)、博物館自体をフィーチャーしたエントリーはまだだったので、ちょうどこの時期、くっらーい雨がちのお天気には、やはり同じくっらーい雨がちのお天気の日の写真を・・・ということで、いろいろ載せてみることに。
(一気に詰め込んだので、ちょっと長々しい標本箱に。)

このCurtius Museum(クルティウス博物館)の建物は、16世紀の富裕商人Jean Curtiusが、一族のために建てたパレス。
スペイン領下で、火薬を、スペイン軍に独占納入していたという、いわば「死の商人」なんだけれども、莫大な富を築いて、この壮大な建物をMeuse(ムーズ)川に面して建造した。

Curtius Museum - LE GRAND CURTIUS
2009年に改装新オープンしたミュージアムは、
リェージュの歴史博物館として、
美術工芸品を収蔵展示している。

Curtius Museum - LE GRAND CURTIUS
コートヤードを隔てた、新築のエントランス。
リエージュ司教領の首都がこの街だったので、
キリスト教文化の中心地だったこともあり、
この博物館の最大の収蔵品は、宗教美術関連のもの。
(街としても、ナミュールより大きい、
ベルギー第5の都市なのだそう。)

考古学博物館も兼ねているので、
ローマ時代の出土品・・・などというところから、
展示は始まるけれど、もう少し面白くなってきたところからの抜粋で。

Curtius Museum, Liege
チャーミングな聖母子
15世紀ぐらいのものだろうか。
詳細は記録してこなかったので、
私の適当、類推のキャプションで、
イメージをどんどん行きますよ。

Curtius Museum, Liege
これは上よりもう少し古い感じの聖母子。
これもとても愛らしい。

Curtius Museum, Liege


Curtius Museum, Liege
象牙彫の中世末期の聖母子。

Curtius Museum, Liege


Curtius Museum, Liege
司教のコスチュームの聖人さん達は、
リェージュの聖人さん、聖ランベルトゥスか、聖フーベルトゥスかと。

Curtius Museum, Liege
こんな感じで、展示室が延々続く。
この段階で、最初思っていたのより、
ずっと収蔵量の多い博物館なんだということが、
だんだん詳らかになる。

Curtius Museum, Liege
13世紀頃かな?の写本装飾カヴァー。
中央はアイボリーのレリーフで、周囲はエナメル製。
中世のエナメル装飾物は、たいていフランスのLimoges(リモージュ)製なので、
多分これもそうかと。

Curtius Museum, Liege
家具や絵画も収蔵されている。
このあたりはもっと時代が下って、17世紀頃。

Curtius Museum, Liege
これはアイボリーではなくて、17世紀のアラバスター彫り。
何度か滞在したことのある、ベルギーのMechelen(メヘレン)製。
アラバスター彫りの産地だったそうで、
大聖堂の装飾レリーフ彫りも見事なものだった。
(標本箱は<このページに>。)

Curtius Museum, Liege
順路順に行くと、時代は一気に18-19世紀に下って、
(部屋も19世紀初頭の、インペリアル・スタイルなので)
地域で生産されていたセラミックのコレクション。
何焼きというのかは、記録してこなかったら、
調べがつかなくなってしまった・・・。

Curtius Museum, Liege
同時代の時計のコレクションと一緒に展示されている。

Curtius Museum, Liege
この街出身のヴァイオリニスト/作曲家、
Eugène-Auguste Ysaÿe(ウジェーヌ=オーギュスト・イザイ)の書斎。

Curtius Museum, Liege
20世紀初頭のインテリアを再現している。

Curtius Museum, Liege
で、また、18世紀以降の宗教美術に展示のテーマは戻って・・・、

Curtius Museum, Liege


Curtius Museum, Liege
そして再び、聖遺物のお宝が続々。

Curtius Museum, Liege
モンストランスと呼ばれるフォルムの聖遺物容器。

Curtius Museum, Liege
ディティールは、ジュエリーに匹敵する豪華さ。

Curtius Museum, Liege


Curtius Museum, Liege
うん、ボトルアートに繋がるものがある・・・。

Curtius Museum, Liege
こういう聖遺物のフォルム、イメージが好きで、
自分でも作り始めてしまった次第。
アートオブジェのEtsyショップ

Curtius Museum, Liege
ゴシック教会のようなフォルムの聖遺物容器。

Curtius Museum, Liege
その先の展示室では、こんな大仰なことに。
様式的にはバロックだけれど、
天使の表情から、19世紀に制作されたものじゃなかと思う。

Curtius Museum, Liege
その先、上階の展示室に上がると、
また時代をさかのぼって、
宗教関連の美術工芸品の展示がぎっしり。

Curtius Museum, Liege
17世紀頃(?)の聖遺物容器。

Curtius Museum, Liege
聖遺物を収めた、アルター・クロス。

Curtius Museum, Liege
聖なんとか・・・って書いてあるけれど、調べがつかない。
St. Teratii と書かれているように見えるけれど、
そんな名前/聖人さんは聞いたことがない。
(Googleさんも知らなかった)
コスチュームから、司教さんであったことは確か。

Curtius Museum, Liege
ゴルゴダ磔刑を、シンボリズムで表現した、3Dオブジェ。
(と、呼んでしまっていいのかな、特別な呼称があるかもしれないけど。)

Curtius Museum, Liege
このクラウンは、マリア母さまの像を飾るものだったのかな。

Curtius Museum, Liege
ワックス・ドールの聖母子像。

Curtius Museum, Liege
切り紙の聖家族。
この辺は、フォーク・アートのジャンルに入ってきている。
多分、どこかの修道女さん達が手仕事で制作して、
教会の基金のために販売していたもの。

Curtius Museum, Liege
同じく切り絵手工芸の、
聖オーガスタスと聖クリストフル。

Curtius Museum, Liege
聖王ルイのセラミック像。

Curtius Museum, Liege
18世紀的多彩色の聖母子。

Curtius Museum, Liege
そのあと、グラウンド・フロアに降りて、
これで見終わったかと思ったら・・・、
その先にまだ「ガラス館」があるということで、
ガラスもの好きとしては、これを見逃すわけにはいかない。
「ガラス館」への廊下にある中庭に面した、ステンドグラス。

Curtius Museum, Liege
「ガラス館」展示室。

Curtius Museum, Liege
16-17世紀(かな?)の水差し。
この感じはボヘミアン・ガラスっぽい。

Curtius Museum, Liege
こういうペンチで挟んだ、ヒレのような装飾が付くのは、
ヴェネチアン・ガラスの手法。

Curtius Museum, Liege
これもヴェネチアン。
マーブル状の金箔が綺麗ー。

Curtius Museum, Liege
エングレーヴィング・ガラス。
婚礼記念に花嫁に贈られたものかと。

Curtius Museum, Liege
ヘタウマ・チャーミングな、着彩の天使。

Curtius Museum, Liege
ギリシャ神話のヘラクレス(右)?
なんだと思うけれど、ヘタウマすぎで判別つかず(笑)。

Curtius Museum, Liege
これも素朴だけれど、チャーミング。

Curtius Museum, Liege
豪華な着彩。これはもう19世紀ぐらいなんだろうか。

Curtius Museum, Liege
収蔵品の最後は、びっくり顔のマリア母さま。

Curtius Museum, Liege
これが、ミュージアムの入り口です。




Curtius Museum(クルティウス博物館)
開館情報等は英文で<このページ>に。

Map:



*************************

by KotomiCreations


Etsy     Contrado     Flickr     Instagram



KotomiCreations - Contrado shop item detail
(デジタル・プリント雑貨 - コントラド・アイテム詳細)
Page1, Page2


Labels: