Dennis Severs' House (デニス・シヴァーズ・ハウス)- 18世紀幻想
今回はまたロンドンの「奇妙な博物館」のイメージ。
博物館というよりは「家」、それも18世紀の幻想に憑り付かれたアメリカ人、Dennis Severs(デニス・シヴァーズ)氏の残した家が公開されている。<ウェブサイトはここ>
トレンディ、Spitz(スピッツ)こと、Spitalfield Market(スピタルフィールド・マーケット)の北側、Flogate Street(フロゲート・ストリート)に建つ、18世紀ジョージアン・テラスドハウス(棟続き家屋)の18番が、その家。
1948年生まれの「現代人」シヴァース氏がロンドンに魅了されて、ここに荒れ果てた家を購入したのが1979年のこと。まだ、その頃この周辺地区自体荒廃したエリアで、やっとボヘミアン気質のアーティスト達が移り住み始めた頃。彼はイギリスのみならず・・・18世紀から19世紀初頭にかけての、のどことなくデカダンスに満ちてアンニュイな「美学」に耽溺していたもののようで、この屋敷を自分の幻想のステージ・セットへと作り上げていく。
ここもまた、写真不可の博物館。シヴァース氏生前は(ここに暮らし、1999年にここで没している)、写真許可されていたらしいが、現在は不可。また、Flickrを検索してみると、ここの広報用の写真等が公開されているので、またしても、借り物画像で構成。
これは私が訪れた時のイメージ。現在でもかなり痛みが激しい建物。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
正面のダイニングルーム。
18世紀にこの界隈に暮らした、裕福なユグノー・シルク商人の家というのが、基盤にある設定。
ディーティールが命。いかに「空気」を再現するか・・・それがシヴァーズ氏の芸術。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
入り口の階段。
「空気」を作り出すために、音響効果も仕掛けられている。
遠くから聞こえるマーケットの物売りの声、石畳を走る馬車の音・・・などなど。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
地下にあるキッチン。暖炉に火が入っていて、いつでも野菜がディスプレイされている。
実際に生前の彼はここで調理して暮らしていたそうだ。
Photo By: trailerfullofpix @Flickr キッチンの表通りに面した窓。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
2階のスモーキング・ルーム。ちょうどホガースの絵のように、飲んで騒いだ後・・・のイメージ。
Photo By : n_murashkin @Flickr
2階の奥の部屋。こちらは、女主人の部屋。
Photo By : George @Flickr
窓辺の光、お茶の香り・・・、すべて演出に含まれている。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
3階の主寝室。ドラマティックなディスプレイ。
Photo By : By Dennis Severs' House @Flickr
サイドから見たところ。
Photo By : tom-jenkins @Flickr
チャイナのディスプレイ。
ジャンク同然の古い物で18世紀「風」の物も、組み合わせて使っている。
Photo By :'John'@Flickr
最上階は使用人家族の部屋の設定。彼らはここで食べて、ここで眠る。
Photo By : n_murashkin @Flickr
シヴァース氏は最上階に暮らした、一家の執事の設定。その仕事机。
Photo By : By Dennis Severs' House
生前のシヴァース氏。
Youtubeで、生前のシヴァース氏のインタヴューを含む1997年のヴィデオを見つけた。
Dennis Severs' House :最寄地下鉄 Liverpool Street駅。
日曜12-4pm(最終入場 3:15pm)入場料£8(予約不要)、月曜12-2pm(最終入場 1:30pm)入場料£5(予約不要)、
月曜6-9pm 入場料£12(要予約)。予約はWebsiteのBooking&Visitingのページから、メールでコンタクト。第二希望日も要提示。(2011年3月現在の情報)
微妙な音響効果も、重要な演出のポイントなので、おしゃべり禁止。静かに環境に浸ってみていただきたい。
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