Hamton Court Flower Show (ハンプトンコート・パレス・フラワーショウ)2011-2-
Hampton Court Palace Flower Show (ハンプトンコート・パレス・フラワーショウ)から2回目。
今回は買い物から離れて、真面目に(?)ショウガーデンのイメージ。
いつものことながら、「昔風」のものが好きなので、目に付いたコテージガーデン。
屋根に芝や野草を植えたり・・・というのは、エコ的でもあるためか、
ショウガーデンで近頃よく見かける。
ハードエッジのものはあまり好きではないのだが・・・、
ソフトな野草系の植物と、スティールのコントラストがきれいに出たイメージ。
これも面白かったのでつい撮ってしまった。「裸の庭」というタイトルで、
クリアのアクリル容器の中で植物が「水栽培」。
どうして薔薇まで「水栽培」出来るのか、まったく謎・・・。
アガパンサスとアジサイで、ブルーと白の組み合わせが爽やか。
「詩人の庭」をテーマにしたショウガーデンの一角で、これは「バイロン卿」。
情熱的で、デカダンでゴージャス・・・いかにもバイロン(笑)。
ここにぜひ、おかけになっていただきたいもの。
人の列が出来ていたので、何かと思って我々も並んでみた。
真っ暗なマーキーの中は「夜の庭」というテーマのショウガーデン。
テラスのダイニングセット。
花の形にガラス(?)で作られたライティングは、不思議な美しさ。
外では燦々と日の照るいいお天気、の、ダイニングガーデン。
野菜やハーブを取り入れた庭、というのも、トレンドの一つ。
これもその例。テーブルに真ん中のポットからハーブをちぎって、
そのまま、サラダに載せて食べよう・・・という感じ。
これは、虫達と仲良くなる庭。
蝶や蜂の好むブットレアを中心に、丸太を束ねたフェンスや、束ねたバンブーでは、
蜂や天道虫が冬越しをするのに最適。
これは「地質学者の庭」的なテーマだったと思うが・・・、
蝶がプラスチックの恐竜が気に入ったようで、ずっとその上で休んでいた。
グラス(草)系のものと、背の高い花が寄せ植え。風にそよぐ感じが、なんともいえずすがすがしい。
パブをテーマにした、ミニ・ショウガーデン。
レトロなイメージは、第二次世界大戦中のHome Guard(ホームガード)の庭。
本国で重要な農業・銀行・教育・鉄道・食料品販売に携わる人々は、軍の徴集から除外されていたのだそうだ。
海峡を挟んだ大陸側がすべてドイツ軍占領下にあって、イギリス本国もドイツ軍の侵略がいつでも起こりえる状況下。
その徴兵から除外された一般市民が、全く自発的に、自由時間に武器を持ち寄り軍事トレーニングを始めた。
日本で言えばさしずめ「竹槍部隊」なのだろうが・・・、そこは「悲壮感」絶無のイギリス、大真面目なのだが、どことなく呑気なユーモアが漂っている。
60年代から70年代にかけての、TVの人気プログラム「Dad's Army」(「父ちゃん部隊」って感じだろうか)も、このホームガードにまつわるコメディ。
日本よりは随分ましだったのだろうが、イギリスでもヨーロッパ大陸からの食料ルートが断たれて、食料が欠乏、配給制度が採られる。耕せる土地は、すべて野菜や食料の栽培に当てられた。
この庭の奥に張られているポスターの、「Dig for Victory」(勝利のために耕そう)がそのスローガン。
他にも有名なのは「Keep calm and carry on」(平常心で日常を続けよう)。
ドイツ軍のミサイル攻撃が続いた南イングランドだそうだが、ロンドンでは、地下深い地下鉄の駅を防空壕代わりに、毎日地下鉄の駅に雑魚寝、毎朝駅から淡々と出勤が続いたとか。「動揺したら、ドイツ軍の思うツボ」意地でも「日常」を保つのが、ロンドンっ子の心意気。
「歴史上敗戦を知らない国」のイギリス人が、いまだに戦争自慢をすると、ちょっと鼻につくが、普通の人々の淡々とした、心に余裕のある平常心ぶりには、とても好感を持つ。
幸い今のところイギリス国内には、物理的な「戦争」という自体は起こっていないわけだが、「不況」や「失業」が現代での「戦争」なのかもしれない。
なので、景気が傾いてきて以来、「Dig for Victory」や「Keep calm and carry on」のメッセージが、再び目に付くようになってきた。それも、ちょっとシニカルなイギリス人特有のユーモアの部分も含めて・・・。
同じくホームガードの庭の、アンダーソン・シェルター(防空壕)。
郊外の家では、庭にトタンとコンクリートでこんな防空壕を作る。
ドイツ軍のロケット攻撃警報が出ると、家族は皆ここに逃げ込む。
そういう歳のうちの配偶者氏などは、よく覚えているらしい。
ホームガードの庭の、納屋の屋根にも植え込み。
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