Tuesday 4 December 2018

Ca' d'Oro, Venice(カ・ドーロ、ヴェニス)-1-

グランカナルに面する邸宅の中でも、最も美しいものの一つに数えられている、15世紀建造の邸宅、Ca' d'Oroカ・ドーロ)。
最後のオーナーだった、Giorgio Franchetti (ジョルジョ・フランケッティ)が、その美術コレクションとともに、1922年に国家に寄贈して、1927年以降、美術館として公開されている。
なので、美術館としては 「Galleria Giorgio Franchetti(ジョルジョ・フランケッティ美術館)」と呼ばれている。
ヴェネチアンと、フレミッシュのルネッサンス絵画が中心の、コレクションを見るというのも、目的のひとつなんだけれど、それ以上に、この屋敷をぜひ内側からみてみたい・・・というのも、ポイント高し。

Venice - Town
グランカナルを走る水上バスから、
かろうじて撮れた外観がこれ。

Ca' d'Oro facciata
もうちょっと説明的にわかりやすいイメージをwikiから借りてきた。
Ca' d'Oro(カ・ドーロ)というのは「黄金の館」の意味で、
もともとは金張りど多彩色で彩られていたのだとか。
大理石自体でも、色大理石が使われているせいか、
彩色はなくてもかすかに色のコントラストが出ている。
うん、いや、これぐらいの方が上品な感じで、いいのではないだろうか。
この、ゴシック様式がヴェニスの典型で、
これだけゴシック様式の建造物が、
現役で軒並みゴロゴロしているのは、
ヨーロッパでも、ヴェニスぐらいではないかと。

San Sebastiano, Andrea Mantegna, 1431-1506
最初に目に飛び込んでくるのが、
15世紀のAndrea Mantegna(アンドレア・マンテーニャ)作、
「聖セバスチャン」の描かれた、アルコーヴの一角。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
天井装飾ラヴ。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
その先に続くメインの展示室は、
美術館として、シンプルな内装になっている。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
上の方に飾られているフレスコのフリーズは、
もともとここにあったものじゃないかな・・・?
というのは想像だけど。

で、このエントランスホールに相当するPortego(ポルテゴ)の、
両サイドの部屋の展示を見て回る前に、
ガラス戸の向こうのバルコニー部分に吸い寄せられていく。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
いやもう・・・ここからの、グランカナルの眺めだけでも、
ここに入った価値があるというもの。

View from Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
Mercato di Rialto(メルカト・ディ・リアルト=リアルト市場)の、
青物市場、古い建物の中の魚市場を対岸に臨む。
この時間帯には営業の終わっている魚市場の前に、
停泊しているボートは、輸送ボートというかデリバリー・ボート。
そう、車の出入りできないヴェニスでは、
運送も、宅急便もすべて、ボート便。
イタリア本土から鉄道駅裏のパーキングまでは、
トラックで運ばれて、そこからボートに積み直しての配達。
なんでも物価が高いのは、観光客目当てだけではなくて、
こういう輸送コストも関係しているかも。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
美しいバルコニーの話をしていたのに・・・閑話休題。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
余談ついでに・・・ここで、旅行中唯一撮ったセルフィー。
基本が「モノ好き」なので、モノばかり撮ってて、
自分を含めて、人間を撮るということが一切意識から抜けている。
私行きましたよ・・・の、唯一の証拠写真。

Polittico di Santa Caterina, Artista inglese del secolo XV
さて、展示物・・・・。
15世紀のアラバスター彫り(?)に彩色の、ポリプティック(多翼祭壇画)。
聖カテリナを描いたもの。

Polittico della Passione, Antonio Vivarni e aiuti, Murano 1415 - 1476(84)
これも15世紀のポリプティック(多翼祭壇画)で、キリスト磔刑を描いたもの。
ムラノ・ガラス職人一族出身の画家、Antonio Vivarini(アントニオ・ヴィヴァリニ)作。

Madonna col Bambino e sant' Onofrio, Carlo Crivelli, Venezia 1430-35)
なんだか、ひとクセある聖母子と思ったら、
Carlo Crivelli(カルロ・クリヴェッリ
ここでお目にかかるとは・・・。

Part of Madonna col Bambino e sant' Onofrio, Carlo Crivelli, Venezia 1430-35)
「高貴にして華麗にして冷酷」などという、
キャッチを付けてしまいそうになるクリヴェッリ。
ラヴです(笑)。

Madonna col Bambino, Michele Giambono, 1420-62
こちらのもっとおっとりした聖母子は、
Michele Giambono(ミケーレ・ギアンボーノ)作。

Annunciazione, Vitore Carpaccio, 1460-1523(26)
Vitore Carpaccio(ヴィットーレ・カルパッチョ)作の「受胎告知」。
そう、インテリアが好き^^。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
ポルテゴを挟んで、反対側の展示室に移動する。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
bullseye(ブルズアイ)ガラスの影がきれい。

Incoronazione della Vergine, Andrea di Bartolo, Siena 1389-1428
先に見ていた部屋は主に15世紀絵画の展示で、
こちらの一角は14-15世紀のもの。
これはAndrea di Bartolo(アンドレア・ディ・バルトロ)の「聖母戴冠」。
フィレンチェのGiotto(ジオット)に通じるような、
高い頬骨と切れ長の目に、それでいて、柔らかな衣の表現。
目を引かれた作品の一つ。

Sei Apostoli, Maestro di San Davino, Pisa Lucca 1395-1420
「12聖人」の一部は、聖ダヴィノ(←なんだか聞かない名前の聖人さん)の画家作
ということになっている。
ピサやルッカで活動した画家だそう。
中世(ビザンツ)からルネッサンスへの過渡期の、
やや様式的ながら華麗な表現。

Annunciazione, Maestro lombardo, del XV secolo
15世紀の受胎告知。
絵画自体より、このフレームに目が釘付け。

Madonna in trono col Bambino e i santi Pietro e Paolo, Bicci di Lorenzo, Firenze 1373-1452
"Madonna in trono col Bambino e i santi Pietro e Paolo"
「聖ペテロと聖パウロに伴われた、戴冠の聖母子」は、
14世紀後半から15世紀前半の、
Bicci di Lorenzo(ビッチ・ディ・ロレンゾ)作。

Resurrezione, Benardino di Mariotto, Perugia 1478-1566
14-15世紀の Perugia (ペルージャ)の画家、
Benardino di Mariotto(ベルナルディノ・ディ・マリオット)の、
「Resurrezione(キリストの蘇生)」。

Galleria Giorgio Franchetti alla Ca' d'Oro
ディティールは記録から漏れていて、不明なのだけれど、
左の天使のタッチ、ポーズがウィリアム・モリスかと思った(笑)。
もしかして、彼はこれを見ていたのだろうか?

Madonna col Bambino, Francesco Botticini, Firenze 1446-1498
"Madonna col Bambino, Francesco Botticini"
15世紀後半ともなると、表現が描写的で、
完全にルネッサンス・スタイルに入っていく。
フィレンチェの画家、Francesco Botticini
(フランチェスコ・ボッティッチーニ)の「聖母子」。

Madonna col Bambino, Benvenuto Tisi detto il Garofalo, Ferrara 1481- 1559
ルネッサンスもやや後期、フェラーラの画家、
Garofaloガロファロ)の「聖母子」


と、いうところで、話は次回に続きます。






Ca' d'Oro(カ・ドーロ)

開館時間は英文で<このページ>に。

地図:












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