Tuesday 11 June 2019

Sint-Janshospitaal, Bruges(聖ヨハネ施療院ミュージアム、ブルージュ)-1-

昨年の7月に訪れていた、ベルギーの美街、Bruges(ブルージュ)から引き続きで、Sint-Janshospitaal(聖ヨハネ施療院ミュージアム)のイメージを。
このミュージアムは、12世紀建造の施療院(病院兼巡礼者用の宿泊施設)で、修道院も併設されていた。
19世紀には8病棟が増設されて、1977年まで病院として機能していた。近代的な設備の病院、セント・ピータースに病院機能が移行した後は、ブリュージュ市が購入して、ハンス・メムリング博物館として公開されている。

Sint-Janshospitaal
まずは、そのエントランス正面。
前々回までうろついていた、街の北東エリアから
位置的には、駅寄りの街の中心部に戻ってきている。
付属教会だった建物が、このエントランス部分になっている。

Sint-Janshospitaal
きれいなファサード。

メムリング博物館の部分は、
あまりインテリア的には撮っていなくて、
お宝のクローズアップばかり。

Sint-Janshospitaal
まずはこれ、ここの最大のお宝という話の、
The reliquary of Saint Ursula, Hans Memling
聖ウルスラの聖遺物箱
1489年制作。
メインの、1万1千人(!!)の乙女との殉教シーン。
聖ウルスラ伝説Wiki.jpは、<このページ>。
ゴシック建築を模した、華麗なデザイン。

Sint-Janshospitaal
その後面は、ストーリーがさかのぼって、
ローマに向かい教皇と対面するシーン。

Sint-Janshospitaal
側面に描かれた聖ウルスラ。
で、この聖遺物箱には聖ウルスラの聖遺物が、
収められているそう。
しかし、聖ウルスラの存在は信憑性がないため、
20世紀には聖人暦からも外されているので・・・、
じゃぁ、収められているのは一体何なんだろうか?(笑)

Sint-Janshospitaal
こちらも聖ウルスラの聖遺物箱なんだけれど、
Little Ursula Shrine (小ウルスラ聖遺物箱)と呼ばれている。
15世紀初期の制作で、その素朴な表現から、
修道士の手になるものかと考えられている。
ここに収められていた聖ウルスラの聖遺物は、
15世紀末期に上記のメムリングのパネルの、
聖遺物箱が完成した後は、そちらに移されたのだそう。

Sint-Janshospitaal
その裏面。
この箱も味わい深くていい感じ。

Sint-Janshospitaal
メムリングのTriptych of St John the Baptist and St John the Evangelist
(洗礼者ヨハネと伝道者ヨハネのトリプティク)1479年
この付属教会の祭壇画としてメムリングに発注されたもの。
ここの守護聖人聖ヨハネを描いたもの。
ところで、実際にはどちらのヨハネさんなんだろうか?
両方ということになっているから、
ここにも両方描かれているのだろうか?
中央はMystical marriage(神秘の婚姻)のテーマで、
聖カテリナに結婚指輪を手渡す、
ベィビー・ジーザスが描かれている。

中央パネル右側の伝道者ヨハネの、
肩の後ろに見える風景には、
大きなクレーンが描かれている。
これはブルージュに水路で持ち込まれるワインを、
船から荷降ろしするためのもの。
で、ワインの関税が課されるのだけれど、
それはこの聖ヨハネ施療院の収入源だったそう。
それで、この祭壇画も発注できたということなんだな、なるほど。

Sint-Janshospitaal
右側、伝道者ヨハネの方のパネルの、
ヨハネの黙示録の表現がシュールだったので、
クローズアップで。

Sint-Janshospitaal
メムリング、Jan Floreins Altarpiece(ヤン・フロレインスの祭壇画)1479年。
修道士ヤン・フロレインスのために制作された祭壇画。
三王礼拝が描かれている。
その左に臨席しているのが、この祭壇画の発注者ヤン・フロレインスかと。

Sint-Janshospitaal
メムリング、Adriaan Reins Altarpiece(アドリアーン・レインスの祭壇画)1480年。
修道士アドリアーン・レインスのために制作された祭壇画、キリストの降下。
左パネルに発注者修道士アドリアーン・レインスが描かれている。
彼をとりなすのは、同名の聖アドリアノ

Sint-Janshospitaal
メムリング、 Diptych of Maarten van Nieuwenhove
(マールテン・ファン・ニーウウェンホーフェのディプティーク) 1487年。
サインはないものの、ずっとメムリングの作とされてきたそう。
寄進者の名前マールテンから、彼の頭の横のステンドグラスには、
聖マーティンが描かれている。
聖母マリア側には、彼の紋章がステンドグラスになっている。

Sint-Janshospitaal
Jacob the Elder Van Oost, 1637年、
「Our Lady surrounded by saints(聖人に取り巻かれる聖母)」。
サイド・チャペルの一つがそのまま残されていて、
なので、この祭壇画はメムリングじゃないけれど・・・。

Sint-Janshospitaal
壁面に残る聖母子。

Sint-Janshospitaal
資料は見つからなかったけれど、18世紀な感じかな。

Sint-Janshospitaal
ショーケースに収められた聖母子。

Sint-Janshospitaal
残されていた中世壁画の天使君。

Sint-Janshospitaal
彫り物の美しいドア。


順路は付属教会部分から、
次の18世紀の薬局が保存されている建物に移動する。
一度、入ってきた入り口から外に出て、
左側に20mぐらい下がったところにある、
中庭へのパッセージを入っていく。

Sint-Janshospitaal
この建物が、薬局へのエントランス。
この部分の話は、また次回に^^。





Sint-Janshospitaal(聖ヨハネ施療院ミュージアム)
Mariastraat 38, 8000 Brugge, Belgium

開館情報は英文で<このページ>に。

map:







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