Ca' d'Oro, Venice(カ・ドーロ、ヴェニス)-1-
グランカナルに面する邸宅の中でも、最も美しいものの一つに数えられている、15世紀建造の邸宅、Ca' d'Oro(カ・ドーロ)。
最後のオーナーだった、Giorgio Franchetti (ジョルジョ・フランケッティ)が、その美術コレクションとともに、1922年に国家に寄贈して、1927年以降、美術館として公開されている。
なので、美術館としては 「Galleria Giorgio Franchetti(ジョルジョ・フランケッティ美術館)」と呼ばれている。
ヴェネチアンと、フレミッシュのルネッサンス絵画が中心の、コレクションを見るというのも、目的のひとつなんだけれど、それ以上に、この屋敷をぜひ内側からみてみたい・・・というのも、ポイント高し。
グランカナルを走る水上バスから、
かろうじて撮れた外観がこれ。
もうちょっと説明的にわかりやすいイメージをwikiから借りてきた。
Ca' d'Oro(カ・ドーロ)というのは「黄金の館」の意味で、
もともとは金張りど多彩色で彩られていたのだとか。
大理石自体でも、色大理石が使われているせいか、
彩色はなくてもかすかに色のコントラストが出ている。
うん、いや、これぐらいの方が上品な感じで、いいのではないだろうか。
この、ゴシック様式がヴェニスの典型で、
これだけゴシック様式の建造物が、
現役で軒並みゴロゴロしているのは、
ヨーロッパでも、ヴェニスぐらいではないかと。
最初に目に飛び込んでくるのが、
15世紀のAndrea Mantegna(アンドレア・マンテーニャ)作、
「聖セバスチャン」の描かれた、アルコーヴの一角。
天井装飾ラヴ。
その先に続くメインの展示室は、
美術館として、シンプルな内装になっている。
上の方に飾られているフレスコのフリーズは、
もともとここにあったものじゃないかな・・・?
というのは想像だけど。
で、このエントランスホールに相当するPortego(ポルテゴ)の、
両サイドの部屋の展示を見て回る前に、
ガラス戸の向こうのバルコニー部分に吸い寄せられていく。
いやもう・・・ここからの、グランカナルの眺めだけでも、
ここに入った価値があるというもの。
Mercato di Rialto(メルカト・ディ・リアルト=リアルト市場)の、
青物市場、古い建物の中の魚市場を対岸に臨む。
この時間帯には営業の終わっている魚市場の前に、
停泊しているボートは、輸送ボートというかデリバリー・ボート。
そう、車の出入りできないヴェニスでは、
運送も、宅急便もすべて、ボート便。
イタリア本土から鉄道駅裏のパーキングまでは、
トラックで運ばれて、そこからボートに積み直しての配達。
なんでも物価が高いのは、観光客目当てだけではなくて、
こういう輸送コストも関係しているかも。
美しいバルコニーの話をしていたのに・・・閑話休題。
余談ついでに・・・ここで、旅行中唯一撮ったセルフィー。
基本が「モノ好き」なので、モノばかり撮ってて、
自分を含めて、人間を撮るということが一切意識から抜けている。
私行きましたよ・・・の、唯一の証拠写真。
さて、展示物・・・・。
15世紀のアラバスター彫り(?)に彩色の、ポリプティック(多翼祭壇画)。
聖カテリナを描いたもの。
これも15世紀のポリプティック(多翼祭壇画)で、キリスト磔刑を描いたもの。
ムラノ・ガラス職人一族出身の画家、Antonio Vivarini(アントニオ・ヴィヴァリニ)作。
なんだか、ひとクセある聖母子と思ったら、
Carlo Crivelli(カルロ・クリヴェッリ)
ここでお目にかかるとは・・・。
「高貴にして華麗にして冷酷」などという、
キャッチを付けてしまいそうになるクリヴェッリ。
ラヴです(笑)。
こちらのもっとおっとりした聖母子は、
Michele Giambono(ミケーレ・ギアンボーノ)作。
Vitore Carpaccio(ヴィットーレ・カルパッチョ)作の「受胎告知」。
そう、インテリアが好き^^。
ポルテゴを挟んで、反対側の展示室に移動する。
bullseye(ブルズアイ)ガラスの影がきれい。
先に見ていた部屋は主に15世紀絵画の展示で、
こちらの一角は14-15世紀のもの。
これはAndrea di Bartolo(アンドレア・ディ・バルトロ)の「聖母戴冠」。
フィレンチェのGiotto(ジオット)に通じるような、
高い頬骨と切れ長の目に、それでいて、柔らかな衣の表現。
目を引かれた作品の一つ。
「12聖人」の一部は、聖ダヴィノ(←なんだか聞かない名前の聖人さん)の画家作
ということになっている。
ピサやルッカで活動した画家だそう。
中世(ビザンツ)からルネッサンスへの過渡期の、
やや様式的ながら華麗な表現。
15世紀の受胎告知。
絵画自体より、このフレームに目が釘付け。
"Madonna in trono col Bambino e i santi Pietro e Paolo"
「聖ペテロと聖パウロに伴われた、戴冠の聖母子」は、
14世紀後半から15世紀前半の、
Bicci di Lorenzo(ビッチ・ディ・ロレンゾ)作。
14-15世紀の Perugia (ペルージャ)の画家、
Benardino di Mariotto(ベルナルディノ・ディ・マリオット)の、
「Resurrezione(キリストの蘇生)」。
ディティールは記録から漏れていて、不明なのだけれど、
左の天使のタッチ、ポーズがウィリアム・モリスかと思った(笑)。
もしかして、彼はこれを見ていたのだろうか?
"Madonna col Bambino, Francesco Botticini"
15世紀後半ともなると、表現が描写的で、
完全にルネッサンス・スタイルに入っていく。
フィレンチェの画家、Francesco Botticini
(フランチェスコ・ボッティッチーニ)の「聖母子」。
ルネッサンスもやや後期、フェラーラの画家、
Garofalo(ガロファロ)の「聖母子」
と、いうところで、話は次回に続きます。
Ca' d'Oro(カ・ドーロ)
開館時間は英文で<このページ>に。
地図:
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