Saturday, 24 July 2010

リドリー・スコット監督新作映画「ロビン・フッド」

私の周りの友人たちは「また、あの話か・・・。」と思うことだろうが、そう、標本箱にはまだ入っていなかったので、詰めさせてもらう。

先日は、中世ヨーロッパのジュエリーに関して書いた。少しはそれに関連してなのだが、中世も中世、一番私には親しみのあるプランタジネット王朝のアクション時代劇、リドリー・スコット(Ridley Scott)監督の「ロビン・フッド(Robin Hood)」に、Kotomiジュエリーが約2分程度映っている・・・。 (参:Wikipedia Japan: ロビン・フッド

K Jewellery Robin Hood

ジョン王の、この設定ではまだ愛人であった、イザベラ・デュ・アンギュレーム(リア・シデュー演)が、王室のシーンで着けている。このいきさつを今日は書いてみよう。

このトレイラーで一瞬映る。お見逃しなく・・・。(トレイラーは3種あるようだが、この王室のシーンが映るのは、このトレイラーだけ。)



話は去年の2月中ごろにさかのぼる。
私が出先から帰宅すると、配偶者氏がなにやらエキサイトしている。
「早く・・・ここに電話して!!Shepperton Studio!! 映画の撮影用にジュエリーを探してるんだってさ!!」
最初は意味がよく解らなかったが、Shepprton Studio(シェパートン・スタジオ)が昔から数々のイギリス映画を生み出してきた撮影所だ、ということぐらいは知っている。どうやら、そこの中の「メリー・メン・フィルムス」(ロビンフッド伝説の「愉快な仲間達」から採られている)という部門が、2010年公開予定のリドリー・スコット監督の新作映画ロビン・フッドの撮影準備中で、中世風・ビザンティン風のジュエリーを探している、という話。
それなら・・・私のジュエリーではないか。その上、近頃はあまり映画も見ない私の、数少ない「お気に入り」の監督がリドリー・スコット。(ストーリー性とか、ドラマを追うことより、美術、コスチューム、小物、ライティング、映像加工しか見ていない私が、映画を語るのは全くおこがましいのでやめておく・・・。)
即、電話を返し、さっそくその翌日には買い付け担当のEさんがアトリエにやってきた。

彼女たちは衣装部ではなく小物部で、当初の予定では、ロビン・フッドが悪役領主から奪ってきた宝箱を開けると、その中にはあふれんばかりのジュエリー・・・というシーンの、あふれんばかりのジュエリーを探しているのだった。
いまどきのこととて、「中世ジュエリー」や「ビザンティン・ジュエリー」をキーワードにNet検索。最初にたどり着いた、イメージに合ったジュエラーはしかし、ギリシャ在住で、それもゴールドと貴石を使った高価なもの。いかにユニヴァーサル・スタジオがバックに就いているとはいえ、「あふれんばかり」の量は購入できない。
次に、たどり着いたのが私で、どうやらイギリス在住で・・・どうやらロンドン郊外で・・・それもシェパートン・スタジオからほんの数マイルのサービトンにいる!!と解って、先方は先方で大いにエキサイトしていたらしい。
その上、私のジュエリーはゴールド・ジュエリーに比べると格安でボリュームもあって「あふれんばかり」のジュエリーには最適。

まず、私の見せた大型のペンダントを約30アイテムほどを写真に撮って、うち2-3点を実サンプルとして購入。
「一両日中には、上司と打ち合わせして、どれを買うか追って知らせる」という話で、Eさんが帰っていったのがお昼ごろ。ところが、3時過ぎに電話があり「上司に見せた結果、30アイテムすべて買い取るので、大至急請求書を起こして欲しい。」・・・これは、もう、嬉しい驚き。

They are all going for filming!! 25/02/09
第一回お買い上げのジュエリーたち。
下の真ん中、大きなグリーンのペンダントが映画で映ったもの。


3月に入ってから、再びEさんから連絡があり「まだ足りない!!」 追加でもう10点ほどお買い上げ。

Robin Hood wants more booty!! 06/03/09
第二回お買い上げのジュエリー達


その後、5月から撮影に入ったとは聞いていたが、一納入業者とて、ひとたび納品すればそれで話は終わり、あとは、運次第。途中、親切なEさんから経過が知らされ「お宝箱」のシーンは残念ながらボツ。その代わり、ジョン王と愛人のベッドシーンの、ベッドの横のチェストの上に並ぶとか・・・、フランス王フィリップ2世が着けるとか・・・話は二転三転。
映画の撮影にストーリーの変更はつき物。運よくカメラに収まっても、最終編集で生きのこるとは限らない。「映画に採用された」といくら言っても、公開編で映っていなければ・・・これはもうまったく話にならない。あまり、期待はしていなかった。

話が再びエキサイトし始めたのは、今年の4月。「ロビン・フッド」5月公開のニュースが届いて、トレーラーがNetにかかり始めた頃。
第一トレイラーでは、何も映ってはいない「ま、そんなもんさ。」
その、一週間後に、第二・第三トレイラーがNetにかかっていた。それが上のトレイラー。「映ったーっ!!」

Robin Hood Day!! 12/05/10
5月12日イギリス公開初日の初上映に駆けつける。
ロンドン、レスター・スクエアのエンパイア・シネマ


映っていることは確かなのだが、果たしてどれぐらい?他にも映っているのか? 私も一緒に行った友人も、かなりハイ気味。

結果は・・・上記のシーンのみで、2-3回カメラがスパンしてイザベラ・デュ・アンギュレームを映し、トータル2分弱。
友人は、もう一シーン、王室随員役のエキストラ男優がクロスのペンダントを着けていたように思う・・・と言うが、これはもうDVDになってからでないと確認のしようがない。

映画の内容の方はどうかというと、確かにアクション・エンターティメントとしてはよくできているし、いつもながら、質感のあるリアルな美術、カメラーワークも決まっているが、昨今のトレンドだろう、各シーンが短すぎて私のような中年にはめまぐるしすぎる・・・。「グラディエーター」の緊迫感や「ブレード・ランナー」の映像美には及ばない。時代が変わっただけかもしれないが・・・。

日本公開は、今年の秋とか12月とか聞くが、実際のスケジュールは知らない。
もしKotomiジュエリー、2分のハリウッド映画出演にご興味があれば、ぜひご覧ください(笑)。


*今日はこれから、再びHampton Court Palace (ハンプトン・コート・パレス)にカメラを提げて出かける。
Henry's Honeymoon(ヘンリー8世のハネムーン)というコスチューム・イベントの見物。
ご存知のように、ヘンリー8世は6人妻を「使い捨てた」ので有名なチューダー朝の王様だが、今回のイベントは3人目の妻・Jane Seymour(ジェーン・シーモア)のお披露目という設定になっている。
なにしろ夏休み始まったばかりで、観光客でごった返すイベントとて、どんな写真が撮れるかわからない。
まぁ、エンジョイあるのみ。いい写真が取れたら、また標本箱に詰め込むことにする。

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