Friday 4 May 2018

Ightham Mote (アイタム・モート)-1-

今週の分の雑誌のミニ撮影+取材が終わって、ちょっと一息。
来週はまた、ファッション撮影が入ってきたので、写真の方でまだ慌ただしい日々が続きそう。

今回からは標本箱は久々に、ほんとうに久々にUKに戻ってきて、昨年の6月に訪れたナショナル・トラスト、Ightham Mote(アイタム・モート)のイメージを。

ここはKent(ケント)州にある、堀に囲まれた14世紀由来のマナー・ハウス。
Ighthamというスペリングを、ずっと h を抜かしてIgthamだと思っていたし、そもそもスペリングを見ただけならどう発音するのかよくわからない。 Iの後についている gh は f 音になることが多いけれど(ウチの配偶者氏の姓、Faircloughは、フェアークロフに近いような発音になる)、ここではそれすらもなくて、アイタムと発音される。
で、もう一つ不思議なのが、堀のある屋敷なのだから、Moat(堀)が付いていたらわけがわかりやすいのだけれど、そうではなくてMote・・・(粉塵というような意味)。なぜそう呼ばれるのかは、軽く調べてみただけでは解らずじまい。
とにかく、固有名詞なので「そう呼ぶ」ということでしかないようだ。

ここは、通常お城が建てられるような断崖、絶壁に立っているわけではなくて、逆に谷間の泉のそばに建てられた屋敷。
なので、掘割がかろうじて防御の役割をしているだけで、ほとんど無防備。
ところが、谷間にあまりにひっそり建っているので、市民戦争の時にクロムウェル軍が、ここをを略奪に向かうつもりが、見つけられず、間違えてか悔し紛れか、別の屋敷を襲ったのだという話。
16世紀末にSelby(セルビー)家の所領となり、その後約300年にわたって、同一族の所領だった。19世紀の後半にアメリカ人の鉄道王がここを借りて滞在していた。その折に John Singer Sargent(ジョン・シンガー・サージェント)が滞在して、ここを描いたということでも知られている。
その後も曲折があって、最後のアメリカ人オーナーがここをナショナル・トラストに託して亡くなり、1985年からナショナル・トラストが管理・公開して、現在に至る。

Igtham Mote - National Trust
私達は一番最寄りの(といっても9km位離れている)鉄道駅Sevenoaks(セヴンオークス)から、
タクシーをひらってここにやってきた。
公道上にあるナショナルトラストのサインポストから、
ここの敷地に入って後まだ1km位谷間に下っていく。
レセプション入口を入ってからでも、まだ庭園内をゆるゆる下っていくと、
お屋敷が見え始める。

Igtham Mote - National Trust
右に石造りの橋が写っているけれど、ここは入口ではなくて。
右に回り込んだ方の橋が入口。
まずは左に回りを一周して、外から眺めてみる。

Igtham Mote - National Trust


Igtham Mote - National Trust
窓が古色豊か。

Igtham Mote - National Trust
裏(西)側にも石造りの橋。

Igtham Mote - National Trust
ちょっと覗いてみるけれど、どうやらここは「出口」ということになっている。

Igtham Mote - National Trust
そこからまた堀に沿って回り込んで、この木造の橋が現在の入口。

Igtham Mote - National Trust
中へ向かう。

Igtham Mote - National Trust
ゲートの中は、中世の石畳の残るコートヤード。

Igtham Mote - National Trust
入口側を振り返ってみたところ。
右端の小さな小屋は、犬小屋だったそう。

Igtham Mote - National Trust
屋敷内への入口は、このロマンティクな、
ピンクのバラに囲まれたドアから。

Igtham Mote - National Trust
順路は左へ・・・。

Igtham Mote - National Trust
最初の部屋はGreate Hall(大広間)。
中世に建てられた当初は、暖炉が壁になく
(これは多分チューダー期に付け加えられたもの)、
部屋の真ん中に設けられた囲炉裏のようなもので、
煙は天井にから抜いていただろう・・・というのは、
天上の材木に残るススから確認されているそう。

Igtham Mote - National Trust
壁のパネリングは、ジャコビアン?に見えるけれど、
実際には保温のために、ヴィクトリアン期につけくわえられたもの。

Igtham Mote - National Trust
窓のチューダー・ローズのエンブレムは、
チューダー期のオーナーが王家への忠誠心を示すため、付け加えられた。

Igtham Mote - National Trust
暖炉の上の肖像画も・・・多分エリザベス一世。

Igtham Mote - National Trust
大広間の横の控室を通って・・・、

Igtham Mote - National Trust
次はハウスキーパーの部屋へ。
ハウスキーパーつまり使用人の人達の団欒室。
暖炉が大きくて、古いものなので、元々は地位の高い人、
あるいはゲストのために使われた部屋と考えられている。

Igtham Mote - National Trust


Igtham Mote - National Trust
なかなか居心地のいい部屋。

Igtham Mote - National Trust
そこから先につながる、Butler's Pantry
(バトラーズ・パントリー=執事の食品庫)と呼ばれる部屋。

Igtham Mote - National Trust
食品や食器類を保管・管理する部屋で、
オーヴンがないので、キッチンとして機能していたのではない様子。

Igtham Mote - National Trust
巨大な金庫には、高価な銀器が保管された。

Igtham Mote - National Trust
その先の食器棚。
扉はエントランスの部分に繋がっていて、
デリバリーや使用人の出入り口としても機能している。

Igtham Mote - National Trust
執事さんのコーナー。
19世紀末の頃のオーナーが、この屋敷を公開していたことがある。
その時には、ここがレセプションになって、
執事さんが案内を務めていたのだそう。


まだまだ、続きますよ^^。




Ightham Mote (アイタム・モート)

map:


















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