Medieval re-enactment (中世 リ・エンアクトメント)-1-
以前何回か、ハンプトン・コート・パレスでのイギリス・チューダー時代のコスチューム・イベントを取り上げたことがある。今回は中世のコスチューム・イベントのイメージ。
ハンプトンコートパレスの場合、パレスが主催して、契約スタッフがコスチュームを着て、その時代の人物を演じるという趣向なので「コスチューム・イベント」と呼んでおいた。正式には、パレス関係者の間ではLive interpretation(時代通訳・・・とでもいうか・・・)と呼んでいる。
しかし、今回の中世のイベントは少し趣向が違う。イギリスでは主に「リ・エンアクトメント」と呼び習わされているが、素人の歴史マニア達が、その時代のコスチュームを来てその時代を「生きる」イベント。
聞きかじったところによると、1970年代後半から、歴史的建造物や博物館で、テーマにあった時代のコスチュームを着て解説するスタッフを常駐させ始めたり(これが、Live interpretation)、また、地方のこういった建造物や城の敷地を借りて、歴史マニア達が一種のコスチューム・パーティーとしてイベントを催すことが流行り始めた。英人たちも生活に余裕が出てきて、また「生活史」の発達とともにより史実に基づいた(Authentic、オーセンティックか否か・・・とよく議論されている・・・笑)再現ができるようになった、ということもあるのだろう。
現在ではイギリス最大の中世専門の組織はWars of the Roses Federation(バラ戦争連合)と呼ばれ、その傘下に40以上の地方別グループを持っている。(いくつかのグループは、中世とその後に続くチューダー期など、他の時代にも専門がまたがっている。)
* イギリス史に特に詳しくない方のために簡単に「中世」の定義をいうと・・・、1066年のウィリアム征服王のノルマン王朝開始から、1485年のバラ戦争終了チューダー朝ヘンリー7世の即位までをさすことが一般的。(広義には476年の西ローマ帝国滅亡以降のイギリスのアングロ・サクソン諸王国時代を「初期中世」と称して中世に含める場合もある。)
但し書きはこれ位で・・・イメージいきます。
これは2009年のイースターホリデー(4月)、場所はWarwick Castle(ウォリック城)。ここは現在は蝋人形で有名な、マダム・タッソー系列グループ傘下の会社で、エンターティメントに特化したイベントが「売り」。
このイべントでは、ウォリック城包囲戦下という設定で、包囲軍を演じるリ・エンアクトメントグループ達は城の敷地の中、堀の外にキャンプを張っている。ちなみに、リ・エンアクトメントの皆さんは、実際にこの中世風テントで実際に3日間の会期中キャンプ暮らし。
キャンプ村に近づいていく・・・、
包囲戦下というのは「設定」で、皆さんのんびり楽しんでいる。
「楽しいからどこまでもやってしまう」という、このイギリス人の趣味人ぶりが、私は大好きだ(笑)。
一方こちらは「包囲」されている側の「ウォリック軍」。
こちらも緊迫感は皆無で(笑)、愉快なスタッフ。彼らは城契約のプロの俳優さん達。
こちらも「ウォリック軍」の門衛兵達。
私の「使命」は、この大勢のリ・エンアクトメント参加者の中から、このイベントのことを知らせてくれたジャッキーこと、
レディ・ジャクリーヌと、その夫君サー・ティモシーを探し出すこと・・・。
彼女たちはファーコンバーグ伯のテントにいるとのことなので・・・「ファーコンバーグ伯を知ってる?」と聞いて回る・・・。
やっと見つけたレディ・ジャクリーヌ(右)は・・・、
実は、Kotomiジュエリーのお客様なのだ(笑)。
左は夫君サー・ティモシー(スタンダード旗は・・・氏自身のハンドメイドの力作!!)。
右はウォリック軍役の俳優君。
これはファーコンバーグ伯のテントの中。すべて、中世のリプロダクションの食器が使われている。
レディ・ジャクリーヌ御一行散策に出かける。
こんな風にイべントの会場は、中世人と21世紀ビジターがシュールに混在。
こちらではそろそろ食事の用意・・・。
次回もこのイベントから、「中世の暮らしぶり」にクローズアップしたイメージを中心に・・・。
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